第5章 Pod の管理


5.1. 概要

This topic describes the management of pods, including limiting their run-once duration, and how much bandwidth they can use.

5.2. 1 回実行 (run-once) Pod 期間の制限

OpenShift Container Platform は 1 回実行 (run-once) Pod を使用して Pod のデプロイやビルドの実行などのタスクを実行します。1 回実行 (run-once) Pod は、RestartPolicyNever または OnFailure の Pod です。

クラスター管理者は RunOnceDuration の受付制御プラグインを使用し、1 回実行 (run-once) Pod の有効期間の制限を強制的に実行できます。期限が切れると、クラスターはそれらの Pod をアクティブに終了しようとします。このような制限を設ける主な理由は、ビルドなどのタスクが長い時間にわたって実行されることを防ぐことにあります。

5.2.1. RunOnceDuration プラグインの設定

このプラグインの設定には、1 回実行 (run-once) Pod のデフォルト有効期限を含める必要があります。この期限はグローバルに実施されますが、プロジェクト別の期限によって置き換えられることがあります。

kubernetesMasterConfig:
  admissionConfig:
    pluginConfig:
      RunOnceDuration:
        configuration:
          apiVersion: v1
          kind: RunOnceDurationConfig
          activeDeadlineSecondsOverride: 3600 1
1
1 回実行 (run-once) Pod のグローバルのデフォルト値 (秒単位) を指定します。

5.2.2. プロジェクト別のカスタム期間の指定

1 回実行 (run-once) Pod のグローバルな最長期間を設定することに加え、管理者はアノテーション (openshift.io/active-deadline-seconds-override) を特定プロジェクトに追加し、グローバルのデフォルト値を上書きすることができます。

apiVersion: v1
kind: Project
metadata:
  annotations:
    openshift.io/active-deadline-seconds-override: "1000" 1
1
1 回実行 (run-once) Pod のデフォルト有効期限 (秒単位) を 1000 秒に上書きします。上書きに使用する値は、文字列形式で指定される必要があります。

5.2.2.1. Egress ルーター Pod のデプロイ

例5.1 Egress ルーターの Pod 定義のサンプル

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: egress-1
  labels:
    name: egress-1
  annotations:
    pod.network.openshift.io/assign-macvlan: "true"
spec:
  containers:
  - name: egress-router
    image: openshift3/ose-egress-router
    securityContext:
      privileged: true
    env:
    - name: EGRESS_SOURCE 1
      value: 192.168.12.99
    - name: EGRESS_GATEWAY 2
      value: 192.168.12.1
    - name: EGRESS_DESTINATION 3
      value: 203.0.113.25
  nodeSelector:
    site: springfield-1 4
1
この Pod で使用するためにクラスター管理者が予約するノードサブセットの IP アドレス。
2
ノード自体で使用されるデフォルトゲートウェイと同じ値。
3
Pod の接続は 203.0.113.25 にリダイレクトされます。ソース IP アドレスは 192.168.12.99 です。
4
Pod はラベルサイトが springfield-1 のノードにのみデプロイされます。

pod.network.openshift.io/assign-macvlan annotation はプライマリーネットワークインターフェースに Macvlan ネットワークインターフェースを作成してから、それを Pod のネットワーク namespace に移行し、egress-router コンテナーを起動します。

注記

Preserve the the quotation marks around "true". Omitting them will result in errors.

Pod には openshift3/ose-egress-router イメージを使用する単一コンテナーが含まれ、そのコンテナーは特権モードで実行されるので、Macvlan インターフェースを設定したり、iptables ルールをセットアップしたりできます。

環境変数は egress-router イメージに対し、使用するアドレスを指示します。これは、EGRESS_SOURCE を IP アドレスとして、また EGRESS_GATEWAY をゲートウェイとして使用するよう Macvlan を設定します。

NAT ルールが設定され、Pod のクラスター IP アドレスの TCP または UDP ポートへの接続が EGRESS_DESTINATION の同じポートにリダイレクトされるようにします。

クラスター内の一部のノードのみが指定されたソース IP アドレスを要求でき、指定されたゲートウェイを使用できる場合、受け入れ可能なノードを示す nodeName または nodeSelector を指定することができます。

5.2.2.2. Egress ルーターサービスのデプロイ

通常、egress ルーターを参照するサービスを作成する必要が生じる場合があります (ただし、これは必ずしも必須ではありません)。

apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  name: egress-1
spec:
  ports:
  - name: http
    port: 80
  - name: https
    port: 443
  type: ClusterIP
  selector:
    name: egress-1

Pod がこのサービスに接続できるようになります。これらの接続は、予約された egress IP アドレスを使用して外部サーバーの対応するポートにリダイレクトされます。

5.2.3. Egress ファイアウォールでの Pod アクセスの制限

OpenShift Container Platform クラスター管理者は egress ポリシーを使用して、一部またはすべての Pod がクラスターからアクセスできる外部アドレスを制限できます。これにより、以下が可能になります。

  • Pod の対話を内部ホストに制限し、パブリックインターネットへの接続を開始できないようにする。

    または

  • Pod の対話をパブリックインターネットに制限し、(クラスター外の) 内部ホストへの接続を開始できないようにする。

    または

  • Pod が接続する理由のない指定された内部サブネット/ホストに到達できないようにする。

プロジェクトは複数の異なる egress ポリシーで設定でき、たとえば指定された IP 範囲への <project A> のアクセスを許可する一方で、同じアクセスを <project B> に対して拒否することができます。

注意

You must have the ovs-multitenant plug-in enabled in order to limit pod access via egress policy.

プロジェクト管理者は、EgressNetworkPolicy オブジェクトを作成することも、プロジェクトで作成するオブジェクトを編集することもできません。また、EgressNetworkPolicy の作成に関連して他のいくつかの制限があります。

  1. デフォルトプロジェクト (および oc adm pod-network make-projects-global でグローバルにされたその他のプロジェクト) には egress ポリシーを設定することができません。
  2. (oc adm pod-network join-projects を使用して) 2 つのプロジェクトをマージする場合、マージしたプロジェクトのいずれでも egress ポリシーを使用することはできません。
  3. いずれのプロジェクトも複数の egress ポリシーオブジェクトを持つことができません。

上記の制限のいずれかに違反すると、プロジェクトの egress ポリシーに障害が発生し、すべての外部ネットワークトラフィックがドロップされる可能性があります。

5.2.3.1. Pod アクセス制限の設定

Pod アクセス制限を設定するには、oc コマンドまたは REST API を使用する必要があります。oc [create|replace|delete] を使用すると、EgressNetworkPolicy オブジェクトを操作できます。api/swagger-spec/oapi-v1.json ファイルには、オブジェクトの機能方法についての API レベルの詳細情報が含まれます。

Pod のアクセス制限を設定するには、以下を実行します。

  1. 対象とするプロジェクトに移動します。
  2. Pod の制限ポリシーについての JSON ファイルを作成します。

    # oc create -f <policy>.json
  3. ポリシーの詳細情報を使って JSON ファイルを設定します。以下は例になります。

    {
        "kind": "EgressNetworkPolicy",
        "apiVersion": "v1",
        "metadata": {
            "name": "default"
        },
        "spec": {
            "egress": [
                {
                    "type": "Allow",
                    "to": {
                        "cidrSelector": "1.2.3.0/24"
                    }
                },
                {
                    "type": "Allow",
                    "to": {
                        "dnsName": "www.foo.com"
                    }
                },
                {
                    "type": "Deny",
                    "to": {
                        "cidrSelector": "0.0.0.0/0"
                    }
                }
            ]
        }
    }

    上記のサンプルがプロジェクトに追加されると、IP 範囲 1.2.3.0/24 およびドメイン名 www.foo.com へのへのトラフィックは許可されますが、その他すべての外部 IP アドレスへのアクセスは拒否されます (ポリシーが 外部 トラフィックにのみ適用されるので他の Pod へのトラフィックは影響を受けません)。

    EgressNetworkPolicy のルールは順番にチェックされ、一致する最初のルールが実施されます。上記の例の 3 つの例を逆順に定義した場合、0.0.0.0/0 ルールが最初にチェックされ、すべてのトラフィックに一致し、それらすべてを拒否するため、1.2.3.0/24 および www.foo.com へのトラフィックは許可されません。

    ドメイン名の更新は 30 秒以内に反映されます。上記の例で www.foo.com10.11.12.13 に解決されますが、20.21.22.23 に変更されたとします。OpenShift Container Platform では最長 30 秒後にこれらの DNS 更新に対応します。

5.3. Pod で利用可能な帯域幅の制限

QoS (Quality-of-Service) トラフィックシェーピングを Pod に適用し、その利用可能な帯域幅を効果的に制限することができます。(Pod からの) Egress トラフィックは、設定したレートを超えるパケットを単純にドロップするポリシングによって処理されます。(Pod への) Ingress トラフィックは、データを効果的に処理できるようシェーピングでパケットをキューに入れて処理されます。Pod に設定する制限は、他の Pod の帯域幅には影響を与えません。

Pod の帯域幅を制限するには、以下を実行します。

  1. オブジェクト定義 JSON ファイルを作成し、kubernetes.io/ingress-bandwidth および kubernetes.io/egress-bandwidth アノテーションを使用してデータトラフィックの速度を指定します。たとえば、 Pod の egress および ingress の両方の帯域幅を 10M/s に制限するには、以下を実行します。

    例5.2 制限が設定された Pod オブジェクト定義

    {
        "kind": "Pod",
        "spec": {
            "containers": [
                {
                    "image": "nginx",
                    "name": "nginx"
                }
            ]
        },
        "apiVersion": "v1",
        "metadata": {
            "name": "iperf-slow",
            "annotations": {
                "kubernetes.io/ingress-bandwidth": "10M",
                "kubernetes.io/egress-bandwidth": "10M"
            }
        }
    }
  2. オブジェクト定義を使用して Pod を作成します。

    oc create -f <file_or_dir_path>

5.4. Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) の設定

A pod disruption budget is part of the Kubernetes API, which can be managed with oc commands like other object types. They allow the specification of safety constraints on pods during operations, such as draining a node for maintenance.

注記

Starting in OpenShift Container Platform 3.6, pod disruption budgets are now fully supported.

PodDisruptionBudget は、同時に起動している必要のあるレプリカの最小数またはパーセンテージを指定する API オブジェクトです。これらをプロジェクトに設定することは、ノードのメンテナンス (クラスターのスケールダウンまたはクラスターのアップグレードなどの実行) 時に役立ち、この設定は (ノードの障害時ではなく) 自発的なエビクションの場合にのみ許可されます。

PodDisruptionBudget オブジェクトの設定は、以下の主要な部分で構成されています。

  • 一連の Pod に対するラベルのクエリー機能であるラベルセレクター。
  • 同期に利用可能にする必要のある Pod の最小数を指定する可用性レベル。

以下は、PodDisruptionBudget リソースのサンプルです。

apiVersion: policy/v1beta1 1
kind: PodDisruptionBudget
metadata:
  name: my-pdb
spec:
  selector:  2
    matchLabels:
      foo: bar
  minAvailable: 2  3
1
PodDisruptionBudgetpolicy/v1beta1 API グループの一部です。
2
一連のリソースに対するラベルのクエリー。matchLabelsmatchExpressions の結果は論理的に結合されます。
3
同時に利用可能である必要のある Pod の最小数。これには、整数またはパーセンテージ (例: 20%) を指定する文字列を使用できます。

上記のオブジェクト定義で YAML ファイルを作成した場合、これを以下のようにプロジェクトに追加することができます。

$ oc create -f </path/to/file> -n <project_name>

以下を実行して、Pod の disruption budget をすべてのプロジェクトで確認することができます。

$ oc get poddisruptionbudget --all-namespaces

NAMESPACE         NAME          MIN-AVAILABLE   SELECTOR
another-project   another-pdb   4               bar=foo
test-project      my-pdb        2               foo=bar

PodDisruptionBudget は、最低でも minAvailable の Pod がシステムで実行されている場合は正常であるとみなされます。この制限を超えるすべての Pod はエビクションの対象となります。

5.5. Injecting Information into Pods Using Pod Presets

A pod preset is an object that injects user-specified information into pods as they are created.

重要

Pod presets is a Technology Preview feature only. Technology Preview features are not supported with Red Hat production service level agreements (SLAs), might not be functionally complete, and Red Hat does not recommend to use them for production. These features provide early access to upcoming product features, enabling customers to test functionality and provide feedback during the development process.

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポートについての詳細は、https://access.redhat.com/support/offerings/techpreview/ を参照してください。

Using pod preset objects you can inject:

Developers only need make sure the pod labels match the label selector on the PodPreset in order to add all that information to the pod. The label on a pod associates the pod with one or more pod preset objects that have a matching label selectors.

Using pod presets, a developer can provision pods without needing to know the details about the services the pod will consume. An administrator can keep configuration items of a service invisible from a developer without preventing the developer from deploying pods. For example, an administrator can create a pod preset that provides the name, user name, and password for a database through a secret and the database port through environment variables. The pod developer only needs to know the label to use to include all the information in pods. A developer can also create pod presets and perform all the same tasks. For example, the developer can create a preset that injects environment variable automatically into multiple pods.

注記

The Pod Preset feature is available only if the Service Catalog has been installed.

You can exclude specific pods from being injected using the podpreset.admission.kubernetes.io/exclude: "true" parameter in the pod specification. See the example pod specification.

For more information, see Injecting Information into Pods Using Pod Presets.

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.