8.3.5. バイナリー (ローカル) ソース
ローカルのファイルシステムからビルダーにコンテンツをストリーミングする方法は、Binary
タイプのビルドと呼ばれています。このビルドについての BuildConfig.spec.source.type
の対応する値は Binary
です。
このソースタイプは、oc start-build
のみをベースとして使用される点で独特なタイプです。
バイナリータイプのビルドでは、ローカルファイルシステムからコンテンツをストリーミングする必要があります。そのため、バイナリーファイルが提供されないので、バイナリータイプのビルドを自動的にトリガーすること (例: イメージの変更トリガーなど) はできません。同様に、Web コンソールからバイナリータイプのビルドを起動することはできません。
バイナリービルドを使用するには、以下のオプションのいずれかを指定して oc start-build
を呼び出します。
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--from-file
: 指定したファイルのコンテンツはバイナリーストリームとしてビルダーに送信されます。ファイルに URL を指定することもできます。次に、ビルダーはそのデータをビルドコンテキストの上に、同じ名前のファイルに保存します。 -
--from-dir
および--from-repo
: コンテンツはアーカイブされて、バイナリーストリームとしてバイナリーに送信されます。次に、ビルダーはビルドコンテキストディレクトリー内にアーカイブのコンテンツを展開します。--from-dir
を使用して、展開されるアーカイブに URL を指定することもできます。 -
--from-archive
: 指定したアーカイブはビルダーに送信され、ビルドコンテキストディレクトリーに展開されます。このオプションは--from-dir
と同様に動作しますが、このオプションの引数がディレクトリーの場合には常に、まずアーカイブがホストに作成されます。
上記のそれぞれの例では、以下のようになります。
-
BuildConfig
にBinary
のソースタイプが定義されている場合には、これは事実上無視され、クライアントが送信する内容に置き換えられます。 -
BuildConfig
にGit
のソースタイプが定義されている場合には、Binary
とGit
は併用できないので、動的に無効にされます。 この場合、ビルダーに渡されるバイナリーストリームのデータが優先されます。
ファイル名ではなく、HTTP または HTTPS スキーマを使用する URL を --from-file
や --from-archive
に渡すことができます。--from-file
で URL を指定すると、ビルダーイメージのファイル名は Web サーバーが送信する Content-Disposition
ヘッダーか、ヘッダーがない場合には URL パスの最後のコンポーネントによって決定されます。認証形式はどれもサポートされておらず、カスタムのTLS 証明書を使用したり、証明書の検証を無効にしたりできません。
oc new-build --binary=true
を使用すると、バイナリービルドに関連する制約が実施されるようになります。作成される BuildConfig
のソースタイプは Binary
になります。 つまり、この BuildConfig
のビルドを実行するための唯一の有効な方法は、--from
オプションのいずれかを指定して oc start-build
を使用し、必須のバイナリーデータを提供する方法になります。
dockerfile
および contextDir
のソースオプションは、バイナリービルドに関して特別な意味を持ちます。
dockerfile
はバイナリービルドソースと合わせて使用できます。dockerfile
を使用し、バイナリーストリームがアーカイブの場合には、そのコンテンツはアーカイブにある Dockerfile の代わりとして機能します。dockerfile
が --from-file
の引数と合わせて使用されている場合には、ファイルの引数は dockerfile
となり、dockerfile
の値はバイナリーストリームの値に置き換わります。
バイナリーストリームが展開されたアーカイブのコンテンツをカプセル化する場合には、contextDir
フィールドの値はアーカイブ内のサブディレクトリーと見なされます。 有効な場合には、ビルド前にビルダーがサブディレクトリーに切り替わります。