第2章 クラスターインストール方法の選択およびそのユーザー向けの準備


OpenShift Container Platform をインストールする前に、実行するインストールプロセスを決定し、ユーザー用にクラスターを準備する際に必要なすべてのリソースがあることを確認します。

2.1. クラスターのインストールタイプの選択

OpenShift Container Platform クラスターをインストールする前に、実行する最適なインストール手順を選択する必要があります。以下の質問に回答して、最も良いオプションを選択します。

2.1.1. OpenShift Container Platform クラスターを独自にインストールし、管理しますか ?

OpenShift Container Platform を独自にインストールし、管理する必要がある場合、以下のプラットフォームにインストールすることができます。

  • Amazon Web Services (AWS)
  • Microsoft Azure
  • Google Cloud Platform (GCP)
  • Red Hat OpenStack Platform (RHOSP)
  • Red Hat Virtualization (RHV)
  • IBM Z および LinuxONE
  • Red Hat Enterprise Linux (RHEL) KVM 用の IBM Z および LinuxONE
  • IBM Power
  • VMware vSphere
  • VMware Cloud (VMC) on AWS
  • ベアメタルまたはその他のプラットフォームに依存しないインフラストラクチャー

OpenShift Container Platform 4 クラスターは、オンプレミスハードウェアとクラウドホストサービスの両方にデプロイできますが、クラスターのすべてのマシンは同じデータセンターまたはクラウドホストサービスにある必要があります。

OpenShift Container Platform を使用する必要があるが、クラスターを独自に管理することを望まない場合は、複数のマネージドサービスオプションを使用できます。Red Hat によって完全に管理されるクラスターが必要な場合は、OpenShift Dedicated または OpenShift Online を使用することができます。OpenShift を Azure、AWS、IBM Cloud、または Google Cloud でマネージドサービスとして使用することもできます。マネージドサービスの詳細は、OpenShift の製品 ページを参照してください。クラウド仮想マシンを仮想ベアメタルとして OpenShift Container Platform クラスターをインストールする場合、対応するクラウドベースのストレージはサポートされません。

2.1.2. OpenShift Container Platform 3 を使用したことがあり、その上で OpenShift Container Platform 4 を使用することを希望していますか ?

OpenShift Container Platform 3 を使用したことがあり、OpenShift Container Platform 4 を使用してみたいと思われる場合は、OpenShift Container Platform 4 がどのように異なるかを理解しておく必要があります。OpenShift Container Platform 4 では、 Kubernetes アプリケーション、プラットフォームが実行されるオペレーティングシステム、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を共にシームレスにパッケージ化し、デプロイし、管理する Operator を使用します。マシンをデプロイし、それらのオペレーティングシステムを設定して OpenShift Container Platform をそれらにインストールできるようにする代わりに、RHCOS オペレーティングシステムが OpenShift Container Platform クラスターの統合された部分として使用されます。OpenShift Container Platform のインストールプロセスの一部として、クラスターマシンのオペレーティングシステムをデプロイします。OpenShift Container Platform 3 と OpenShift Container Platform 4 の比較 を参照してください。

OpenShift Container Platform クラスターのインストールプロセスの一部としてマシンをプロビジョニングする必要があるため、OpenShift Container Platform 3 クラスターを OpenShift Container Platform 4 にアップグレードすることはできません。その代わりに、新規の OpenShift Container Platform 4 クラスターを作成し、OpenShift Container Platform 3 ワークロードをそれらに移行する必要があります。移行について詳細は、OpenShift の移行のベストプラクティス を参照してください。OpenShift Container Platform 4 に移行するにあたり、任意のタイプの実稼働用のクラスターのインストールプロセスを使用して新規クラスターを作成できます。

2.1.3. クラスターで既存のコンポーネントを使用する必要がありますか ?

オペレーティングシステムは OpenShift Container Platform に不可欠な要素であり、OpenShift Container Platform のインストールプログラムはすべてのインフラストラクチャーの起動を簡単に実行できます。これらは、インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャー のインストールと呼ばれています。この種のインストールでは、ユーザーは既存のインフラストラクチャーをクラスターに提供できますが、インストールプログラムがクラスターを最初に必要とするすべてのマシンをデプロイします。

インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャークラスターは、クラスターまたはその基礎となるマシンを、AWSAzure、または GCP、または VMC on AWS に対してカスタマイズせずにデプロイできます。これらのインストール方法は、実稼働対応の OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする最も高速な方法です。

クラスターマシンのインスタンスタイプなど、インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャークラスターの基本設定を実行する必要がある場合は、AWSAzure、または GCP、または VMC on AWS のインストールをカスタマイズできます。

インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーのインストールの場合、既存の VPC in AWSvNet in Azure、または VPC in GCP を使用できます。ネットワークインフラストラクチャーの一部を再利用して、AWSAzureGCP、または VMC on AWS のクラスターが環境内の既存の IP アドレスの割り当てと共存し、既存の MTU および VXLAN 設定と統合できるようにします。これらのクラウドに既存のアカウントおよび認証情報がある場合は、それらを再利用できますが、OpenShift Container Platform クラスターをインストールするために必要なパーミッションを持つようアカウントを変更する必要がある場合があります。

インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャー方法を使用して、RHOSPRHOSP with KuryrRHVvSphere、および bare metal のハードウェアに適切なマシンインスタンスを作成できます。

大規模なクラウドインフラストラクチャーを再利用する必要がある場合、ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャー のインストールを実行できます。これらのインストールでは、インストールプロセス時にクラスターに必要なマシンを手動でデプロイします。AWSAzureGCP、または VMC on AWS でユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーを実行する場合、提供されるテンプレートを使用して必要なすべてのコンポーネントを起動できます。それ以外の場合は、プロバイダーに依存しないインストール方法を使用して、クラスターを他のクラウドにデプロイすることができます。

ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーは、既存のハードウェアで実行することもできます。RHOSPRHOSP on SR-IOVRHVIBM Z or LinuxONEIBM Power、または vSphere を使用する場合は、特定のインストール手順を使用してクラスターをデプロイします。サポートされる他のハードウェアを使用する場合は、ベアメタルのインストール の手順に従います。

2.1.4. クラスターに追加のセキュリティーが必要ですか ?

ユーザーによってプロビジョニングされるインストール方法を使用する場合、クラスターのプロキシーを設定できます。この手順は各インストール手順に含まれています。

パブリッククラウドのクラスターがエンドポイントを外部に公開するのを防ぐ必要がある場合は、インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用して AWSAzure、または GCP にプライベートクラスターをデプロイすることができます。

非接続のクラスターまたはネットワークが制限されたクラスターなど、インターネットへのアクセスが限定されたクラスターをインストールする必要がある場合、インストールパッケージをミラーリング し、そこからクラスターをインストールできます。AWSGCPIBM Z or LinuxONEIBM Z or LinuxONE with RHEL KVMIBM PowervSphereVMC on AWS、または bare metal のネットワークが制限された環境へのユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーのインストールの詳細な手順を実行します。AWSGCPVMC on AWSRHOSPRHV、および vSphere の詳細な手順に従って、インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用してクラスターをネットワークが制限された環境にインストールすることもできます。

クラスターを AWS GovCloud リージョン、または Azure government リージョン にデプロイする必要がある場合、インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーのインストール時にこれらのカスタムリージョンを設定できます。

また、インストール時に FIPS で検証済み/進行中のモジュール (Modules in Process) 暗号ライブラリー を使用するようにクラスターマシンを設定することもできます。

重要

FIPS 検証済み/進行中のモジュール (Modules in Process) 暗号ライブラリーの使用は、x86_64 アーキテクチャーの OpenShift Container Platform デプロイメントでのみサポートされています。

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