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5.2. Azure での Windows MachineSet オブジェクトの作成

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Microsoft Azure 上の OpenShift Container Platform クラスターで特定の機能を果たすように Windows MachineSet オブジェクトを作成できます。たとえば、インフラストラクチャー Windows マシンセットおよび関連マシンを作成して、サポートする Windows ワークロードを新規の Windows マシンに移動できます。

前提条件

  • Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールしている。
  • Docker フォーマットのコンテナーランタイムアドオンアドオンが有効な状態で、サポートされている Windows Server をオペレーティングシステムのイメージとして使用している。
重要

現時点で、Docker 形式のコンテナーランタイムは Windows ノードで使用されます。Kubernetes では、コンテナーランタイムとしての Docker を非推奨としています。詳細は、Kubernetes ドキュメントの Docker の非推奨 について参照してください。Containerd は、今後の Kubernetes リリースで Windows ノードについてサポートされる新しいコンテナーランタイムになります。

5.2.1. マシン API の概要

マシン API は、アップストリームのクラスター API プロジェクトおよびカスタム OpenShift Container Platform リソースに基づく重要なリソースの組み合わせです。

OpenShift Container Platform 4.8 クラスターの場合、マシン API はクラスターインストールの終了後にすべてのノードホストのプロビジョニングの管理アクションを実行します。このシステムにより、OpenShift Container Platform 4.8 はパブリックまたはプライベートのクラウドインフラストラクチャーに加えて弾力性があり、動的なプロビジョニング方法を提供します。

以下の 2 つのリソースは重要なリソースになります。

Machines
ノードのホストを記述する基本的なユニットです。マシンには、複数の異なるクラウドプラットフォーム用に提供されるコンピュートノードのタイプを記述する providerSpec 仕様があります。たとえば、Amazon Web Services (AWS) 上のワーカーノードのマシンタイプは特定のマシンタイプおよび必要なメタデータを定義する場合があります。
マシンセット

MachineSet リソースはマシンのグループです。マシンセットとマシンの関係は、レプリカセットと Pod の関係と同様です。マシンを追加する必要がある場合や、マシンの数を縮小したりする必要がある場合、コンピューティングのニーズに応じてマシンセットの replicas フィールドを変更します。

警告

コントロールプレーンマシンは、マシンセットで管理することはできません。

以下のカスタムリソースは、クラスターに機能を追加します。

Machine Autoscaler
MachineAutoscaler リソースはマシンをクラウドで自動的にスケーリングします。ノードに対する最小および最大のスケーリングの境界を、指定されるマシンセットに設定でき、Machine Autoscaler はノードの該当範囲を維持します。MachineAutoscaler オブジェクトは ClusterAutoscaler オブジェクトの設定後に有効になります。ClusterAutoscaler および MachineAutoscaler リソースは、どちらも ClusterAutoscalerOperator オブジェクトによって利用可能にされます。
Cluster Autoscaler
このリソースはアップストリームの Cluster Autoscaler プロジェクトに基づいています。OpenShift Container Platform の実装では、これはマシンセット API を拡張することによってクラスター API に統合されます。コア、ノード、メモリー、および GPU などのリソースのクラスター全体でのスケーリング制限を設定できます。優先順位を設定することにより、重要度の低い Pod のために新規ノードがオンラインにならないようにクラスターで Pod の優先順位付けを実行できます。また、スケーリングポリシーを設定してノードをスケールダウンせずにスケールアップできるようにすることもできます。
マシンのヘルスチェック
MachineHealthCheck リソースはマシンの正常でない状態を検知し、マシンを削除し、サポートされているプラットフォームでは新規マシンを作成します。

OpenShift Container Platform バージョン 3.11 では、クラスターでマシンのプロビジョニングが管理されないためにマルチゾーンアーキテクチャーを容易に展開することができませんでした。しかし、OpenShift Container Platform バージョン 4.1 以降、このプロセスはより簡単になりました。それぞれのマシンセットのスコープが単一ゾーンに設定されるため、インストールプログラムはユーザーに代わって、アベイラビリティーゾーン全体にマシンセットを送信します。さらに、コンピューティングは動的に展開されるため、ゾーンに障害が発生した場合の、マシンのリバランスが必要な場合に使用するゾーンを常に確保できます。Autoscaler はクラスターの有効期間中にベストエフォートでバランシングを提供します。

5.2.2. Azure の Windows MachineSet オブジェクトのサンプル YAML

このサンプル YAML は、Windows Machine Config Operator (WMCO) が応答する Microsoft Azure で実行される Windows MachineSet オブジェクトを定義します。

apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
kind: MachineSet
metadata:
  labels:
    machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1
  name: <windows_machine_set_name> 2
  namespace: openshift-machine-api
spec:
  replicas: 1
  selector:
    matchLabels:
      machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 3
      machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <windows_machine_set_name> 4
  template:
    metadata:
      labels:
        machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 5
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker
        machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <windows_machine_set_name> 6
        machine.openshift.io/os-id: Windows 7
    spec:
      metadata:
        labels:
          node-role.kubernetes.io/worker: "" 8
      providerSpec:
        value:
          apiVersion: azureproviderconfig.openshift.io/v1beta1
          credentialsSecret:
            name: azure-cloud-credentials
            namespace: openshift-machine-api
          image: 9
            offer: WindowsServer
            publisher: MicrosoftWindowsServer
            resourceID: ""
            sku: 2019-Datacenter-with-Containers
            version: latest
          kind: AzureMachineProviderSpec
          location: <location> 10
          managedIdentity: <infrastructure_id>-identity 11
          networkResourceGroup: <infrastructure_id>-rg 12
          osDisk:
            diskSizeGB: 128
            managedDisk:
              storageAccountType: Premium_LRS
            osType: Windows
          publicIP: false
          resourceGroup: <infrastructure_id>-rg 13
          subnet: <infrastructure_id>-worker-subnet
          userDataSecret:
            name: windows-user-data 14
            namespace: openshift-machine-api
          vmSize: Standard_D2s_v3
          vnet: <infrastructure_id>-vnet 15
          zone: "<zone>" 16
1 3 5 11 12 13 15
クラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID を基にするインフラストラクチャー ID を指定します。以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。
$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster
2 4 6
Windows マシンセット名を指定します。Azure の Windows マシン名は 15 文字を超えることができません。そのため、マシン名の生成方法により、マシンセット名は 9 文字を超えることができません。
7
Windows マシンとしてマシンセットを設定します。
8
Windows ノードをコンピュートマシンとして設定します。
9
2019-Datacenter-with-Containers SKU を定義する WindowsServer イメージオファリングを指定します。
10
centralus などの Azure リージョンを指定します。
14
最初の Windows マシンの設定時に WMCO によって作成されます。その後、後続のすべてのマシンセットで windows-user-data を消費できるようになります。
16
マシンを配置するリージョン内のゾーンを指定します。リージョンがゾーンをサポートすることを確認してください。

5.2.3. マシンセットの作成

インストールプログラムによって作成されるものに加え、独自のマシンセットを作成して、選択する特定のワークロードに対するマシンのコンピュートリソースを動的に管理することができます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイすること。
  • OpenShift CLI (oc) をインストールしている。
  • cluster-admin パーミッションを持つユーザーとして、oc にログインする。

手順

  1. 説明されているようにマシンセット カスタムリソース (CR) サンプルを含む新規 YAML ファイルを作成し、そのファイルに <file_name>.yaml という名前を付けます。

    <clusterID> および <role> パラメーターの値を設定していることを確認します。

    1. 特定のフィールドに設定する値が不明な場合は、クラスターから既存のマシンセットを確認できます。

      $ oc get machinesets -n openshift-machine-api

      出力例

      NAME                                DESIRED   CURRENT   READY   AVAILABLE   AGE
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1a   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1b   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1c   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1d   0         0                             55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1e   0         0                             55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1f   0         0                             55m

    2. 特定のマシンセットの値を確認します。

      $ oc get machineset <machineset_name> -n \
           openshift-machine-api -o yaml

      出力例

      ...
      template:
          metadata:
            labels:
              machine.openshift.io/cluster-api-cluster: agl030519-vplxk 1
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker 2
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker
              machine.openshift.io/cluster-api-machineset: agl030519-vplxk-worker-us-east-1a

      1
      クラスター ID。
      2
      デフォルトのノードラベル。
  2. 新規 MachineSet CR を作成します。

    $ oc create -f <file_name>.yaml
  3. マシンセットの一覧を表示します。

    $ oc get machineset -n openshift-machine-api

    出力例

    NAME                                      DESIRED   CURRENT   READY   AVAILABLE   AGE
    agl030519-vplxk-windows-worker-us-east-1a    1         1         1       1        11m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1a            1         1         1       1        55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1b            1         1         1       1        55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1c            1         1         1       1        55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1d            0         0                          55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1e            0         0                          55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1f            0         0                          55m

    新規のマシンセットが利用可能な場合、 DESIRED および CURRENT の値は一致します。マシンセットが利用可能でない場合、数分待機してからコマンドを再度実行します。

5.2.4. 関連情報

  • マシンセットの管理に関する詳細は、マシン管理セクションを参照してください。
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