1.2. kubelet パラメーターを編集するための KubeletConfig CRD の作成
kubelet 設定は、現時点で Ignition 設定としてシリアル化されているため、直接編集することができます。ただし、新規の kubelet-config-controller
も Machine Config Controller (MCC) に追加されます。これにより、KubeletConfig
カスタムリソース (CR) を使用して kubelet パラメーターを編集できます。
kubeletConfig
オブジェクトのフィールドはアップストリーム Kubernetes から kubelet に直接渡されるため、kubelet はそれらの値を直接検証します。kubeletConfig
オブジェクトに無効な値により、クラスターノードが利用できなくなります。有効な値は、Kubernetes ドキュメント を参照してください。
以下のガイダンスを参照してください。
-
マシン設定プールごとに、そのプールに加える設定変更をすべて含めて、
KubeletConfig
CR を 1 つ作成します。同じコンテンツをすべてのプールに適用している場合には、すべてのプールにKubeletConfig
CR を 1 つだけ設定する必要があります。 -
既存の
KubeletConfig
CR を編集して既存の設定を編集するか、変更ごとに新規 CR を作成する代わりに新規の設定を追加する必要があります。CR を作成するのは、別のマシン設定プールを変更する場合、または一時的な変更を目的とした変更の場合のみにして、変更を元に戻すことができるようにすることをお勧めします。 -
必要に応じて、クラスターごとに 10 を制限し、複数の
KubeletConfig
CR を作成します。最初のKubeletConfig
CR について、Machine Config Operator (MCO) はkubelet
で追加されたマシン設定を作成します。それぞれの後続の CR で、コントローラーは数字の接尾辞が付いた別のkubelet
マシン設定を作成します。たとえば、kubelet
マシン設定があり、その接尾辞が-2
の場合に、次のkubelet
マシン設定には-3
が付けられます。
マシン設定を削除する場合は、制限を超えないようにそれらを逆の順序で削除する必要があります。たとえば、kubelet-3
マシン設定を、kubelet-2
マシン設定を削除する前に削除する必要があります。
接尾辞が kubelet-9
のマシン設定があり、別の KubeletConfig
CR を作成する場合には、kubelet
マシン設定が 10 未満の場合でも新規マシン設定は作成されません。
KubeletConfig
CR の例
$ oc get kubeletconfig
NAME AGE set-max-pods 15m
KubeletConfig
マシン設定を示す例
$ oc get mc | grep kubelet
... 99-worker-generated-kubelet-1 b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 26m ...
以下の手順は、ワーカーノードでノードあたりの Pod の最大数を設定する方法を示しています。
前提条件
設定するノードタイプの静的な
MachineConfigPool
CR に関連付けられたラベルを取得します。以下のいずれかの手順を実行します。マシン設定プールを表示します。
$ oc describe machineconfigpool <name>
以下に例を示します。
$ oc describe machineconfigpool worker
出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: creationTimestamp: 2019-02-08T14:52:39Z generation: 1 labels: custom-kubelet: set-max-pods 1
- 1
- ラベルが追加されると、
labels
の下に表示されます。
ラベルが存在しない場合は、キー/値のペアを追加します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=set-max-pods
手順
これは、選択可能なマシン設定オブジェクトを表示します。
$ oc get machineconfig
デフォルトで、2 つの kubelet 関連の設定である
01-master-kubelet
および01-worker-kubelet
を選択できます。ノードあたりの最大 Pod の現在の値を確認します。
$ oc describe node <node_name>
以下に例を示します。
$ oc describe node ci-ln-5grqprb-f76d1-ncnqq-worker-a-mdv94
Allocatable
スタンザでvalue: pods: <value>
を検索します。出力例
Allocatable: attachable-volumes-aws-ebs: 25 cpu: 3500m hugepages-1Gi: 0 hugepages-2Mi: 0 memory: 15341844Ki pods: 250
ワーカーノードでノードあたりの最大の Pod を設定するには、kubelet 設定を含むカスタムリソースファイルを作成します。
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: set-max-pods spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: set-max-pods 1 kubeletConfig: maxPods: 500 2
注記kubelet が API サーバーと通信する速度は、1 秒あたりのクエリー (QPS) およびバースト値により異なります。デフォルト値の
50
(kubeAPIQPS
の場合) および100
(kubeAPIBurst
の場合) は、各ノードで制限された Pod が実行されている場合には十分な値です。ノード上に CPU およびメモリーリソースが十分にある場合には、kubelet QPS およびバーストレートを更新することが推奨されます。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: set-max-pods spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: set-max-pods kubeletConfig: maxPods: <pod_count> kubeAPIBurst: <burst_rate> kubeAPIQPS: <QPS>
ラベルを使用してワーカーのマシン設定プールを更新します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=large-pods
KubeletConfig
オブジェクトを作成します。$ oc create -f change-maxPods-cr.yaml
KubeletConfig
オブジェクトが作成されていることを確認します。$ oc get kubeletconfig
出力例
NAME AGE set-max-pods 15m
クラスター内のワーカーノードの数によっては、ワーカーノードが 1 つずつ再起動されるのを待機します。3 つのワーカーノードを持つクラスターの場合は、10 分 から 15 分程度かかる可能性があります。
変更がノードに適用されていることを確認します。
maxPods
値が変更されたワーカーノードで確認します。$ oc describe node <node_name>
Allocatable
スタンザを見つけます。... Allocatable: attachable-volumes-gce-pd: 127 cpu: 3500m ephemeral-storage: 123201474766 hugepages-1Gi: 0 hugepages-2Mi: 0 memory: 14225400Ki pods: 500 1 ...
- 1
- この例では、
pods
パラメーターはKubeletConfig
オブジェクトに設定した値を報告するはずです。
KubeletConfig
オブジェクトの変更を確認します。$ oc get kubeletconfigs set-max-pods -o yaml
上記のコマンドでは
status: "True"
とtype:Success
が表示されるはずです。spec: kubeletConfig: maxPods: 500 machineConfigPoolSelector: matchLabels: custom-kubelet: set-max-pods status: conditions: - lastTransitionTime: "2021-06-30T17:04:07Z" message: Success status: "True" type: Success