13.9. VRF へのセカンダリーネットワークの割り当て
CNI VRF プラグインはテクノロジープレビュー機能としてのみご利用いただけます。テクノロジープレビュー機能は Red Hat の実稼働環境でのサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲についての詳細は、https://access.redhat.com/ja/support/offerings/techpreview/ を参照してください。
13.9.1. VRF へのセカンダリーネットワークの割り当て
クラスター管理者は、CNI VRF プラグインを使用して、VRF ドメインの追加のネットワークを設定できます。このプラグインにより作成される仮想ネットワークは、指定する物理インターフェイスに関連付けられます。
VRF を使用するアプリケーションを特定のデバイスにバインドする必要があります。一般的な使用方法として、ソケットに SO_BINDTODEVICE
オプションを使用できます。SO_BINDTODEVICE
は、渡されるインターフェイス名で指定されているデバイスにソケットをバインドします (例: eth1
)。SO_BINDTODEVICE
を使用するには、アプリケーションに CAP_NET_RAW
機能がある必要があります。
13.9.1.1. CNI VRF プラグインを使用した追加のネットワーク割り当ての作成
Cluster Network Operator (CNO) は追加ネットワークの定義を管理します。作成する追加ネットワークを指定する場合、CNO は NetworkAttachmentDefinition
カスタムリソース (CR) を自動的に作成します。
Cluster Network Operator が管理する NetworkAttachmentDefinition
CR は編集しないでください。これを実行すると、追加ネットワークのネットワークトラフィックが中断する可能性があります。
CNI VRF プラグインで追加のネットワーク割り当てを作成するには、以下の手順を実行します。
前提条件
- OpenShift Container Platform CLI (oc) をインストールします。
- cluster-admin 権限を持つユーザーとして OpenShift クラスターにログインします。
手順
以下のサンプル CR のように、追加のネットワーク割り当て用の
Network
カスタムリソース (CR) を作成し、追加ネットワークのrawCNIConfig
設定を挿入します。YAML をadditional-network-attachment.yaml
ファイルとして保存します。apiVersion: operator.openshift.io/v1 kind: Network metadata: name: cluster spec: additionalNetworks: - name: test-network-1 namespace: additional-network-1 type: Raw rawCNIConfig: '{ "cniVersion": "0.3.1", "name": "macvlan-vrf", "plugins": [ 1 { "type": "macvlan", 2 "master": "eth1", "ipam": { "type": "static", "addresses": [ { "address": "191.168.1.23/24" } ] } }, { "type": "vrf", "vrfname": "example-vrf-name", 3 "table": 1001 4 }] }'
- 1
plugins
は一覧である必要があります。一覧の最初の項目は、VRF ネットワークのベースとなるセカンダリーネットワークである必要があります。一覧の 2 つ目の項目は、VRF プラグイン設定です。- 2
type
はvrf
に設定する必要があります。- 3
vrfname
は、インターフェイスが割り当てられた VRF の名前です。これが Pod に存在しない場合は作成されます。- 4
- オプション。
table
はルーティングテーブル ID です。デフォルトで、tableid
パラメーターが使用されます。これが指定されていない場合、CNI は空のルーティングテーブル ID を VRF に割り当てます。
注記VRF は、リソースが
netdevice
タイプの場合にのみ正常に機能します。Network
リソースを作成します。$ oc create -f additional-network-attachment.yaml
以下のコマンドを実行して、CNO が
NetworkAttachmentDefinition
CR を作成していることを確認します。<namespace>
を、ネットワーク割り当ての設定時に指定した namespace に置き換えます (例:additional-network-1
)。$ oc get network-attachment-definitions -n <namespace>
出力例
NAME AGE additional-network-1 14m
注記CNO が CR を作成するまでに遅延が生じる可能性があります。
追加の VRF ネットワーク割り当てが正常であることの確認
VRF CNI が正しく設定され、追加のネットワーク割り当てが接続されていることを確認するには、以下を実行します。
- VRF CNI を使用するネットワークを作成します。
- ネットワークを Pod に割り当てます。
Pod のネットワーク割り当てが VRF の追加ネットワークに接続されていることを確認します。Pod にリモートシェルを実行し、以下のコマンドを実行します。
$ ip vrf show
出力例
Name Table ----------------------- red 10
VRF インターフェイスがセカンダリーインターフェイスのマスターであることを確認します。
$ ip link
出力例
5: net1: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue master red state UP mode