第9章 Kubernetes イベントの収集および保存


OpenShift Container Platform イベントルーターは、Kubernetes イベントを監視し、それらを OpenShift Logging によって収集できるようにログに記録する Pod です。イベントルーターは手動でデプロイする必要があります。

イベントルーターはすべてのプロジェクトからイベントを収集し、それらを STDOUT に書き込みます。Fluentd はそれらのイベントを収集し、それらを OpenShift Container Platform Elasticsearch インスタンスに転送します。Elasticsearch はイベントを infra インデックスにインデックス化します。

重要

イベントルーターは追加の負荷を Fluentd に追加し、処理できる他のログメッセージの数に影響を与える可能性があります。

9.1. イベントルーターのデプロイおよび設定

以下の手順を使用してイベントルーターをクラスターにデプロイします。イベントルーターを openshift-logging プロジェクトに常にデプロイし、クラスター全体でイベントが収集されるようにする必要があります。

以下のテンプレートオブジェクトは、イベントルーターに必要なサービスアカウント、クラスターロールおよびクラスターロールバインディングを作成します。テンプレートはイベントルーター Pod も設定し、デプロイします。このテンプレートは変更せずに使用するか、デプロイメントオブジェクトの CPU およびメモリー要求を変更することができます。

前提条件

  • サービスアカウントを作成し、クラスターロールバインディングを更新するには、適切なパーミッションが必要です。たとえば、以下のテンプレートを、cluster-admin ロールを持つユーザーで実行できます。
  • OpenShift Logging がインストールされている必要があります。

手順

  1. イベントルーターのテンプレートを作成します。

    kind: Template
    apiVersion: template.openshift.io/v1
    metadata:
      name: eventrouter-template
      annotations:
        description: "A pod forwarding kubernetes events to OpenShift Logging stack."
        tags: "events,EFK,logging,cluster-logging"
    objects:
      - kind: ServiceAccount 1
        apiVersion: v1
        metadata:
          name: eventrouter
          namespace: ${NAMESPACE}
      - kind: ClusterRole 2
        apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
        metadata:
          name: event-reader
        rules:
        - apiGroups: [""]
          resources: ["events"]
          verbs: ["get", "watch", "list"]
      - kind: ClusterRoleBinding  3
        apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
        metadata:
          name: event-reader-binding
        subjects:
        - kind: ServiceAccount
          name: eventrouter
          namespace: ${NAMESPACE}
        roleRef:
          kind: ClusterRole
          name: event-reader
      - kind: ConfigMap 4
        apiVersion: v1
        metadata:
          name: eventrouter
          namespace: ${NAMESPACE}
        data:
          config.json: |-
            {
              "sink": "stdout"
            }
      - kind: Deployment 5
        apiVersion: apps/v1
        metadata:
          name: eventrouter
          namespace: ${NAMESPACE}
          labels:
            component: "eventrouter"
            logging-infra: "eventrouter"
            provider: "openshift"
        spec:
          selector:
            matchLabels:
              component: "eventrouter"
              logging-infra: "eventrouter"
              provider: "openshift"
          replicas: 1
          template:
            metadata:
              labels:
                component: "eventrouter"
                logging-infra: "eventrouter"
                provider: "openshift"
              name: eventrouter
            spec:
              serviceAccount: eventrouter
              containers:
                - name: kube-eventrouter
                  image: ${IMAGE}
                  imagePullPolicy: IfNotPresent
                  resources:
                    requests:
                      cpu: ${CPU}
                      memory: ${MEMORY}
                  volumeMounts:
                  - name: config-volume
                    mountPath: /etc/eventrouter
              volumes:
                - name: config-volume
                  configMap:
                    name: eventrouter
    parameters:
      - name: IMAGE 6
        displayName: Image
        value: "registry.redhat.io/openshift-logging/eventrouter-rhel8:v0.3"
      - name: CPU  7
        displayName: CPU
        value: "100m"
      - name: MEMORY 8
        displayName: Memory
        value: "128Mi"
      - name: NAMESPACE
        displayName: Namespace
        value: "openshift-logging" 9
    1
    イベントルーターの openshift-logging プロジェクトでサービスアカウントを作成します。
    2
    ClusterRole を作成し、クラスター内のイベントを監視します。
    3
    ClusterRoleBinding を作成し、ClusterRole をサービスアカウントにバインドします。
    4
    openshift-logging プロジェクトで設定マップを作成し、必要な config.json ファイルを生成します。
    5
    openshift-logging プロジェクトでデプロイメントを作成し、イベントルーター Pod を生成し、設定します。
    6
    v0.3 などのタグで識別されるイメージを指定します。
    7
    イベントルーター Pod に割り当てるメモリーの最小量を指定します。デフォルトは 128Mi に設定されます。
    8
    イベントルーター Pod に割り当てる CPU の最小量を指定します。デフォルトは 100m に設定されます。
    9
    オブジェクトをインストールする openshift-logging プロジェクトを指定します。
  2. 以下のコマンドを使用してテンプレートを処理し、これを適用します。

    $ oc process -f <templatefile> | oc apply -n openshift-logging -f -

    以下に例を示します。

    $ oc process -f eventrouter.yaml | oc apply -n openshift-logging -f -

    出力例

    serviceaccount/eventrouter created
    clusterrole.authorization.openshift.io/event-reader created
    clusterrolebinding.authorization.openshift.io/event-reader-binding created
    configmap/eventrouter created
    deployment.apps/eventrouter created

  3. イベントルーターが openshift-logging プロジェクトにインストールされていることを確認します。

    1. 新規イベントルーター Pod を表示します。

      $ oc get pods --selector  component=eventrouter -o name -n openshift-logging

      出力例

      pod/cluster-logging-eventrouter-d649f97c8-qvv8r

    2. イベントルーターによって収集されるイベントを表示します。

      $ oc logs <cluster_logging_eventrouter_pod> -n openshift-logging

      以下に例を示します。

      $ oc logs cluster-logging-eventrouter-d649f97c8-qvv8r -n openshift-logging

      出力例

      {"verb":"ADDED","event":{"metadata":{"name":"openshift-service-catalog-controller-manager-remover.1632d931e88fcd8f","namespace":"openshift-service-catalog-removed","selfLink":"/api/v1/namespaces/openshift-service-catalog-removed/events/openshift-service-catalog-controller-manager-remover.1632d931e88fcd8f","uid":"787d7b26-3d2f-4017-b0b0-420db4ae62c0","resourceVersion":"21399","creationTimestamp":"2020-09-08T15:40:26Z"},"involvedObject":{"kind":"Job","namespace":"openshift-service-catalog-removed","name":"openshift-service-catalog-controller-manager-remover","uid":"fac9f479-4ad5-4a57-8adc-cb25d3d9cf8f","apiVersion":"batch/v1","resourceVersion":"21280"},"reason":"Completed","message":"Job completed","source":{"component":"job-controller"},"firstTimestamp":"2020-09-08T15:40:26Z","lastTimestamp":"2020-09-08T15:40:26Z","count":1,"type":"Normal"}}

      また、Elasticsearch infra インデックスを使用してインデックスパターンを作成し、Kibana を使用してイベントを表示することもできます。

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