4.7. OADP の復元
4.7.1. アプリケーションの復元
アプリケーションのバックアップを復元するには、Restore
カスタムリソース (CR) を作成します。復元 CR の作成 を参照してください。
Restore
(CR) を編集することでアプリケーションを復元する際に、Pod 内のコンテナーでコマンドを実行するための復元フックを作成できます。復元フックの作成 を参照してください。
4.7.1.1. 復元 CR の作成
Restore
CR を作成して、Backup
カスタムリソース (CR) を復元します。
前提条件
- OpenShift API for Data Protection (OADP) Operator をインストールしている。
-
DataProtectionApplication
CR がReady
状態である。 -
Velero
Backup
CR がある。 - バックアップ時に永続ボリューム (PV) の容量が要求されたサイズと一致するよう、要求されたサイズを調整している。
手順
次の例のように、
Restore
CR を作成します。apiVersion: velero.io/v1 kind: Restore metadata: name: <restore> namespace: openshift-adp spec: backupName: <backup> 1 includedResources: [] 2 excludedResources: - nodes - events - events.events.k8s.io - backups.velero.io - restores.velero.io - resticrepositories.velero.io restorePVs: true 3
- 1
Backup
CR の名前- 2
- オプション: 復元プロセスに含めるリソースの配列を指定します。リソースは、ショートカット (
Pods
はpo
など) または完全修飾の場合があります。指定しない場合、すべてのリソースが含まれます。 - 3
- オプション:
RestorePVs
パラメーターをfalse
に設定すると、コンテナーストレージインターフェイス (CSI) スナップショットのVolumeSnapshot
から、またはVolumeSnaphshotLocation
が設定されている場合はネイティブスナップショットからのPersistentVolumes
の復元をオフにすることができます。
次のコマンドを入力して、
Restore
CR のステータスがCompleted
であることを確認します。$ oc get restore -n openshift-adp <restore> -o jsonpath='{.status.phase}'
次のコマンドを入力して、バックアップリソースが復元されたことを確認します。
$ oc get all -n <namespace> 1
- 1
- バックアップした namespace。
Restic を使用して
DeploymentConfig
オブジェクトを復元する場合、または復元後のフックを使用する場合は、次のコマンドを入力してdc-restic-post-restore.sh
クリーンアップスクリプトを実行します。$ bash dc-restic-post-restore.sh <restore-name>
注記復元プロセスの過程で、OADP Velero プラグインは、
DeploymentConfig
オブジェクトをスケールダウンし、Pod をスタンドアロン Pod として復元して、クラスターが復元されたDeploymentConfig
Pod を復元時にすぐに削除しないようにし、Restic および復元後のフックを完了できるようにします。復元された Pod でのアクション。クリーンアップスクリプトは、これらの切断された Pod を削除し、DeploymentConfig
オブジェクトを適切な数のレプリカに戻します。例4.1
dc-restic-post-restore.sh
クリーンアップスクリプト#!/bin/bash set -e # if sha256sum exists, use it to check the integrity of the file if command -v sha256sum >/dev/null 2>&1; then CHECKSUM_CMD="sha256sum" else CHECKSUM_CMD="shasum -a 256" fi label_name () { if [ "${#1}" -le "63" ]; then echo $1 return fi sha=$(echo -n $1|$CHECKSUM_CMD) echo "${1:0:57}${sha:0:6}" } OADP_NAMESPACE=${OADP_NAMESPACE:=openshift-adp} if [[ $# -ne 1 ]]; then echo "usage: ${BASH_SOURCE} restore-name" exit 1 fi echo using OADP Namespace $OADP_NAMESPACE echo restore: $1 label=$(label_name $1) echo label: $label echo Deleting disconnected restore pods oc delete pods -l oadp.openshift.io/disconnected-from-dc=$label for dc in $(oc get dc --all-namespaces -l oadp.openshift.io/replicas-modified=$label -o jsonpath='{range .items[*]}{.metadata.namespace}{","}{.metadata.name}{","}{.metadata.annotations.oadp\.openshift\.io/original-replicas}{","}{.metadata.annotations.oadp\.openshift\.io/original-paused}{"\n"}') do IFS=',' read -ra dc_arr <<< "$dc" if [ ${#dc_arr[0]} -gt 0 ]; then echo Found deployment ${dc_arr[0]}/${dc_arr[1]}, setting replicas: ${dc_arr[2]}, paused: ${dc_arr[3]} cat <<EOF | oc patch dc -n ${dc_arr[0]} ${dc_arr[1]} --patch-file /dev/stdin spec: replicas: ${dc_arr[2]} paused: ${dc_arr[3]} EOF fi done
4.7.1.2. 復元フックの作成
Restore
カスタムリソース (CR) を編集して、アプリケーションの復元中に Pod 内のコンテナーでコマンドを実行する復元フックを作成します。
2 種類の復元フックを作成できます。
init
フックは、init コンテナーを Pod に追加して、アプリケーションコンテナーが起動する前にセットアップタスクを実行します。Restic バックアップを復元する場合は、復元フック init コンテナーの前に
restic-wait
init コンテナーが追加されます。-
exec
フックは、復元された Pod のコンテナーでコマンドまたはスクリプトを実行します。
手順
次の例のように、
Restore CR
のspec.hooks
ブロックにフックを追加します。apiVersion: velero.io/v1 kind: Restore metadata: name: <restore> namespace: openshift-adp spec: hooks: resources: - name: <hook_name> includedNamespaces: - <namespace> 1 excludedNamespaces: - <namespace> includedResources: - pods 2 excludedResources: [] labelSelector: 3 matchLabels: app: velero component: server postHooks: - init: initContainers: - name: restore-hook-init image: alpine:latest volumeMounts: - mountPath: /restores/pvc1-vm name: pvc1-vm command: - /bin/ash - -c timeout: 4 - exec: container: <container> 5 command: - /bin/bash 6 - -c - "psql < /backup/backup.sql" waitTimeout: 5m 7 execTimeout: 1m 8 onError: Continue 9
- 1
- オプション: フックが適用される namespace の配列。この値が指定されていない場合、フックはすべてのネームスペースに適用されます。
- 2
- 現在、Pod は、フックを適用できる唯一のサポート対象リソースです。
- 3
- オプション: このフックは、ラベルセレクターに一致するオブジェクトにのみ適用されます。
- 4
- オプション: Timeout は、
initContainers
が完了するまで Velero が待機する最大時間を指定します。 - 5
- オプション: コンテナーが指定されていない場合、コマンドは Pod の最初のコンテナーで実行されます。
- 6
- これは、追加される init コンテナーのエントリーポイントです。
- 7
- オプション: コンテナーの準備が整うまでの待機時間。これは、コンテナーが起動して同じコンテナー内の先行するフックが完了するのに十分な長さである必要があります。設定されていない場合、復元プロセスの待機時間は無期限になります。
- 8
- オプション: コマンドの実行を待機する時間。デフォルトは
30s
です。 - 9
- エラー処理に許可される値は、
Fail
およびContinue
です。-
Continue
: コマンドの失敗のみがログに記録されます。 -
Fail
: Pod 内のコンテナーで復元フックが実行されなくなりました。Restore
CR のステータスはPartiallyFailed
になります。
-