14.5. クラスターの拡張


インストーラーでプロビジョニングされる OpenShift Container Platform クラスターのデプロイ後に、以下の手順を使用してワーカーノードの数を拡張することができます。それぞれの候補となるワーカーノードが前提条件を満たしていることを確認します。

注記

RedFish Virtual Media を使用してクラスターを拡張するには、最低限のファームウェア要件を満たす必要があります。RedFish Virtual Media を使用したクラスターの拡張時についての詳細は、前提条件セクションの仮想メディアを使用したインストールのファームウェア要件を参照してください。

14.5.1. ベアメタルノードの準備

クラスターを拡張するには、ノードに関連する IP アドレスを提供する必要があります。これは、静的設定または DHCP (動的ホスト設定プロトコル) サーバーを使用して行うことができます。DHCP サーバーを使用してクラスターを拡張する場合、各ノードには DHCP 予約が必要です。

IP アドレスの予約し、それらを静的 IP アドレスにする

一部の管理者は、各ノードの IP アドレスが DHCP サーバーがない状態で一定になるように静的 IP アドレスの使用を選択します。NMState で静的 IP アドレスを設定するには、追加の詳細について、OpenShift インストールの環境のセットアップセクションの(オプション) install-config.yaml でのホストネットワークインターフェイスの設定を参照してください。

ベアメタルノードを準備するには、プロビジョナーノードから以下の手順を実行する必要があります。

手順

  1. oc バイナリーを取得します。

    $ curl -s https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/clients/ocp/$VERSION/openshift-client-linux-$VERSION.tar.gz | tar zxvf - oc
    $ sudo cp oc /usr/local/bin
  2. ベースボード管理コントローラー (BMC) を使用してベアメタルノードの電源を切り、オフになっていることを確認します。
  3. ベアメタルノードのベースボード管理コントローラーのユーザー名およびパスワードを取得します。次に、ユーザー名とパスワードから base64 文字列を作成します。

    $ echo -ne "root" | base64
    $ echo -ne "password" | base64
  4. ベアメタルノードの設定ファイルを作成します。静的設定または DHCP サーバーのどちらを使用しているかに応じて、次の例の bmh.yaml ファイルのいずれかを使用し、環境に合わせて YAML の値を置き換えます。

    $ vim bmh.yaml
    • 静的設定 bmh.yaml :

      ---
      apiVersion: v1 1
      kind: Secret
      metadata:
       name: openshift-worker-<num>-network-config-secret 2
       namespace: openshift-machine-api
      type: Opaque
      stringData:
       nmstate: | 3
        interfaces: 4
        - name: <nic1_name> 5
          type: ethernet
          state: up
          ipv4:
            address:
            - ip: <ip_address> 6
              prefix-length: 24
            enabled: true
        dns-resolver:
          config:
            server:
            - <dns_ip_address> 7
        routes:
          config:
          - destination: 0.0.0.0/0
            next-hop-address: <next_hop_ip_address> 8
            next-hop-interface: <next_hop_nic1_name> 9
      ---
      apiVersion: v1
      kind: Secret
      metadata:
        name: openshift-worker-<num>-bmc-secret 10
        namespace: openshift-machine-api
      type: Opaque
      data:
        username: <base64_of_uid> 11
        password: <base64_of_pwd> 12
      ---
      apiVersion: metal3.io/v1alpha1
      kind: BareMetalHost
      metadata:
        name: openshift-worker-<num> 13
        namespace: openshift-machine-api
      spec:
        online: True
        bootMACAddress: <nic1_mac_address> 14
        bmc:
          address: <protocol>://<bmc_url> 15
          credentialsName: openshift-worker-<num>-bmc-secret 16
          disableCertificateVerification: True 17
          username: <bmc_username> 18
          password: <bmc_password> 19
        rootDeviceHints:
          deviceName: <root_device_hint> 20
        preprovisioningNetworkDataName: openshift-worker-<num>-network-config-secret 21
      1
      新しく作成されたノードのネットワークインターフェイスを設定するには、ネットワーク設定を含むシークレットの名前を指定します。nmstate 構文に従って、ノードのネットワーク設定を定義します。NMState 構文の設定の詳細については、(オプション) install-config.yaml ファイルでのホストネットワークインターフェイスの設定を参照してください。
      2 10 13 16
      name フィールド、credentialsName フィールド、および preprovisioningNetworkDataName フィールドで、ベアメタルノードのワーカー数の <num> を置き換えます。
      3
      NMState YAML 構文を追加して、ホストインターフェイスを設定します。
      4
      オプション: nmstate を使用してネットワークインターフェイスを設定しており、インターフェイスを無効にする場合は、次のように IP アドレスを enabled: false に設定して state: up を設定します。
      ---
         interfaces:
         - name: <nic_name>
           type: ethernet
           state: up
           ipv4:
             enabled: false
           ipv6:
             enabled: false
      5 6 7 8 9
      <nic1_name><ip_address><dns_ip_address><next_hop_ip_address>、および <next_hop_nic1_name> を適切な値に置き換えます。
      11 12
      <base64_of_uid><base64_of_pwd> を、ユーザー名とパスワードの base64 文字列に置き換えます。
      14
      <nic1_mac_address> を、ベアメタルノードの最初の NIC の MAC アドレスに置き換えます。追加の BMC 設定オプションについては、BMC アドレス指定のセクションを参照してください。
      15
      <protocol> を、IPMI、 RedFish その他の BMC プロトコルに置き換えマス。<bmc_url> を、ベアメタルノードのベースボード管理コントローラーの URL に置き換えます。
      17
      証明書の検証をスキップするには、disableCertificateVerification を true に設定します。
      18 19
      <bmc_username><bmc_password> を BMC ユーザー名とパスワードの文字列に置き換えます。
      20
      オプション: root デバイスヒントを指定する場合は、<root_device_hint> をデバイスパスに置き換えます。
      21
      オプション: 新しく作成されたノードのネットワークインターフェイスを設定した場合は、BareMetalHost CR の preprovisioningNetworkDataName にネットワーク設定のシークレット名を指定します。
    • DHCP 設定 bmh.yaml :

      ---
      apiVersion: v1
      kind: Secret
      metadata:
        name: openshift-worker-<num>-bmc-secret 1
        namespace: openshift-machine-api
      type: Opaque
      data:
        username: <base64_of_uid> 2
        password: <base64_of_pwd> 3
      ---
      apiVersion: metal3.io/v1alpha1
      kind: BareMetalHost
      metadata:
        name: openshift-worker-<num> 4
        namespace: openshift-machine-api
      spec:
        online: True
        bootMACAddress: <nic1_mac_address> 5
        bmc:
          address: <protocol>://<bmc_url> 6
          credentialsName: openshift-worker-<num>-bmc-secret 7
          disableCertificateVerification: True 8
          username: <bmc_username> 9
          password: <bmc_password> 10
        rootDeviceHints:
          deviceName: <root_device_hint> 11
        preprovisioningNetworkDataName: openshift-worker-<num>-network-config-secret 12
      1 4 7
      name フィールド、credentialsName フィールド、および preprovisioningNetworkDataName フィールドで、ベアメタルノードのワーカー数の <num> を置き換えます。
      2 3
      <base64_of_uid><base64_of_pwd> を、ユーザー名とパスワードの base64 文字列に置き換えます。
      5
      <nic1_mac_address> を、ベアメタルノードの最初の NIC の MAC アドレスに置き換えます。追加の BMC 設定オプションについては、BMC アドレス指定のセクションを参照してください。
      6
      <protocol> を、IPMI、 RedFish その他の BMC プロトコルに置き換えマス。<bmc_url> を、ベアメタルノードのベースボード管理コントローラーの URL に置き換えます。
      8
      証明書の検証をスキップするには、disableCertificateVerification を true に設定します。
      9 10
      <bmc_username><bmc_password> を BMC ユーザー名とパスワードの文字列に置き換えます。
      11
      オプション: root デバイスヒントを指定する場合は、<root_device_hint> をデバイスパスに置き換えます。
      12
      オプション: 新しく作成されたノードのネットワークインターフェイスを設定した場合は、BareMetalHost CR の preprovisioningNetworkDataName にネットワーク設定のシークレット名を指定します。
    注記

    既存のベアメタルノードの MAC アドレスが、プロビジョニングしようとしているベアメタルホストの MAC アドレスと一致する場合、Ironic インストールは失敗します。ホストの登録、検査、クリーニング、または他の Ironic 手順が失敗する場合、ベアメタル Operator はインストールを継続的に再試行します。詳細については、ホストの重複した MAC アドレスの診断を参照してください。

  5. ベアメタルノードを作成します。

    $ oc -n openshift-machine-api create -f bmh.yaml

    出力例

    secret/openshift-worker-<num>-network-config-secret created
    secret/openshift-worker-<num>-bmc-secret created
    baremetalhost.metal3.io/openshift-worker-<num> created

    ここで、<num> はワーカー数です。

  6. ベアメタルノードの電源をオンにし、これを検査します。

    $ oc -n openshift-machine-api get bmh openshift-worker-<num>

    ここで、<num> はワーカーノード数です。

    出力例

    NAME                    STATE       CONSUMER   ONLINE   ERROR
    openshift-worker-<num>  available              true

    注記

    ワーカーノードがクラスターに参加できるようにするには、machineset オブジェクトを BareMetalHost オブジェクトの数にスケーリングします。ノードは手動または自動でスケーリングできます。ノードを自動的にスケーリングするには、machinesetmetal3.io/autoscale-to-hosts アノテーションを使用します。

関連情報

14.5.2. ベアメタルコントロールプレーンノードの交換

以下の手順を使用して、インストーラーによってプロビジョニングされた OpenShift Container Platform コントロールプレーンノードを置き換えます。

重要

既存のコントロールプレーンホストから BareMetalHost オブジェクト定義を再利用する場合は、externallyProvisioned フィールドを true に設定したままにしないでください。

既存のコントロールプレーン BareMetalHost オブジェクトが、OpenShift Container Platform インストールプログラムによってプロビジョニングされた場合には、externallyProvisioned フラグが true に設定されている可能性があります。

前提条件

  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
  • etcd のバックアップを取得している。

    重要

    問題が発生した場合にクラスターを復元できるように、この手順を実行する前に etcd のバックアップを作成してください。etcd バックアップの作成に関する詳細は、関連情報 セクションを参照してください。

手順

  1. Bare Metal Operator が使用可能であることを確認します。

    $ oc get clusteroperator baremetal

    出力例

    NAME        VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
    baremetal   4.10.12   True        False         False      3d15h

  2. 古い BareMetalHost オブジェクトおよび Machine オブジェクトを削除します。

    $ oc delete bmh -n openshift-machine-api <host_name>
    $ oc delete machine -n openshift-machine-api <machine_name>

    <host_name> をホストの名前に、<machine_name> をマシンの名前に置き換えます。マシン名は CONSUMER フィールドの下に表示されます。

    BareMetalHost オブジェクトと Machine オブジェクトを削除すると、マシンコントローラーは Node オブジェクトを自動的に削除します。

  3. 新しい BareMetalHost オブジェクトとシークレットを作成して BMC 認証情報を保存します。

    $ cat <<EOF | oc apply -f -
    apiVersion: v1
    kind: Secret
    metadata:
      name: control-plane-<num>-bmc-secret 1
      namespace: openshift-machine-api
    data:
      username: <base64_of_uid> 2
      password: <base64_of_pwd> 3
    type: Opaque
    ---
    apiVersion: metal3.io/v1alpha1
    kind: BareMetalHost
    metadata:
      name: control-plane-<num> 4
      namespace: openshift-machine-api
    spec:
      automatedCleaningMode: disabled
      bmc:
        address: <protocol>://<bmc_ip> 5
        credentialsName: control-plane-<num>-bmc-secret 6
      bootMACAddress: <NIC1_mac_address> 7
      bootMode: UEFI
      externallyProvisioned: false
      hardwareProfile: unknown
      online: true
    EOF
    1 4 6
    name フィールドと credentialsName フィールドにあるベアメタルノードのコントロールプレーン数の <num> を置き換えます。
    2
    <base64_of_uid> を、ユーザー名の base64 文字列に置き換えます。
    3
    <base64_of_pwd>> を、パスワードの base64 文字列に置き換えます。
    5
    <protocol>redfishredfish-virtualmediaidrac-virtualmedia などの BMC プロトコルに置き換えます。<bmc_ip> を、ベアメタルノードのベースボード管理コントローラー (BMC) の IP アドレスに置き換えます。その他の BMC 設定オプションについては、関連情報 セクションのBMC アドレス指定を参照してください。
    7
    <NIC1_mac_address> を、ベアメタルの最初の NIC の MAC アドレスに置き換えます。

    検査が完了すると、BareMetalHost オブジェクトが作成され、プロビジョニングできるようになります。

  4. 利用可能な BareMetalHost オブジェクトを表示します。

    $ oc get bmh -n openshift-machine-api

    出力例

    NAME                          STATE                    CONSUMER                   ONLINE   ERROR   AGE
    control-plane-1.example.com   available                control-plane-1            true             1h10m
    control-plane-2.example.com   externally provisioned   control-plane-2            true             4h53m
    control-plane-3.example.com   externally provisioned   control-plane-3            true             4h53m
    compute-1.example.com         provisioned              compute-1-ktmmx            true             4h53m
    compute-1.example.com         provisioned              compute-2-l2zmb            true             4h53m

    コントロールプレーンノード用の MachineSet オブジェクトがないため、代わりに Machine オブジェクトを作成する必要があります。別のコントロールプレーン Machine オブジェクトから providerSpec をコピーできます。

  5. Machine オブジェクトを作成します。

    $ cat <<EOF | oc apply -f -
    apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
    kind: Machine
    metadata:
      annotations:
        metal3.io/BareMetalHost: openshift-machine-api/control-plane-<num> 1
      labels:
        machine.openshift.io/cluster-api-cluster: control-plane-<num> 2
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: master
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: master
      name: control-plane-<num> 3
      namespace: openshift-machine-api
    spec:
      metadata: {}
      providerSpec:
        value:
          apiVersion: baremetal.cluster.k8s.io/v1alpha1
          customDeploy:
            method: install_coreos
          hostSelector: {}
          image:
            checksum: ""
            url: ""
          kind: BareMetalMachineProviderSpec
          metadata:
            creationTimestamp: null
          userData:
            name: master-user-data-managed
    EOF
    1 2 3
    name フィールド、labels フィールド、および annotations フィールドにあるベアメタルノードのコントロールプレーン数の <num> を置き換えます。
  6. BareMetalHost オブジェクトを表示するには、次のコマンドを実行します。

    $ oc get bmh -A

    出力例

    NAME                          STATE                    CONSUMER                   ONLINE   ERROR   AGE
    control-plane-1.example.com   provisioned              control-plane-1            true             2h53m
    control-plane-2.example.com   externally provisioned   control-plane-2            true             5h53m
    control-plane-3.example.com   externally provisioned   control-plane-3            true             5h53m
    compute-1.example.com         provisioned              compute-1-ktmmx            true             5h53m
    compute-2.example.com         provisioned              compute-2-l2zmb            true             5h53m

  7. RHCOS のインストール後、BareMetalHost がクラスターに追加されていることを確認します。

    $ oc get nodes

    出力例

    NAME                           STATUS      ROLES     AGE   VERSION
    control-plane-1.example.com    available   master    4m2s  v1.18.2
    control-plane-2.example.com    available   master    141m  v1.18.2
    control-plane-3.example.com    available   master    141m  v1.18.2
    compute-1.example.com          available   worker    87m   v1.18.2
    compute-2.example.com          available   worker    87m   v1.18.2

    注記

    新しいコントロールプレーンノードの交換後、新しいノードで実行されている etcd Pod は crashloopback ステータスになります。詳細は、関連情報 セクションの正常でない etcd メンバーの置き換えを参照してください。

14.5.3. ベアメタルネットワークに仮想メディアを使用してデプロイメントする準備

provisioning ネットワークが有効で、baremetal ネットワークで Virtual Media を使用してクラスターを拡張する場合は、以下の手順を使用します。

前提条件

  • baremetal ネットワークおよび provisioning ネットワークを使用する既存のクラスターがあります。

手順

  1. provisioning カスタムリソース (CR) を編集して、baremetal ネットワーク上の仮想メディアを使用したデプロイを有効にします。

    oc edit provisioning
      apiVersion: metal3.io/v1alpha1
      kind: Provisioning
      metadata:
        creationTimestamp: "2021-08-05T18:51:50Z"
        finalizers:
        - provisioning.metal3.io
        generation: 8
        name: provisioning-configuration
        resourceVersion: "551591"
        uid: f76e956f-24c6-4361-aa5b-feaf72c5b526
      spec:
        provisioningDHCPRange: 172.22.0.10,172.22.0.254
        provisioningIP: 172.22.0.3
        provisioningInterface: enp1s0
        provisioningNetwork: Managed
        provisioningNetworkCIDR: 172.22.0.0/24
        virtualMediaViaExternalNetwork: true 1
      status:
        generations:
        - group: apps
          hash: ""
          lastGeneration: 7
          name: metal3
          namespace: openshift-machine-api
          resource: deployments
        - group: apps
          hash: ""
          lastGeneration: 1
          name: metal3-image-cache
          namespace: openshift-machine-api
          resource: daemonsets
        observedGeneration: 8
        readyReplicas: 0
    1
    virtualMediaViaExternalNetwork: trueprovisioning CR に追加します。
  2. イメージ URL が存在する場合は、machineset を編集して API VIP アドレスを使用します。この手順は、バージョン 4.9 以前でインストールされたクラスターにのみ適用されます。

    oc edit machineset
      apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
      kind: MachineSet
      metadata:
        creationTimestamp: "2021-08-05T18:51:52Z"
        generation: 11
        labels:
          machine.openshift.io/cluster-api-cluster: ostest-hwmdt
          machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker
          machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker
        name: ostest-hwmdt-worker-0
        namespace: openshift-machine-api
        resourceVersion: "551513"
        uid: fad1c6e0-b9da-4d4a-8d73-286f78788931
      spec:
        replicas: 2
        selector:
          matchLabels:
            machine.openshift.io/cluster-api-cluster: ostest-hwmdt
            machine.openshift.io/cluster-api-machineset: ostest-hwmdt-worker-0
        template:
          metadata:
            labels:
              machine.openshift.io/cluster-api-cluster: ostest-hwmdt
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: worker
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: worker
              machine.openshift.io/cluster-api-machineset: ostest-hwmdt-worker-0
          spec:
            metadata: {}
            providerSpec:
              value:
                apiVersion: baremetal.cluster.k8s.io/v1alpha1
                hostSelector: {}
                image:
                  checksum: http:/172.22.0.3:6181/images/rhcos-<version>.<architecture>.qcow2.<md5sum> 1
                  url: http://172.22.0.3:6181/images/rhcos-<version>.<architecture>.qcow2 2
                kind: BareMetalMachineProviderSpec
                metadata:
                  creationTimestamp: null
                userData:
                  name: worker-user-data
      status:
        availableReplicas: 2
        fullyLabeledReplicas: 2
        observedGeneration: 11
        readyReplicas: 2
        replicas: 2
    1
    API VIP アドレスを使用するように checksum URL を編集します。
    2
    url URL を編集して API VIP アドレスを使用します。

14.5.4. クラスター内の新しいホストをプロビジョニングする際の重複する MAC アドレスの診断

クラスター内の既存のベアメタルノードの MAC アドレスが、クラスターに追加しようとしているベアメタルホストの MAC アドレスと一致する場合、ベアメタル Operator はホストを既存のノードに関連付けます。ホストの登録、検査、クリーニング、または他の Ironic 手順が失敗する場合、ベアメタル Operator はインストールを継続的に再試行します。障害が発生したベアメタルホストの登録エラーが表示されます。

openshift-machine-api namespace で実行されているベアメタルホストを調べることで、重複する MAC アドレスを診断できます。

前提条件

  • ベアメタルに OpenShift Container Platform クラスターをインストールします。
  • OpenShift Container Platform CLI (oc) をインストールします。
  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてログインしている。

手順

プロビジョニングに失敗したベアメタルホストが既存のノードと同じ MAC アドレスを持つかどうかを判断するには、以下を実行します。

  1. openshift-machine-api namespace で実行されているベアメタルホストを取得します。

    $ oc get bmh -n openshift-machine-api

    出力例

    NAME                 STATUS   PROVISIONING STATUS      CONSUMER
    openshift-master-0   OK       externally provisioned   openshift-zpwpq-master-0
    openshift-master-1   OK       externally provisioned   openshift-zpwpq-master-1
    openshift-master-2   OK       externally provisioned   openshift-zpwpq-master-2
    openshift-worker-0   OK       provisioned              openshift-zpwpq-worker-0-lv84n
    openshift-worker-1   OK       provisioned              openshift-zpwpq-worker-0-zd8lm
    openshift-worker-2   error    registering

  2. 障害が発生したホストのステータスに関する詳細情報を表示するには、<bare_metal_host_name> をホストの名前に置き換えて、以下のコマンドを実行します。

    $ oc get -n openshift-machine-api bmh <bare_metal_host_name> -o yaml

    出力例

    ...
    status:
      errorCount: 12
      errorMessage: MAC address b4:96:91:1d:7c:20 conflicts with existing node openshift-worker-1
      errorType: registration error
    ...

14.5.5. ベアメタルノードのプロビジョニング

ベアメタルノードをプロビジョニングするには、プロビジョナーノードから以下の手順を実行する必要があります。

手順

  1. ベアメタルノードをプロビジョニングする前に、STATEavailable であることを確認してください。

    $  oc -n openshift-machine-api get bmh openshift-worker-<num>

    ここで、<num> はワーカーノード数です。

    NAME              STATE     ONLINE ERROR  AGE
    openshift-worker  available true          34h
  2. ワーカーノードの数を取得します。

    $ oc get nodes
    NAME                                                STATUS   ROLES           AGE     VERSION
    openshift-master-1.openshift.example.com            Ready    master          30h     v1.24.0
    openshift-master-2.openshift.example.com            Ready    master          30h     v1.24.0
    openshift-master-3.openshift.example.com            Ready    master          30h     v1.24.0
    openshift-worker-0.openshift.example.com            Ready    worker          30h     v1.24.0
    openshift-worker-1.openshift.example.com            Ready    worker          30h     v1.24.0
  3. マシンセットを取得します。

    $ oc get machinesets -n openshift-machine-api
    NAME                                DESIRED   CURRENT   READY   AVAILABLE   AGE
    ...
    openshift-worker-0.example.com      1         1         1       1           55m
    openshift-worker-1.example.com      1         1         1       1           55m
  4. ワーカーノードの数を 1 つずつ増やします。

    $ oc scale --replicas=<num> machineset <machineset> -n openshift-machine-api

    <num> を、ワーカーノードの新たな数に置き換えます。<machineset> を、直前の手順で設定されたマシン名に置き換えます。

  5. ベアメタルノードのステータスを確認します。

    $ oc -n openshift-machine-api get bmh openshift-worker-<num>

    ここで、<num> はワーカーノード数です。STATE が ready から provisioning に変わります。

    NAME                    STATE             CONSUMER                          ONLINE   ERROR
    openshift-worker-<num>  provisioning      openshift-worker-<num>-65tjz      true

    provisioning ステータスは、OpenShift Container Platform クラスターがノードをプロビジョニングするまでそのままになります。この場合、30 分以上の時間がかかる場合があります。ノードがプロビジョニングされると、状態は provisioned に変わります。

    NAME                    STATE             CONSUMER                          ONLINE   ERROR
    openshift-worker-<num>  provisioned       openshift-worker-<num>-65tjz      true
  6. プロビジョニングが完了したら、ベアメタルノードが準備状態であることを確認します。

    $ oc get nodes
    NAME                                          STATUS   ROLES   AGE     VERSION
    openshift-master-1.openshift.example.com      Ready    master  30h     v1.24.0
    openshift-master-2.openshift.example.com      Ready    master  30h     v1.24.0
    openshift-master-3.openshift.example.com      Ready    master  30h     v1.24.0
    openshift-worker-0.openshift.example.com      Ready    worker  30h     v1.24.0
    openshift-worker-1.openshift.example.com      Ready    worker  30h     v1.24.0
    openshift-worker-<num>.openshift.example.com  Ready    worker  3m27s   v1.24.0

    kubelet を確認することもできます。

    $ ssh openshift-worker-<num>
    [kni@openshift-worker-<num>]$ journalctl -fu kubelet
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