第8章 アプリケーションの移行


MTC (Migration Toolkit for Containers) の Web コンソールまたは コマンドライン でアプリケーションを移行できます。

ほとんどのクラスタースコープのリソースは MTC で処理されません。アプリケーションがクラスタースコープのリソースを必要とする場合、ターゲットクラスターでそれらを手動で作成する必要がある場合があります。

段階移行とカットオーバー移行を使用して、クラスター間でアプリケーションを移行することができます。

  • Stage 移行は、アプリケーションを停止せずにデータをソースクラスターからターゲットクラスターにコピーします。段階移行は複数回実行して、カットオーバー移行の期間を短縮できます。
  • Cutover 移行はソースクラスターのトランザクションを停止し、リソースをターゲットクラスターに移動します。

状態の移行を使用して、アプリケーションの状態を移行できます。

  • 状態の移行は、選択した永続ボリューム要求 (PVC) をコピーします。
  • 状態の移行を使用して、同じクラスター内の namespace を移行できます。

移行時に、MTC (Migration Toolkit for Containers) は以下の namespace アノテーションを保持します。

  • openshift.io/sa.scc.mcs
  • openshift.io/sa.scc.supplemental-groups
  • openshift.io/sa.scc.uid-range

    これらのアノテーションは UID 範囲を保持し、コンテナーがターゲットクラスターのファイルシステムのパーミッションを保持できるようにします。移行された UID が、ターゲットクラスターの既存の namespace または今後の namespace 内の UID を重複させるリスクがあります。

8.1. 移行の前提条件

  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてすべてのクラスターにログインしている必要があります。

イメージの直接移行

  • ソースクラスターのセキュアな OpenShift イメージレジストリーが公開されていることを確認する必要があります。
  • 公開されるレジストリーへのルートを作成しておく必要があります。

ボリュームの直接移行

  • クラスターがプロキシーを使用する場合に Stunnel TCP プロキシーを設定している必要があります。

クラスター

  • ソースクラスターは、最新の z-stream リリースにアップグレードされる必要があります。
  • MTC のバージョンは、すべてのクラスターで同一である必要があります。

ネットワーク

  • クラスターには、レプリケーションリポジトリーに対して、また各クラスター間で無制限のネットワークアクセスが必要です。
  • move を使用して永続ボリュームをコピーする場合、クラスターにはリモートボリュームへの無制限のネットワークアクセスが必要です。
  • OpenShift Container Platform 4 クラスターで以下のポートを有効にする必要があります。

    • 6443 (API サーバー)
    • 443 (ルート)
    • 53 (DNS)
  • TLS を使用している場合は、レプリケーションリポジトリーでポート 443 を有効にする必要があります。

永続ボリューム (PV)

  • PV は有効である必要があります。
  • PV は永続ボリューム要求にバインドされる必要があります。
  • スナップショットを使用して PV をコピーする場合には、以下の前提条件が追加されます。

    • クラウドプロバイダーはスナップショットをサポートしている必要があります。
    • PV に同じクラウドプロバイダーがなければなりません。
    • PV は同じ地理的リージョンにある必要があります。
    • PV には同じストレージクラスがなければなりません。
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