7.6. デバイスプラグインについて
デバイスプラグインは、クラスター間でハードウェアデバイスを使用する際の一貫した移植可能なソリューションを提供します。デバイスプラグインは、拡張メカニズムを通じてこれらのデバイスをサポートし (これにより、コンテナーがこれらのデバイスを利用できるようになります)、デバイスのヘルスチェックを実施し、それらを安全に共有します。
OpenShift Container Platform はデバイスのプラグイン API をサポートしますが、デバイスプラグインコンテナーは個別のベンダーによりサポートされます。
デバイスプラグインは、特定のハードウェアリソースの管理を行う、ノード上で実行される gRPC サービスです (kubelet
の外部にあります)。デバイスプラグインは以下のリモートプロシージャーコール (RPC) をサポートしている必要があります。
service DevicePlugin { // GetDevicePluginOptions returns options to be communicated with Device // Manager rpc GetDevicePluginOptions(Empty) returns (DevicePluginOptions) {} // ListAndWatch returns a stream of List of Devices // Whenever a Device state change or a Device disappears, ListAndWatch // returns the new list rpc ListAndWatch(Empty) returns (stream ListAndWatchResponse) {} // Allocate is called during container creation so that the Device // Plug-in can run device specific operations and instruct Kubelet // of the steps to make the Device available in the container rpc Allocate(AllocateRequest) returns (AllocateResponse) {} // PreStartcontainer is called, if indicated by Device Plug-in during // registration phase, before each container start. Device plug-in // can run device specific operations such as resetting the device // before making devices available to the container rpc PreStartcontainer(PreStartcontainerRequest) returns (PreStartcontainerResponse) {} }
デバイスプラグインの例
デバイスプラグイン参照の実装を容易にするために、vendor/k8s.io/kubernetes/pkg/kubelet/cm/deviceplugin/device_plugin_stub.go という Device Manager コードのスタブデバイスプラグインを使用できます。
7.6.1. デバイスプラグインのデプロイ方法
- デーモンセットは、デバイスプラグインのデプロイメントに推奨される方法です。
- 起動時にデバイスプラグインは、デバイスマネージャーから RPC を送信するためにノードの /var/lib/kubelet/device-plugin/ での UNIX ドメインソケットの作成を試行します。
- デバイスプラグインは、ソケットの作成のほかにもハードウェアリソース、ホストファイルシステムへのアクセスを管理する必要があるため、特権付きセキュリティーコンテキストで実行される必要があります。
- デプロイメント手順の詳細については、それぞれのデバイスプラグインの実装で確認できます。
7.6.2. デバイスマネージャーについて
デバイスマネージャーは、特殊なノードのハードウェアリソースを、デバイスプラグインとして知られるプラグインを使用して公開するメカニズムを提供します。
特殊なハードウェアは、アップストリームのコード変更なしに公開できます。
OpenShift Container Platform はデバイスのプラグイン API をサポートしますが、デバイスプラグインコンテナーは個別のベンダーによりサポートされます。
デバイスマネージャーはデバイスを 拡張リソース として公開します。ユーザー Pod は、他の 拡張リソース を要求するために使用されるのと同じ 制限/要求 メカニズムを使用してデバイスマネージャーで公開されるデバイスを消費できます。
使用開始時に、デバイスプラグインは /var/lib/kubelet/device-plugins/kubelet.sock の Register
を起動してデバイスマネージャーに自己登録し、デバイスマネージャーの要求を提供するために /var/lib/kubelet/device-plugins/<plugin>.sock で gRPC サービスを起動します。
デバイスマネージャーは、新規登録要求の処理時にデバイスプラグインサービスで ListAndWatch
リモートプロシージャーコール (RPC) を起動します。応答としてデバイスマネージャーは gRPC ストリームでプラグインから デバイス オブジェクトの一覧を取得します。デバイスマネージャーはプラグインからの新規の更新の有無についてストリームを監視します。プラグイン側では、プラグインはストリームを開いた状態にし、デバイスの状態に変更があった場合には常に新規デバイスの一覧が同じストリーム接続でデバイスマネージャーに送信されます。
新規 Pod の受付要求の処理時に、Kubelet はデバイスの割り当てのために要求された Extended Resource
をデバイスマネージャーに送信します。デバイスマネージャーはそのデータベースにチェックインして対応するプラグインが存在するかどうかを確認します。プラグインが存在し、ローカルキャッシュと共に割り当て可能な空きデバイスがある場合、Allocate
RPC がその特定デバイスのプラグインで起動します。
さらにデバイスプラグインは、ドライバーのインストール、デバイスの初期化、およびデバイスのリセットなどの他のいくつかのデバイス固有の操作も実行できます。これらの機能は実装ごとに異なります。
7.6.3. デバイスマネージャーの有効化
デバイスマネージャーを有効にし、デバイスプラグインを実装してアップストリームのコード変更なしに特殊なハードウェアを公開できるようにします。
デバイスマネージャーは、特殊なノードのハードウェアリソースを、デバイスプラグインとして知られるプラグインを使用して公開するメカニズムを提供します。
次のコマンドを入力して、設定するノードタイプの静的な
MachineConfigPool
CRD に関連付けられたラベルを取得します。以下のいずれかの手順を実行します。マシン設定を表示します。
# oc describe machineconfig <name>
以下に例を示します。
# oc describe machineconfig 00-worker
出力例
Name: 00-worker Namespace: Labels: machineconfiguration.openshift.io/role=worker 1
- 1
- デバイスマネージャーに必要なラベル。
手順
設定変更のためのカスタムリソース (CR) を作成します。
Device Manager CR の設定例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: devicemgr 1 spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: machineconfiguration.openshift.io: devicemgr 2 kubeletConfig: feature-gates: - DevicePlugins=true 3
デバイスマネージャーを作成します。
$ oc create -f devicemgr.yaml
出力例
kubeletconfig.machineconfiguration.openshift.io/devicemgr created
- デバイスマネージャーが実際に有効にされるように、/var/lib/kubelet/device-plugins/kubelet.sock がノードで作成されていることを確認します。これは、デバイスマネージャーの gRPC サーバーが新規プラグインの登録がないかどうかリッスンする UNIX ドメインソケットです。このソケットファイルは、デバイスマネージャーが有効にされている場合にのみ Kubelet の起動時に作成されます。