第1章 OpenShift CLI (oc)
1.1. CLI の使用方法
1.1.1. CLI について
OpenShift Container Platform のコマンドラインインターフェース (CLI) を使用すると、ターミナルからアプリケーションを作成し、OpenShift Container Platform プロジェクトを管理できます。CLI の使用は、以下の場合に適しています。
- プロジェクトのソースコードを直接使用している。
- OpenShift Container Platform の操作をスクリプト化する。
- 帯域幅リソースの制限下にあり、Web コンソールを使用できない。
1.1.2. CLI のインストール
OpenShift CLI(oc
)をインストールするには、バイナリーをダウンロードするか、RPM を使用します。
1.1.2.1. バイナリーのダウンロードによる CLI のインストール
コマンドラインインターフェースを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI (oc
) をインストールすることができます。oc
は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。
以前のバージョンの oc
をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.3 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc
をダウンロードし、インストールします。
1.1.2.1.1. Linux への CLI のインストール
以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc
) バイナリーを Linux にインストールできます。
手順
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Infrastructure Provider」ページに移動します。
- インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
- Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Linux を選択し、Download command-line tools をクリックします。
アーカイブを展開します。
$ tar xvzf <file>
oc
バイナリーを、PATH
にあるディレクトリーに配置します。PATH
を確認するには、以下のコマンドを実行します。$ echo $PATH
CLI のインストール後は、oc
コマンドを使用して利用できます。
$ oc <command>
1.1.2.1.2. Windows での CLI のインストール
以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc
) バイナリーを Windows にインストールできます。
手順
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Infrastructure Provider」ページに移動します。
- インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
- Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの Windows を選択し、Download command-line tools をクリックします。
- ZIP プログラムでアーカイブを解凍します。
oc
バイナリーを、PATH
にあるディレクトリーに移動します。PATH
を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。C:\> path
CLI のインストール後は、oc
コマンドを使用して利用できます。
C:\> oc <command>
1.1.2.1.3. macOS への CLI のインストール
以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc
) バイナリーを macOS にインストールできます。
手順
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの「Infrastructure Provider」ページに移動します。
- インフラストラクチャープロバイダーを選択し、(該当する場合は) インストールタイプを選択します。
- Command-line interface セクションで、ドロップダウンメニューの MacOS を選択し、Download command-line tools をクリックします。
- アーカイブを展開し、解凍します。
oc
バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。PATH
を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。$ echo $PATH
CLI のインストール後は、oc
コマンドを使用して利用できます。
$ oc <command>
1.1.2.2. RPM を使用した CLI のインストール
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) の場合、Red Hat アカウントに有効な OpenShift Container Platform サブスクリプションがある場合は、OpenShift CLI (oc
) を RPM としてインストールできます。
前提条件
- root または sudo の権限が必要です。
手順
Red Hat Subscription Manager に登録します。
# subscription-manager register
最新のサブスクリプションデータをプルします。
# subscription-manager refresh
利用可能なサブスクリプションを一覧表示します。
# subscription-manager list --available --matches '*OpenShift*'
直前のコマンドの出力で、OpenShift Container Platform サブスクリプションのプール ID を見つけ、これを登録されたシステムにアタッチします。
# subscription-manager attach --pool=<pool_id>
OpenShift Container Platform 4.3 で必要なリポジトリーを有効にします。
Red Hat Enterprise Linux 8 の場合:
# subscription-manager repos --enable="rhocp-4.3-for-rhel-8-x86_64-rpms"
For Red Hat Enterprise Linux 7:
# subscription-manager repos --enable="rhel-7-server-ose-4.3-rpms"
openshift-clients
パッケージをインストールします。# yum install openshift-clients
CLI のインストール後は、oc
コマンドを使用して利用できます。
$ oc <command>
1.1.3. CLI へのログイン
oc
CLI にログインしてクラスターにアクセスし、これを管理できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターへのアクセスがあること。
- CLI をインストールしていること。
HTTP プロキシーサーバー上でのみアクセスできるクラスターにアクセスするには、HTTP_PROXY
、HTTPS_PROXY
および NO_PROXY
変数を設定できます。これらの環境変数は、クラスターとのすべての通信が HTTP プロキシーを経由するように oc
CLI で使用されます。
手順
oc login
コマンドを使用して CLI にログインし、プロンプトが出されたら必要な情報を入力します。$ oc login Server [https://localhost:8443]: https://openshift.example.com:6443 1 The server uses a certificate signed by an unknown authority. You can bypass the certificate check, but any data you send to the server could be intercepted by others. Use insecure connections? (y/n): y 2 Authentication required for https://openshift.example.com:6443 (openshift) Username: user1 3 Password: 4 Login successful. You don't have any projects. You can try to create a new project, by running oc new-project <projectname> Welcome! See 'oc help' to get started.
これで、プロジェクトを作成でき、クラスターを管理するための他のコマンドを実行することができます。
1.1.4. CLI の使用
以下のセクションで、CLI を使用して一般的なタスクを実行する方法を確認します。
1.1.4.1. プロジェクトの作成
新規プロジェクトを作成するには、oc new-project
コマンドを使用します。
$ oc new-project my-project Now using project "my-project" on server "https://openshift.example.com:6443".
1.1.4.2. 新しいアプリケーションの作成
新規アプリケーションを作成するには、oc new-app
コマンドを使用します。
$ oc new-app https://github.com/sclorg/cakephp-ex --> Found image 40de956 (9 days old) in imagestream "openshift/php" under tag "7.2" for "php" ... Run 'oc status' to view your app.
1.1.4.3. Pod の表示
現在のプロジェクトの Pod を表示するには、oc get pods
コマンドを使用します。
$ oc get pods -o wide NAME READY STATUS RESTARTS AGE IP NODE NOMINATED NODE cakephp-ex-1-build 0/1 Completed 0 5m45s 10.131.0.10 ip-10-0-141-74.ec2.internal <none> cakephp-ex-1-deploy 0/1 Completed 0 3m44s 10.129.2.9 ip-10-0-147-65.ec2.internal <none> cakephp-ex-1-ktz97 1/1 Running 0 3m33s 10.128.2.11 ip-10-0-168-105.ec2.internal <none>
1.1.4.4. Pod ログの表示
特定の Pod のログを表示するには、oc logs
コマンドを使用します。
$ oc logs cakephp-ex-1-deploy --> Scaling cakephp-ex-1 to 1 --> Success
1.1.4.5. 現在のプロジェクトの表示
現在のプロジェクトを表示するには、oc project
コマンドを使用します。
$ oc project Using project "my-project" on server "https://openshift.example.com:6443".
1.1.4.6. 現在のプロジェクトのステータスの表示
サービス、DeploymentConfig、および BuildConfig などの現在のプロジェクトについての情報を表示するには、oc status
コマンドを使用します。
$ oc status In project my-project on server https://openshift.example.com:6443 svc/cakephp-ex - 172.30.236.80 ports 8080, 8443 dc/cakephp-ex deploys istag/cakephp-ex:latest <- bc/cakephp-ex source builds https://github.com/sclorg/cakephp-ex on openshift/php:7.2 deployment #1 deployed 2 minutes ago - 1 pod 3 infos identified, use 'oc status --suggest' to see details.
1.1.4.7. サポートされる API のリソースの一覧表示
サーバー上でサポートされる API リソースの一覧を表示するには、oc api-resources
コマンドを使用します。
$ oc api-resources NAME SHORTNAMES APIGROUP NAMESPACED KIND bindings true Binding componentstatuses cs false ComponentStatus configmaps cm true ConfigMap ...
1.1.5. ヘルプの表示
CLI コマンドおよび OpenShift Container Platform リソースに関するヘルプを以下の方法で表示することができます。
利用可能なすべての CLI コマンドの一覧および説明を表示するには、
oc help
を使用します。例: CLI についての一般的なヘルプの表示
$ oc help OpenShift Client This client helps you develop, build, deploy, and run your applications on any OpenShift or Kubernetes compatible platform. It also includes the administrative commands for managing a cluster under the 'adm' subcommand. Usage: oc [flags] Basic Commands: login Log in to a server new-project Request a new project new-app Create a new application ...
特定の CLI コマンドについてのヘルプを表示するには、
--help
フラグを使用します。例:
oc create
コマンドについてのヘルプの表示$ oc create --help Create a resource by filename or stdin JSON and YAML formats are accepted. Usage: oc create -f FILENAME [flags] ...
特定リソースについての説明およびフィールドを表示するには、
oc explain
コマンドを使用します。例: Pod リソースのドキュメントの表示
$ oc explain pods KIND: Pod VERSION: v1 DESCRIPTION: Pod is a collection of containers that can run on a host. This resource is created by clients and scheduled onto hosts. FIELDS: apiVersion <string> APIVersion defines the versioned schema of this representation of an object. Servers should convert recognized schemas to the latest internal value, and may reject unrecognized values. More info: https://git.k8s.io/community/contributors/devel/api-conventions.md#resources ...
1.1.6. CLI からのログアウト
CLI からログアウトし、現在のセッションを終了することができます。
oc logout
コマンドを使用します。$ oc logout Logged "user1" out on "https://openshift.example.com"
これにより、サーバーから保存された認証トークンが削除され、設定ファイルから除去されます。