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See documentation for the latest supported version 3 or the latest supported version 4.6.3. 制限範囲の設定
デフォルトで、コンテナーは OpenShift Container Platform クラスターのバインドされていないコンピュートリソースで実行されます。制限範囲については、プロジェクト内の特定オブジェクトのリソースの消費を制限できます。
- Pod およびコンテナー: Pod およびそれらのコンテナーの CPU およびメモリーの最小および最大要件を設定できます。
- イメージストリーム: ImageStream オブジェクトのイメージおよびタグの数に制限を設定できます。
- イメージ: 内部レジストリーにプッシュできるイメージのサイズを制限することができます。
- Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC): 要求できる PVC のサイズを制限できます。
Pod が制限範囲で課される制約を満たさない場合、Pod を namespace に作成することはできません。
6.3.1. 制限範囲について
LimitRange オブジェクトで定義される制限範囲。プロジェクトのリソース消費を制限します。プロジェクトで、Pod、コンテナー、イメージ、イメージストリーム、または Persistent Volume Claim (PVC、永続ボリューム要求) の特定のリソース制限を設定できます。
すべてのリソース作成および変更要求は、プロジェクトのそれぞれの LimitRange オブジェクトに対して評価されます。リソースが列挙される制約のいずれかに違反する場合、そのリソースは拒否されます。
以下は、Pod、コンテナー、イメージ、イメージストリーム、または PVC のすべてのコンポーネントの制限範囲オブジェクトを示しています。同じオブジェクト内のこれらのコンポーネントのいずれかまたはすべての制限を設定できます。リソースを制御するプロジェクトごとに、異なる制限範囲オブジェクトを作成します。
コンテナーの制限オブジェクトのサンプル
6.3.1.1. コンポーネントの制限について
以下の例は、それぞれのコンポーネントの制限範囲パラメーターを示しています。これらの例は明確にするために使用されます。必要に応じて、いずれかまたはすべてのコンポーネントの単一の制限範囲オブジェクトを作成できます。
6.3.1.1.1. コンテナーの制限
制限範囲により、Pod の各コンテナーが特定のプロジェクトについて要求できる最小および最大 CPU およびメモリーを指定できます。コンテナーがプロジェクトに作成される場合、Pod 仕様のコンテナー CPU およびメモリー要求は制限範囲オブジェクトに設定される値に準拠する必要があります。そうでない場合には、Pod は作成されません。
- 
									コンテナーの CPU またはメモリーの要求および制限は、制限範囲オブジェクトで指定されるコンテナーの minリソース制約以上である必要があります。
- コンテナーの CPU またはメモリー要求は、制限範囲オブジェクトで指定されるコンテナーの - maxリソース制約以下である必要があります。- 制限範囲が - maxCPU を定義する場合、Pod 仕様に CPU- request値を定義する必要はありません。ただし、制限範囲で指定される最大 CPU 制約を満たす CPU- limit値を指定する必要があります。
- コンテナー制限の要求に対する比率は、制限範囲オブジェクトに指定されるコンテナーの - maxLimitRequestRatio値以下である必要があります。- 制限範囲で - maxLimitRequestRatio制約を定義する場合、新規コンテナーには- requestと- limit値の両方が必要になります。OpenShift Container Platform は、- limitを- requestで除算して制限の要求に対する比率を算出します。この値は、1 より大きい正の整数でなければなりません。- たとえば、コンテナーの - limit値が- cpu: 500で、- request値が- cpu: 100である場合、- cpuの要求に対する制限の比は- 5になります。この比率は- maxLimitRequestRatioより小さいか等しくなければなりません。
							Pod 仕様でコンテナーリソースメモリーまたは制限を指定しない場合、制限範囲オブジェクトに指定されるコンテナーの default または defaultRequest CPU およびメモリー値はコンテナーに割り当てられます。
						
コンテナー LimitRange オブジェクトの定義
- 1
- 制限範囲オブジェクトの名前です。
- 2
- Pod の単一コンテナーが要求できる CPU の最大量です。
- 3
- Pod の単一コンテナーが要求できるメモリーの最大量です。
- 4
- Pod の単一コンテナーが要求できる CPU の最小量です。min値を設定しない場合や0を設定する場合は無制限になります。これにより、Pod はmaxCPU 値よりも多くの CPU を消費できるようになります。
- 5
- Pod の単一コンテナーが要求できるメモリーの最小量です。min値を設定しない場合や0を設定する場合は無制限になります。これにより、Pod はmaxメモリー値よりも多くの CPU を消費できるようになります。
- 6
- コンテナーが使用できる CPU のデフォルト量 (Pod 仕様に指定されていない場合)。
- 7
- コンテナーが使用できるメモリーのデフォルト量 (Pod 仕様に指定されていない場合)。
- 8
- コンテナーが要求できる CPU のデフォルト量 (Pod 仕様に指定されていない場合)。
- 9
- コンテナーが要求できるメモリーのデフォルト量 (Pod 仕様に指定されていない場合)。
- 10
- コンテナーの要求に対する制限の最大比率。
6.3.1.1.2. Pod の制限
制限範囲により、所定プロジェクトの Pod 全体でのすべてのコンテナーの CPU およびメモリーの最小および最大の制限を指定できます。コンテナーをプロジェクトに作成するには、Pod 仕様のコンテナー CPU およびメモリー要求は制限範囲オブジェクトに設定される値に準拠する必要があります。そうでない場合には、Pod は作成されません。
Pod のすべてのコンテナーにおいて、以下を満たしている必要があります。
- 
									コンテナーの CPU またはメモリーの要求および制限は、制限範囲オブジェクトに指定される Pod の minリソース制約以上である必要があります。
- 
									コンテナーの CPU またはメモリーの要求および制限は、制限範囲オブジェクトに指定される Pod の maxリソース制約以上である必要があります。
- 
									コンテナー制限の要求に対する比率は、制限範囲オブジェクトに指定される maxLimitRequestRatio制約以下である必要があります。
Pod LimitRange オブジェクト定義
- 1
- 制限範囲オブジェクトの名前です。
- 2
- すべてのコンテナーにおいて Pod が要求できる CPU の最大量です。
- 3
- すべてのコンテナーにおいて Pod が要求できるメモリーの最大量です。
- 4
- すべてのコンテナーにおいて Pod が要求できる CPU の最小量です。min値を設定しない場合や0を設定する場合は無制限になります。これにより、Pod はmaxCPU 値よりも多くの CPU を消費できるようになります。
- 5
- すべてのコンテナーにおいて Pod が要求できるメモリーの最小量です。min値を設定しない場合や0を設定する場合は無制限になります。これにより、Pod はmaxメモリー値よりも多くの CPU を消費できるようになります。
- 6
- コンテナーの要求に対する制限の最大比率。
6.3.1.1.3. イメージの制限
制限範囲により、内部レジストリーにプッシュできるイメージの最大サイズを指定できます。
イメージを内部レジストリーにプッシュする場合には、以下が当てはまります。
- 
									イメージのサイズは、制限範囲オブジェクトで指定されるイメージの maxサイズ以下である必要があります。
イメージ LimitRange オブジェクトの定義
制限を超える Blob がレジストリーにアップロードされないようにするために、クォータを実施するようレジストリーを設定する必要があります。
イメージのサイズは、アップロードされるイメージのマニフェストで常に表示される訳ではありません。これは、とりわけ Docker 1.10 以上で作成され、v2 レジストリーにプッシュされたイメージの場合に該当します。このようなイメージが古い Docker デーモンでプルされると、イメージマニフェストはレジストリーによってスキーマ v1 に変換されますが、この場合サイズ情報が欠落します。イメージに設定されるストレージの制限がこのアップロードを防ぐことはありません。
現在、この問題 への対応が行われています。
6.3.1.1.4. イメージストリームの制限
制限の範囲により、イメージストリームの制限を指定できます。
各イメージストリームについて、以下が当てはまります。
- 
									イメージストリーム仕様のイメージタグ数は、制限範囲オブジェクトの openshift.io/image-tags制約以下である必要があります。
- 
									イメージストリーム仕様のイメージへの一意な参照数は、制限範囲オブジェクトの openshift.io/images制約以下である必要があります。
イメージストリーム LimitRange オブジェクト定義
							openshift.io/image-tags リソースは、一意のイメージ参照を表します。使用できる参照は、ImageStreamTag、ImageStreamImage および DockerImage になります。タグは、oc tag および oc import-image コマンドを使用して作成できます。内部参照か外部参照であるかの区別はありません。ただし、イメージストリームの仕様でタグ付けされる一意の参照はそれぞれ 1 回のみカウントされます。内部コンテナーイメージレジストリーへのプッシュを制限しませんが、タグの制限に役立ちます。
						
							openshift.io/images リソースは、イメージストリームのステータスに記録される一意のイメージ名を表します。これにより、内部レジストリーにプッシュできるイメージ数を制限できます。内部参照か外部参照であるかの区別はありません。
						
6.3.1.1.5. Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) の制限
制限の範囲により、Persistent Volume Claim(永続ボリューム要求、PVC)で要求されるストレージを制限できます。
プロジェクトのすべての Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) において、以下が一致している必要があります。
- 
									Persistent Volume Claim(永続ボリューム要求、PVC)のリソース要求は、制限範囲オブジェクトに指定される PVC の min制約以上である必要があります。
- 
									Persistent Volume Claim(永続ボリューム要求、PVC)のリソース要求は、制限範囲オブジェクトに指定される PVC の max制約以下である必要があります。
PVC LimitRange オブジェクト定義
6.3.2. 制限範囲の作成
制限範囲をプロジェクトに適用するには、以下を実行します。
- 必要な仕様で制限範囲オブジェクトを作成します。 - Copy to Clipboard Copied! - Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- LimitRange オブジェクトの名前を指定します。
- 2
- Pod の制限を設定するには、必要に応じて CPU およびメモリーの最小および最大要求を指定します。
- 3
- コンテナーの制限を設定するには、必要に応じて CPU およびメモリーの最小および最大要求を指定します。
- 4
- オプション。コンテナーの場合、Pod 仕様で指定されていない場合、コンテナーが使用できる CPU またはメモリーのデフォルト量を指定します。
- 5
- オプション。コンテナーの場合、Pod 仕様で指定されていない場合、コンテナーが要求できる CPU またはメモリーのデフォルト量を指定します。
- 6
- オプション。コンテナーの場合、Pod 仕様で指定できる要求に対する制限の最大比率を指定します。
- 7
- Image オブジェクトの制限を設定するには、内部レジストリーにプッシュできるイメージの最大サイズを設定します。
- 8
- イメージストリームの制限を設定するには、必要に応じてイメージストリームオブジェクトファイルにあるイメージタグおよび参照の最大数を設定します。
- 9
- Persistent Volume Claim(永続ボリューム要求、PVC)の制限を設定するには、要求できるストレージの最小および最大量を設定します。
 
- オブジェクトを作成します。 - oc create -f <limit_range_file> -n <project> - $ oc create -f <limit_range_file> -n <project>- 1 - Copy to Clipboard Copied! - Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- 作成した YAML ファイルの名前と、制限を適用する必要のあるプロジェクトを指定します。
 
6.3.3. 制限の表示
Web コンソールでプロジェクトの Quota ページに移動し、プロジェクトで定義される制限を表示できます。
CLI を使用して制限範囲の詳細を表示することもできます。
- プロジェクトで定義される制限範囲の一覧を取得します。たとえば、demoproject というプロジェクトの場合は以下のようになります。 - oc get limits -n demoproject - $ oc get limits -n demoproject- Copy to Clipboard Copied! - Toggle word wrap Toggle overflow - NAME CREATED AT resource-limits 2020-07-15T17:14:23Z - NAME CREATED AT resource-limits 2020-07-15T17:14:23Z- Copy to Clipboard Copied! - Toggle word wrap Toggle overflow 
- 関連のある制限範囲の説明を記述します。 たとえば、 - resource-limits制限範囲の場合は以下のようになります。- oc describe limits resource-limits -n demoproject - $ oc describe limits resource-limits -n demoproject- Copy to Clipboard Copied! - Toggle word wrap Toggle overflow - Copy to Clipboard Copied! - Toggle word wrap Toggle overflow 
6.3.4. 制限範囲の削除
プロジェクトで制限を実施しないように有効な制限範囲を削除するには、以下を実行します。
- 以下のコマンドを実行します。 - oc delete limits <limit_name> - $ oc delete limits <limit_name>- Copy to Clipboard Copied! - Toggle word wrap Toggle overflow