7.9. 容認を使用した クラスターロギング Pod 配置の制御
テイントおよび容認を使用することで、クラスターロギング Pod が特定のノードで実行され、その他のワークロードがそれらのノードで実行されないようにします。
テイントおよび容認は、単純な key:value
のペアです。ノードのテイントはノードに対し、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するよう指示します。
key
は最大 253 文字までの文字列で、value
は最大 63 文字までの文字列になります。文字列は文字または数字で開始する必要があり、文字、数字、ハイフン、ドットおよびアンダースコアを含めることができます。
容認を使用したクラスターロギング CR のサンプル
apiVersion: "logging.openshift.io/v1" kind: "ClusterLogging" metadata: name: "instance" namespace: openshift-logging spec: managementState: "Managed" logStore: type: "elasticsearch" elasticsearch: nodeCount: 1 tolerations: 1 - key: "logging" operator: "Exists" effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 6000 resources: limits: memory: 8Gi requests: cpu: 100m memory: 1Gi storage: {} redundancyPolicy: "ZeroRedundancy" visualization: type: "kibana" kibana: tolerations: 2 - key: "logging" operator: "Exists" effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 6000 resources: limits: memory: 2Gi requests: cpu: 100m memory: 1Gi replicas: 1 curation: type: "curator" curator: tolerations: 3 - key: "logging" operator: "Exists" effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 6000 resources: limits: memory: 200Mi requests: cpu: 100m memory: 100Mi schedule: "*/5 * * * *" collection: logs: type: "fluentd" fluentd: tolerations: 4 - key: "logging" operator: "Exists" effect: "NoExecute" tolerationSeconds: 6000 resources: limits: memory: 2Gi requests: cpu: 100m memory: 1Gi
7.9.1. 容認を使用した Elasticsearch Pod 配置の制御
Elasticsearch Pod が実行するノードを制御し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにすることができます。
容認をクラスターロギングのカスタムリソース (CR) で Elasticsearch Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。ノードのテイントは、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するようノードに指示する key:value ペア
です。他の Pod にはない特定の key:value
ペアを使用することで、Elasticseach Pod のみがそのノード上で実行されるようにできます。
デフォルトで、Elasticsearch Pod には以下の容認があります。
tolerations: - effect: "NoExecute" key: "node.kubernetes.io/disk-pressure" operator: "Exists"
前提条件
- クラスターロギングおよび Elasticsearch がインストールされている必要があります。
手順
以下のコマンドを使用して、クラスターロギング Pod をスケジュールするノードにテイントを追加します。
$ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>
以下は例になります。
$ oc adm taint nodes node1 elasticsearch=node:NoExecute
この例では、テイントをキー
elasticsearch
、値node
、およびテイントの効果NoExecute
のあるnode1
に配置します。NoExecute
効果のノードは、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。クラスターロギングのカスタムリソース (CR) の
logStore
セクションを編集し、Elasticsearch Pod の容認を設定します。logStore: type: "elasticsearch" elasticsearch: nodeCount: 1 tolerations: - key: "elasticsearch" 1 operator: "Exists" 2 effect: "NoExecute" 3 tolerationSeconds: 6000 4
この容認は、oc adm taint
コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は node1
にスケジュールできます。
7.9.2. 容認 (Toleration) による Kibana Pod の配置の制御
Kibana Pod が実行するノードを制御し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにすることができます。
容認をクラスターロギングのカスタムリソース (CR) を利用して Kibana Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。ノードのテイントは、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するようノードに指示する key:value ペア
です。他の Pod にはない特定の key:value
ペアを使用することで、Kibana Pod のみがそのノード上で実行されます。
前提条件
- クラスターロギングおよび Elasticsearch がインストールされている必要があります。
手順
以下のコマンドを使用して、Kibana Pod をスケジュールするノードにテイントを追加します。
$ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>
以下は例になります。
$ oc adm taint nodes node1 kibana=node:NoExecute
この例では、テイントをキー
kibana
、値node
、およびテイントの効果NoExecute
のあるnode1
に配置します。NoExecute
テイント effect を使用する必要があります。NoExecute
は、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。クラスターロギングのカスタムリソース (CR) の
visualization
セクションを編集し、Kibana Pod の容認を設定します。visualization: type: "kibana" kibana: tolerations: - key: "kibana" 1 operator: "Exists" 2 effect: "NoExecute" 3 tolerationSeconds: 6000 4
この容認は、oc adm taint
コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は、node1
にスケジュールできます。
7.9.3. 容認を使用した Curator Pod 配置の制御
Curator Pod が実行するノードを制御し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにすることができます。
容認をクラスターロギングのカスタムリソース (CR) で Curator Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。ノードのテイントは、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するようノードに指示する key:value ペア
です。他の Pod にはない特定の key:value
ペアを使用することで、Curator Pod のみがそのノード上で実行されるようにできます。
前提条件
- クラスターロギングおよび Elasticsearch がインストールされている必要があります。
手順
以下のコマンドを使用して、Curator Pod をスケジュールする必要のあるノードにテイントを追加します。
$ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>
以下は例になります。
$ oc adm taint nodes node1 curator=node:NoExecute
この例では、テイントをキー
curator
、値node
、およびテイント effectNoExecute
のあるnode1
に配置します。NoExecute
テイント effect を使用する必要があります。NoExecute
は、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。クラスターロギングのカスタムリソース (CR) の
curation
セクションを編集し、Curator Pod の容認を設定します。curation: type: "curator" curator: tolerations: - key: "curator" 1 operator: "Exists" 2 effect: "NoExecute" 3 tolerationSeconds: 6000 4
この容認は、oc adm taint
コマンドで作成されるテイントと一致します。この容認のある Pod は、node1
にスケジュールできます。
7.9.4. 容認を使用したログコレクター Pod 配置の制御
ロギングコレクター Pod が実行するノードを確認し、Pod の容認を使用して他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにすることができます。
容認をクラスターロギングのカスタムリソース (CR) でロギングコレクター Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。テイントおよび容認を使用すると、Pod がメモリーや CPU などの問題によってエビクトされないようにすることができます。
デフォルトで、ロギングコレクター Pod には以下の容認があります。
tolerations: - key: "node-role.kubernetes.io/master" operator: "Exists" effect: "NoExecute"
前提条件
- クラスターロギングおよび Elasticsearch がインストールされている必要があります。
手順
以下のコマンドを使用して、ロギングコレクター Pod がロギングコレクター Pod をスケジュールする必要のあるノードにテイントを追加します。
$ oc adm taint nodes <node-name> <key>=<value>:<effect>
以下は例になります。
$ oc adm taint nodes node1 collector=node:NoExecute
この例では、テイントをキー
collector
、値node
、およびテイント effectNoExecute
のあるnode1
に配置します。NoExecute
テイント effect を使用する必要があります。NoExecute
は、テイントに一致する Pod のみをスケジュールし、一致しない既存の Pod を削除します。クラスターロギングのカスタムリソース (CR) の
collection
セクションを編集して、ロギングコレクター Pod の容認を設定します。collection: logs: type: "fluentd" rsyslog: tolerations: - key: "collector" 1 operator: "Exists" 2 effect: "NoExecute" 3 tolerationSeconds: 6000 4
この容認は、oc adm taint
コマンドで作成されたテイントと一致します。この容認のある Pod は、node1
にスケジュールできます。
7.9.5. 追加リソース
テイントおよび容認についての詳細は、「ノードテイントを使用した Pod 配置の制御」を参照してください。