3.2. Agent-based Installer を使用した OpenShift Container Platform のインストール
以下の手順では、切断された環境でシングルノードの OpenShift Container Platform をデプロイします。これらの手順を基本として使用し、必要に応じて変更できます。
3.2.1. Agent-based Installer のダウンロード
この手順を使用して、インストールに必要な Agent-based Installer と CLI をダウンロードします。
現在、Agent-based Installer のダウンロードは、IBM Z® (s390x
) アーキテクチャーではサポートされていません。推奨される方法は、PXE アセットを作成することです。
手順
- ログイン認証情報を使用して OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
- データセンター に移動します。
- Run Agent-based Installer locally をクリックします。
- OpenShift インストーラー と コマンドラインインターフェイス のオペレーティングシステムとアーキテクチャーを選択します。
- Download Installer をクリックして、インストールプログラムをダウンロードして展開します。
- Download pull secret または Copy pull secret をクリックして、プルシークレットをダウンロードまたはコピーします。
-
Download command-line tools をクリックし、
openshift-install
バイナリーをPATH
上のディレクトリーに配置します。
3.2.2. 設定入力の作成
エージェントイメージを作成するには、インストールプログラムで使用される設定ファイルを作成する必要があります。
手順
-
PATH にあるディレクトリーに
openshift-install
バイナリーを配置します。 次のコマンドを実行して、インストール設定を保存するディレクトリーを作成します。
$ mkdir ~/<directory_name>
次のコマンドを実行して、
install-config.yaml
ファイルを作成します。$ cat << EOF > ./my-cluster/install-config.yaml apiVersion: v1 baseDomain: test.example.com compute: - architecture: amd64 1 hyperthreading: Enabled name: worker replicas: 0 controlPlane: architecture: amd64 hyperthreading: Enabled name: master replicas: 1 metadata: name: sno-cluster 2 networking: clusterNetwork: - cidr: fd01::/48 hostPrefix: 64 machineNetwork: - cidr: fd2e:6f44:5dd8:c956::/120 networkType: OVNKubernetes 3 serviceNetwork: - fd02::/112 platform: 4 none: {} pullSecret: '<pull_secret>' 5 sshKey: '<ssh_pub_key>' 6 additionalTrustBundle: | 7 -----BEGIN CERTIFICATE----- ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ -----END CERTIFICATE----- imageContentSources: 8 - mirrors: - <local_registry>/<local_repository_name>/release source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release - mirrors: - <local_registry>/<local_repository_name>/release source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev EOF
- 1
- システムアーキテクチャーを指定します。有効な値は、
amd64
、arm64
、ppc64le
、およびs390x
です。multi
ペイロードが含まれるリリースイメージを使用している場合は、arm64
、amd64
、s390x
、ppc64le
などのさまざまなアーキテクチャーにクラスターをインストールできます。それ以外の場合、クラスターはopenshift-install version
コマンドの出力に表示されるrelease architecture
にのみインストールできます。詳細は、「Agent-based Installer クラスターをインストールするためのサポート対象アーキテクチャーを確認する」を参照してください。 - 2
- 必須。クラスター名を指定します。
- 3
- インストールするクラスターネットワークプラグイン。サポートされる値はデフォルト値の
OVNKubernetes
のみです。 - 4
- プラットフォームを指定します。注記
ベアメタルプラットフォームの場合、
agent-config.yaml
ファイル上での設定でオーバーライドされない限り、install-config.yaml
ファイルのプラットフォームセクションでのホスト設定がデフォルトで使用されます。 - 5
- プルシークレットを指定します。
- 6
- SSH 公開鍵を指定します。
- 7
- ミラーレジストリーに使用した証明書ファイルの内容を指定します。証明書ファイルは、既存の信頼できる認証局、またはミラーレジストリー用に生成した自己署名証明書のいずれかです。非接続ミラーレジストリーを使用している場合は、このパラメーターを指定する必要があります。
- 8
- リポジトリーのミラーリングに使用したコマンドの出力に従って、
imageContentSources
セクションを指定します。非接続ミラーレジストリーを使用している場合は、このパラメーターを指定する必要があります。重要-
oc adm release mirror
コマンドを使用する場合は、imageContentSources
セクションの出力を使用してください。 -
oc mirror
コマンドを使用する場合は、コマンドの実行によって生成されるImageContentSourcePolicy
ファイルのrepositoryDigestMirrors
セクションを使用してください。 -
ImageContentSourcePolicy
リソースは非推奨です。
-
次のコマンドを実行して、
agent-config.yaml
ファイルを作成します。$ cat > agent-config.yaml << EOF apiVersion: v1beta1 kind: AgentConfig metadata: name: sno-cluster rendezvousIP: fd2e:6f44:5dd8:c956::50 1 EOF
- 1
- この IP アドレスは、ブートストラッププロセスを実行するノードや、
assisted-service
コンポーネントを実行するノードを判別するために使用されます。networkConfig
パラメーターで少なくとも 1 つのホストの IP アドレスを指定しない場合は、ランデブー IP アドレスを指定する必要があります。このアドレスが指定されていない場合は、指定されたホストのnetworkConfig
パラメーターから 1 つの IP アドレスが選択されます。
3.2.3. エージェントイメージの作成と起動
この手順を使用して、マシンでエージェントイメージを起動します。
手順
以下のコマンドを実行して agent イメージを作成します。
$ openshift-install --dir <install_directory> agent create image
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) はプライマリーディスクでのマルチパスをサポートするようになり、ハードウェア障害に対する対障害性が強化され、ホストの可用性を強化できるようになりました。マルチパス化は、デフォルトの
/etc/multipath.conf
設定を使用して、agent.iSO イメージでデフォルトで有効になっています。-
ベアメタルマシンで
agent.x86_64.iso
またはagent.aarch64.iso
イメージを起動します。
3.2.4. 現在のインストールホストがリリースイメージをプルできることを確認する
エージェントイメージを起動し、ネットワークサービスがホストで利用可能になると、エージェントコンソールアプリケーションは、プルチェックを実行して、現在のホストがリリースイメージを取得できることを確認します。
一次プルチェックに合格した場合は、アプリケーションを終了して、インストールを続行できます。プルチェックが失敗した場合、アプリケーションは、TUI の Additional checks
セクションに表示されるように、問題のトラブルシューティングに役立つ追加のチェックを実行します。追加のチェックの失敗は、プライマリープルチェックが成功するかぎり、必ずしも重大ではありません。
インストールが失敗する可能性があるホストネットワーク設定の問題がある場合は、コンソールアプリケーションを使用して、ネットワーク設定を調整できます。
エージェントコンソールアプリケーションがホストネットワーク設定の問題を検出した場合は、ユーザーが手動でコンソールアプリケーションを停止し、続行する意思を示すまで、インストールワークフローは停止されます。
手順
- エージェントコンソールアプリケーションが、設定されたリリースイメージをレジストリーからプルできるかどうかを確認するまで待ちます。
エージェントコンソールアプリケーションが、インストーラーの接続チェックに合格したことを示している場合は、プロンプトがタイムアウトになるまで待って、インストールを続行します。
注記接続チェックに合格した場合も、ネットワーク設定の表示または変更を選択できます。
ただし、タイムアウトせずに、エージェントコンソールアプリケーションとやりとりすることを選択した場合は、TUI を手動で終了して、インストールを続行する必要があります。
エージェントコンソールアプリケーションのチェックが失敗した場合は、
Release image URL
プルチェックの横に赤いアイコンが表示されます。ホストのネットワーク設定を再設定するには、次の手順を使用します。TUI の
Check Errors
セクションを読みます。このセクションには、失敗したチェックに固有のエラーメッセージが表示されます。- Configure network を選択して、NetworkManager TUI を起動します。
- Edit a connection を選択し、再設定する接続を選択します。
- 設定を編集し、OK を選択して、変更を保存します。
- Back を選択して、NetworkManager TUI のメイン画面に戻ります。
- Activate a Connection を選択します。
- 再設定されたネットワークを選択して、非アクティブ化します。
- 再設定されたネットワークを再度選択して、再アクティブ化します。
- Back を選択し、Quit を選択して、エージェントコンソールアプリケーションに戻ります。
- 新しいネットワーク設定を使用して、継続的なネットワークチェックが再開されるまで、5 秒間以上、待ちます。
-
Release image URL
プルチェックが成功し、URL の横に緑色のアイコンが表示された場合は、Quit を選択して、エージェントコンソールアプリケーションを終了し、インストールを続行します。
3.2.5. インストールの進行状況の追跡と確認
次の手順を使用して、インストールの進行状況を追跡し、インストールが成功したことを確認します。
前提条件
- Kubernetes API サーバーの DNS レコードを設定している。
手順
オプション: ブートストラップホスト (ランデブーホスト) がいつ再起動するかを知るには、次のコマンドを実行します。
$ ./openshift-install --dir <install_directory> agent wait-for bootstrap-complete \1 --log-level=info 2
出力例
................................................................... ................................................................... INFO Bootstrap configMap status is complete INFO cluster bootstrap is complete
Kubernetes API サーバーでこれがコントロールプレーンマシンにブートストラップされていることを示すシグナルが出されるとコマンドは成功します。
進行状況を追跡し、インストールが成功したことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ openshift-install --dir <install_directory> agent wait-for install-complete 1
- 1
<install_directory>
directory には、エージェント ISO が生成されたディレクトリーへのパスを指定します。
出力例
................................................................... ................................................................... INFO Cluster is installed INFO Install complete! INFO To access the cluster as the system:admin user when using 'oc', run INFO export KUBECONFIG=/home/core/installer/auth/kubeconfig INFO Access the OpenShift web-console here: https://console-openshift-console.apps.sno-cluster.test.example.com