10.4. Azure Marketplace オファリングの使用
Azure Marketplace を使用すると、OpenShift Container Platform クラスターをデプロイできます。これは、Azure を通じて従量課金制 (時間単位、コア単位) で請求され、Red Hat の直接サポートも受けることができます。
Azure Marketplace オファリングを使用して OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする場合は、最初に Azure Marketplace イメージを取得する必要があります。インストールプログラムは、このイメージを使用してワーカーノードをデプロイします。イメージを取得するときは、次の点を考慮してください。
-
イメージは同じですが、Azure Marketplace のパブリシャーは地域によって異なります。北米にお住まいの場合は、
redhat
をパブリッシャーとして指定してください。EMEA にお住まいの場合は、redhat-limited
をパブリッシャーとして指定してください。 -
このオファーには、
rh-ocp-worker
SKU とrh-ocp-worker-gen1
SKU が含まれています。rh-ocp-worker
SKU は、Hyper-V 世代のバージョン 2 VM イメージを表します。OpenShift Container Platform で使用されるデフォルトのインスタンスタイプは、バージョン 2 と互換性があります。バージョン 1 のみと互換性のあるインスタンスタイプを使用する場合は、rh-ocp-worker-gen1
SKU に関連付けられたイメージを使用します。rh-ocp-worker-gen1
SKU は、Hyper-V バージョン 1 VM イメージを表します。
Azure マーケットプレイスを使用したイメージのインストールは、64 ビット ARM インスタンスを備えたクラスターではサポートされていません。
Azure Marketplace イメージを使用するには、コンピュートマシンの RHCOS イメージのみを変更する必要があります。コントロールプレーンマシンおよびインフラストラクチャーノードに OpenShift Container Platform サブスクリプションは必要なく、デフォルトでパブリック RHCOS デフォルトイメージが使用されるため、Azure 請求書にサブスクリプションコストは発生しません。したがって、クラスターのデフォルトのブートイメージやコントロールプレーンのブートイメージは変更しないでください。Azure Marketplace イメージを適用すると追加のライセンスコストが発生し、これは修正できません。
前提条件
-
Azure CLI クライアント
(az)
をインストールしている。 - お客様の Azure アカウントにはオファーのエンタイトルメントがあり、Azure CLI クライアントを使用してこのアカウントにログインしている。
手順
以下のいずれかのコマンドを実行して、利用可能なすべての OpenShift Container Platform イメージを表示します。
北米:
az vm image list --all --offer rh-ocp-worker --publisher redhat -o table
$ az vm image list --all --offer rh-ocp-worker --publisher redhat -o table
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Offer Publisher Sku Urn Version ------------- -------------- ------------------ -------------------------------------------------------------- ----------------- rh-ocp-worker RedHat rh-ocp-worker RedHat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:4.15.2024072409 4.15.2024072409 rh-ocp-worker RedHat rh-ocp-worker-gen1 RedHat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker-gen1:4.15.2024072409 4.15.2024072409
Offer Publisher Sku Urn Version ------------- -------------- ------------------ -------------------------------------------------------------- ----------------- rh-ocp-worker RedHat rh-ocp-worker RedHat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:4.15.2024072409 4.15.2024072409 rh-ocp-worker RedHat rh-ocp-worker-gen1 RedHat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker-gen1:4.15.2024072409 4.15.2024072409
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az vm image list --all --offer rh-ocp-worker --publisher redhat-limited -o table
$ az vm image list --all --offer rh-ocp-worker --publisher redhat-limited -o table
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Offer Publisher Sku Urn Version ------------- -------------- ------------------ -------------------------------------------------------------- ----------------- rh-ocp-worker redhat-limited rh-ocp-worker redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:4.15.2024072409 4.15.2024072409 rh-ocp-worker redhat-limited rh-ocp-worker-gen1 redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker-gen1:4.15.2024072409 4.15.2024072409
Offer Publisher Sku Urn Version ------------- -------------- ------------------ -------------------------------------------------------------- ----------------- rh-ocp-worker redhat-limited rh-ocp-worker redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:4.15.2024072409 4.15.2024072409 rh-ocp-worker redhat-limited rh-ocp-worker-gen1 redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker-gen1:4.15.2024072409 4.15.2024072409
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注記インストールする OpenShift Container Platform のバージョンに関係なく、使用する Azure Marketplace イメージの正しいバージョンは 4.13 です。必要に応じて、VM はインストールプロセスの一部として自動的にアップグレードされます。
次のいずれかのコマンドを実行して、オファーのイメージを調べます。
北米:
az vm image show --urn redhat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
$ az vm image show --urn redhat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
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az vm image show --urn redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
$ az vm image show --urn redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
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次のコマンドのいずれかを実行して、オファーの条件を確認します。
北米:
az vm image terms show --urn redhat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
$ az vm image terms show --urn redhat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow EMEA:
az vm image terms show --urn redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
$ az vm image terms show --urn redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
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次のコマンドのいずれかを実行して、オファリングの条件に同意します。
北米:
az vm image terms accept --urn redhat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
$ az vm image terms accept --urn redhat:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow EMEA:
az vm image terms accept --urn redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
$ az vm image terms accept --urn redhat-limited:rh-ocp-worker:rh-ocp-worker:<version>
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オファーのイメージの詳細を記録します。Azure Resource Manager (ARM) テンプレートを使用して、ワーカーノードをデプロイする場合:
-
id
パラメーターを削除し、オファーの値を使用して、offer
、publisher
、sku
、およびversion
パラメーターを追加して、storageProfile.imageReference
を更新します。 仮想マシン (VM) の
plan
を指定します。更新された
storageProfile.imageReference
オブジェクトと指定されたplan
を含む06_workers.json
ARM テンプレートの例Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
-
10.4.1. インストールプログラムの取得 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールに使用しているホストにインストールファイルをダウンロードします。
前提条件
- Linux または macOS を実行し、少なくとも 1.2 GB のローカルディスク容量を備えたコンピューターがある。
手順
Red Hat Hybrid Cloud Console の Cluster Type ページに移動します。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使用してログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。
ヒント- ページの Run it yourself セクションからインフラストラクチャープロバイダーを選択します。
- OpenShift Installer のドロップダウンメニューからホストオペレーティングシステムとアーキテクチャーを選択し、Download Installer をクリックします。
ダウンロードしたファイルを、インストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。
重要- インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターのインストール完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルを保持する必要があります。クラスターを削除するには、両方のファイルが必要です。
- インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。クラスターを削除するには、特定のクラウドプロバイダー用の OpenShift Container Platform のアンインストール手順を実行します。
インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
tar -xvf openshift-install-linux.tar.gz
$ tar -xvf openshift-install-linux.tar.gz
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - Red Hat OpenShift Cluster Manager からインストールプルシークレット をダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。
Red Hat カスタマーポータル からインストールプログラムを取得することもできます。このページでは、ダウンロードするインストールプログラムのバージョンを指定できます。ただし、このページにアクセスするには、有効なサブスクリプションが必要です。
10.4.2. クラスターノードの SSH アクセス用のキーペアの生成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定できます。キーは、Ignition 設定ファイルを介して Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードに渡され、ノードへの SSH アクセスを認証するために使用されます。このキーは各ノードの core
ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys
リストに追加され、パスワードなしの認証が可能になります。
キーがノードに渡されると、キーペアを使用して RHCOS ノードにユーザー core
として SSH を実行できます。SSH 経由でノードにアクセスするには、秘密鍵のアイデンティティーをローカルユーザーの SSH で管理する必要があります。
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行するためにクラスターノードに対して SSH を実行する場合は、インストールプロセスの間に SSH 公開鍵を指定する必要があります。./openshift-install gather
コマンドでは、SSH 公開鍵がクラスターノードに配置されている必要もあります。
障害復旧およびデバッグが必要な実稼働環境では、この手順を省略しないでください。
AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。
手順
クラスターノードへの認証に使用するローカルマシンに既存の SSH キーペアがない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。
ssh-keygen -t ed25519 -N '' -f <path>/<file_name>
$ ssh-keygen -t ed25519 -N '' -f <path>/<file_name>
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- 新しい SSH キーのパスとファイル名 (
~/.ssh/id_ed25519
など) を指定します。既存のキーペアがある場合は、公開鍵が~/.ssh
ディレクトリーにあることを確認します。
注記x86_64
、ppc64le
、およびs390x
アーキテクチャーのみで FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用する OpenShift Container Platform クラスターをインストールする予定がある場合は、ed25519
アルゴリズムを使用するキーを作成しないでください。代わりに、rsa
アルゴリズムまたはecdsa
アルゴリズムを使用するキーを作成します。公開 SSH キーを表示します。
cat <path>/<file_name>.pub
$ cat <path>/<file_name>.pub
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow たとえば、次のコマンドを実行して
~/.ssh/id_ed25519.pub
公開鍵を表示します。cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
$ cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ローカルユーザーの SSH エージェントに SSH 秘密鍵 ID が追加されていない場合は、それを追加します。キーの SSH エージェント管理は、クラスターノードへのパスワードなしの SSH 認証、または
./openshift-install gather
コマンドを使用する場合は必要になります。注記一部のディストリビューションでは、
~/.ssh/id_rsa
および~/.ssh/id_dsa
などのデフォルトの SSH 秘密鍵のアイデンティティーは自動的に管理されます。ssh-agent
プロセスがローカルユーザーに対して実行されていない場合は、バックグラウンドタスクとして開始します。eval "$(ssh-agent -s)"
$ eval "$(ssh-agent -s)"
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Agent pid 31874
Agent pid 31874
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記クラスターが FIPS モードにある場合は、FIPS 準拠のアルゴリズムのみを使用して SSH キーを生成します。鍵は RSA または ECDSA のいずれかである必要があります。
SSH プライベートキーを
ssh-agent
に追加します。ssh-add <path>/<file_name>
$ ssh-add <path>/<file_name>
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
~/.ssh/id_ed25519
などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。
出力例
Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
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次のステップ
- OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。クラスターを独自にプロビジョニングするインフラストラクチャーにインストールする場合は、キーをインストールプログラムに指定する必要があります。