3.12. Cluster Network Operator (CNO) の設定
クラスターネットワークの設定は、Cluster Network Operator (CNO) 設定の一部として指定され、cluster
という名前のカスタムリソース (CR) オブジェクトに保存されます。CR は operator.openshift.io
API グループの Network
API のフィールドを指定します。
CNO 設定は、Network.config.openshift.io
API グループの Network
API からクラスターのインストール時に以下のフィールドを継承します。
clusterNetwork
- Pod IP アドレスの割り当てに使用する IP アドレスプール。
serviceNetwork
- サービスの IP アドレスプール。
defaultNetwork.type
-
クラスターネットワークプラグイン。
OVNKubernetes
は、インストール時にサポートされる唯一のプラグインです。
defaultNetwork
オブジェクトのフィールドを cluster
という名前の CNO オブジェクトに設定することにより、クラスターのクラスターネットワークプラグイン設定を指定できます。
3.12.1. Cluster Network Operator 設定オブジェクト
Cluster Network Operator (CNO) のフィールドは以下の表で説明されています。
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
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CNO オブジェクトの名前。この名前は常に |
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| Pod ID アドレスの割り当て、サブネット接頭辞の長さのクラスター内の個別ノードへの割り当てに使用される IP アドレスのブロックを指定するリストです。以下に例を示します。 spec: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/19 hostPrefix: 23 - cidr: 10.128.32.0/19 hostPrefix: 23 |
|
| サービスの IP アドレスのブロック。OpenShift SDN および OVN-Kubernetes ネットワークプラグインは、サービスネットワークの単一 IP アドレスブロックのみをサポートします。以下に例を示します。 spec: serviceNetwork: - 172.30.0.0/14
マニフェストを作成する前に、このフィールドを |
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| クラスターネットワークのネットワークプラグインを設定します。 |
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| このオブジェクトのフィールドは、kube-proxy 設定を指定します。OVN-Kubernetes クラスターネットワークプラグインを使用している場合、kube-proxy 設定は機能しません。 |
複数のネットワークにオブジェクトをデプロイする必要があるクラスターの場合は、install-config.yaml
ファイルで定義されている各ネットワークタイプの clusterNetwork.hostPrefix
パラメーターに、必ず同じ値を指定してください。clusterNetwork.hostPrefix
パラメーターにそれぞれ異なる値を設定すると、OVN-Kubernetes ネットワークプラグインに影響が及び、異なるノード間のオブジェクトトラフィックをプラグインが効果的にルーティングできなくなる可能性があります。
defaultNetwork オブジェクト設定
defaultNetwork
オブジェクトの値は、以下の表で定義されます。
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
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注記 OpenShift Container Platform は、デフォルトで OVN-Kubernetes ネットワークプラグインを使用します。OpenShift SDN は、新しいクラスターのインストールの選択肢として利用できなくなりました。 |
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| このオブジェクトは、OVN-Kubernetes ネットワークプラグインに対してのみ有効です。 |
OVN-Kubernetes ネットワークプラグインの設定
次の表では、OVN-Kubernetes ネットワークプラグインの設定フィールドを説明します。
フィールド | 型 | 説明 |
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| Geneve (Generic Network Virtualization Encapsulation) オーバーレイネットワークの MTU (maximum transmission unit)。これは、プライマリーネットワークインターフェイスの MTU に基づいて自動的に検出されます。通常、検出された MTU を上書きする必要はありません。 自動検出した値が予想される値ではない場合は、ノード上のプライマリーネットワークインターフェイスの MTU が正しいことを確認します。このオプションを使用して、ノード上のプライマリーネットワークインターフェイスの MTU 値を変更することはできません。
クラスターで異なるノードに異なる MTU 値が必要な場合、この値をクラスター内の最小の MTU 値よりも |
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すべての Geneve パケットに使用するポート。デフォルト値は |
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| IPsec 設定をカスタマイズするための設定オブジェクトを指定します。 |
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| IPv4 設定の設定オブジェクトを指定します。 |
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| IPv6 設定の設定オブジェクトを指定します。 |
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| ネットワークポリシー監査ロギングをカスタマイズする設定オブジェクトを指定します。指定されていない場合は、デフォルトの監査ログ設定が使用されます。 |
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| オプション: Egress トラフィックのノードゲートウェイへの送信方法をカスタマイズするための設定オブジェクトを指定します。 注記 Egress トラフィックの移行中は、Cluster Network Operator (CNO) が変更を正常にロールアウトするまで、ワークロードとサービストラフィックに多少の中断が発生することが予想されます。 |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
| string |
既存のネットワークインフラストラクチャーが
デフォルト値は |
| string |
既存のネットワークインフラストラクチャーが
デフォルト値は |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
| string |
既存のネットワークインフラストラクチャーが
このフィールドは、インストール後に変更できません。デフォルト値は |
| string |
既存のネットワークインフラストラクチャーが
デフォルト値は |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
| integer |
ノードごとに毎秒生成されるメッセージの最大数。デフォルト値は、1 秒あたり |
| integer |
監査ログの最大サイズ (バイト単位)。デフォルト値は |
| integer | 保持されるログファイルの最大数。 |
| string | 以下の追加の監査ログターゲットのいずれかになります。
|
| string |
RFC5424 で定義される |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
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|
Pod からホストネットワークスタックへの Egress トラフィックを送信するには、このフィールドを
このフィールドで、Open vSwitch ハードウェアオフロード機能との対話が可能になりました。このフィールドを |
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| オプション: IPv4 アドレスのホストからサービスへのトラフィック用の内部 OVN-Kubernetes マスカレードアドレスを設定するオブジェクトを指定します。 |
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| オプション: IPv6 アドレスのホストからサービスへのトラフィックの内部 OVN-Kubernetes マスカレードアドレスを設定するオブジェクトを指定します。 |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
|
ホストからサービスへのトラフィックを有効にするために内部的に使用されるマスカレード IPv4 アドレス。ホストは、これらの IP アドレスと共有ゲートウェイブリッジインターフェイスを使用して設定されます。デフォルト値は |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
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|
ホストからサービスへのトラフィックを有効にするために内部的に使用されるマスカレード IPv6 アドレス。ホストは、これらの IP アドレスと共有ゲートウェイブリッジインターフェイスを使用して設定されます。デフォルト値は |
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
| IPsec 実装の動作を指定します。次の値のいずれかである必要があります。
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IPsec が有効な OVN-Kubernetes 設定の例
defaultNetwork: type: OVNKubernetes ovnKubernetesConfig: mtu: 1400 genevePort: 6081 ipsecConfig: mode: Full
OVNKubernetes を使用すると、IBM Power® でスタック枯渇の問題が発生する可能性があります。
kubeProxyConfig オブジェクト設定 (OpenShiftSDN コンテナーネットワークインターフェイスのみ)
kubeProxyConfig
オブジェクトの値は以下の表で定義されます。
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
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注記
OpenShift Container Platform 4.3 以降で強化されたパフォーマンスの向上により、 |
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kubeProxyConfig: proxyArguments: iptables-min-sync-period: - 0s |