26.24. ネットワークフローの追跡
クラスター管理者は、以下の領域をサポートする、クラスターからの Pod ネットワークフローに関する情報を収集できます。
- Pod ネットワークで Ingress および Egress トラフィックをモニターします。
- パフォーマンスに関する問題のトラブルシューティング
- 容量計画およびセキュリティー監査に関するデータを収集します。
ネットワークフローのコレクションを有効にすると、トラフィックに関するメタデータのみが収集されます。たとえば、パケットデータは収集されませんが、プロトコル、ソースアドレス、宛先アドレス、ポート番号、バイト数、その他のパケットレベルの情報を収集します。
データは、以下の 1 つ以上のレコード形式で収集されます。
- NetFlow
- sFlow
- IPFIX
1 つ以上のコレクター IP アドレスおよびポート番号を使用して Cluster Network Operator (CNO) を設定する場合、Operator は各ノードで Open vSwitch (OVS) を設定し、ネットワークフローレコードを各コレクターに送信します。
Operator を、複数のネットワークフローコレクターにレコードを送信するように設定できます。たとえば、レコードを NetFlow コレクターに送信し、レコードを sFlow コレクターに送信することもできます。
OVS がデータをコレクターに送信すると、それぞれのタイプのコレクターは同一レコードを受け取ります。たとえば、2 つの NetFlow コレクターを設定すると、ノード上の OVS は同じレコードを 2 つのコレクターに送信します。また、2 つの sFlow コレクターを設定した場合には、2 つの sFlow コレクターが同じレコードを受け取ります。ただし、各コレクタータイプには固有のレコード形式があります。
ネットワークフローデータを収集し、レコードをコレクターに送信すると、パフォーマンスに影響があります。ノードは低速でパケットを処理します。パフォーマンスへの影響が大きすぎる場合は、コレクターの宛先を削除し、ネットワークフローデータの収集を無効にしてパフォーマンスを回復できます。
ネットワークフローコレクターを有効にすると、クラスターネットワークの全体的なパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
26.24.1. ネットワークフローを追跡するためのネットワークオブジェクト設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Cluster Network Operator (CNO) でネットワークフローコレクターを設定するフィールドを以下の表に示します。
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
|
CNO オブジェクトの名前。この名前は常に |
|
|
1 つ以上の |
|
| 最大 10 コレクターの IP アドレスとネットワークポートのペアのリスト。 |
|
| 最大 10 コレクターの IP アドレスとネットワークポートのペアのリスト。 |
|
| 最大 10 コレクターの IP アドレスとネットワークポートのペアのリスト。 |
以下のマニフェストを CNO に適用した後に、Operator は、192.168.1.99:2056
でリッスンする NetFlow コレクターにネットワークフローレコードを送信するようにクラスター内の各ノードで Open vSwitch (OVS) を設定します。
ネットワークフローを追跡するための設定例
26.24.2. ネットワークフローコレクターの宛先の追加 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クラスター管理者として、Cluster Network Operator (CNO) を設定して、Pod ネットワークに関するネットワークフローメタデータのネットワークフローコレクターへの送信を停止することができます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。 - ネットワークフローコレクターがあり、リッスンする IP アドレスとポートを把握している。
手順
ネットワークフローコレクターのタイプおよびコレクターの IP アドレスとポート情報を指定するパッチファイルを作成します。
spec: exportNetworkFlows: netFlow: collectors: - 192.168.1.99:2056
spec: exportNetworkFlows: netFlow: collectors: - 192.168.1.99:2056
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネットワークフローコレクターで CNO を設定します。
oc patch network.operator cluster --type merge -p "$(cat <file_name>.yaml)"
$ oc patch network.operator cluster --type merge -p "$(cat <file_name>.yaml)"
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
network.operator.openshift.io/cluster patched
network.operator.openshift.io/cluster patched
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検証
検証は通常必須ではありません。以下のコマンドを実行して、各ノードの Open vSwitch (OVS) がネットワークフローレコードを 1 つ以上のコレクターに送信するように設定されていることを確認できます。
Operator 設定を表示して、
exportNetworkFlows
フィールドが設定されていることを確認します。oc get network.operator cluster -o jsonpath="{.spec.exportNetworkFlows}"
$ oc get network.operator cluster -o jsonpath="{.spec.exportNetworkFlows}"
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
{"netFlow":{"collectors":["192.168.1.99:2056"]}}
{"netFlow":{"collectors":["192.168.1.99:2056"]}}
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 各ノードから OVS のネットワークフロー設定を表示します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
26.24.3. ネットワークフローコレクターのすべての宛先の削除 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クラスター管理者として、Cluster Network Operator (CNO) を設定して、ネットワークフローメタデータのネットワークフローコレクターへの送信を停止することができます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
手順
すべてのネットワークフローコレクターを削除します。
oc patch network.operator cluster --type='json' \ -p='[{"op":"remove", "path":"/spec/exportNetworkFlows"}]'
$ oc patch network.operator cluster --type='json' \ -p='[{"op":"remove", "path":"/spec/exportNetworkFlows"}]'
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
network.operator.openshift.io/cluster patched
network.operator.openshift.io/cluster patched
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