2.7. IBM Power Virtual Server 上でのコンピュートマシンセットの作成


IBM Power® Virtual Server 上の OpenShift Container Platform クラスターで、特定の目的を果たす別のコンピューティングマシンセットを作成できます。たとえば、インフラストラクチャーマシンセットおよび関連マシンを作成して、サポートするワークロードを新しいマシンに移動できます。

重要

高度なマシン管理およびスケーリング機能は、Machine API が動作しているクラスターでのみ使用できます。user-provisioned infrastructure を持つクラスターでは、Machine API を使用するために追加の検証と設定が必要です。

インフラストラクチャープラットフォームタイプが none のクラスターでは、Machine API を使用できません。この制限は、クラスターに接続されている計算マシンが、この機能をサポートするプラットフォームにインストールされている場合でも適用されます。このパラメーターは、インストール後に変更することはできません。

クラスターのプラットフォームタイプを表示するには、以下のコマンドを実行します。

$ oc get infrastructure cluster -o jsonpath='{.status.platform}'

2.7.1. IBM Power Virtual Server 上のコンピュートマシンセットカスタムリソースのサンプル YAML

このサンプル YAML ファイルは、リージョン内の指定された IBM Power® Virtual Server ゾーンで実行され、node-role.kubernetes.io/<role>: "" というラベルが付いたノードを作成するコンピュートマシンセットを定義します。

このサンプルでは、<infrastructure_id> はクラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID に基づくインフラストラクチャー ID であり、<role> は追加するノードラベルです。

apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
kind: MachineSet
metadata:
  labels:
    machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1
    machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 2
    machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> 3
  name: <infrastructure_id>-<role>-<region> 4
  namespace: openshift-machine-api
spec:
  replicas: 1
  selector:
    matchLabels:
      machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 5
      machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>-<region> 6
  template:
    metadata:
      labels:
        machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 7
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 8
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> 9
        machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>-<region> 10
    spec:
      metadata:
        labels:
          node-role.kubernetes.io/<role>: ""
      providerSpec:
        value:
          apiVersion: machine.openshift.io/v1
          credentialsSecret:
            name: powervs-credentials
          image:
            name: rhcos-<infrastructure_id> 11
            type: Name
          keyPairName: <infrastructure_id>-key
          kind: PowerVSMachineProviderConfig
          memoryGiB: 32
          network:
            regex: ^DHCPSERVER[0-9a-z]{32}_Private$
            type: RegEx
          processorType: Shared
          processors: "0.5"
          serviceInstance:
            id: <ibm_power_vs_service_instance_id>
            type: ID 12
          systemType: s922
          userDataSecret:
            name: <role>-user-data
1 5 7
クラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID に基づくインフラストラクチャー ID。OpenShift CLI がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。
$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster
2 3 8 9
追加するノードラベル。
4 6 10
インフラストラクチャー ID、ノードラベル、およびリージョン。
11
クラスターのインストールに使用されたカスタム Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージ。
12
マシンを配置するためのリージョン内のインフラストラクチャー ID。

2.7.2. コンピュートマシンセットの作成

インストールプログラムによって作成されるコンピュートセットセットに加えて、独自のマシンセットを作成して、選択した特定のワークロードのマシンコンピューティングリソースを動的に管理できます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしている。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • cluster-admin パーミッションを持つユーザーとして、oc にログインする。

手順

  1. コンピュートマシンセットのカスタムリソース (CR) サンプルを含む新しい YAML ファイルを作成し、<file_name>.yaml という名前を付けます。

    <clusterID> および <role> パラメーターの値を設定していることを確認します。

  2. オプション: 特定のフィールドに設定する値がわからない場合は、クラスターから既存のコンピュートマシンセットを確認できます。

    1. クラスター内のコンピュートマシンセットをリスト表示するには、次のコマンドを実行します。

      $ oc get machinesets -n openshift-machine-api

      出力例

      NAME                                DESIRED   CURRENT   READY   AVAILABLE   AGE
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1a   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1b   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1c   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1d   0         0                             55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1e   0         0                             55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1f   0         0                             55m

    2. 特定のコンピュートマシンセットカスタムリソース (CR) 値を表示するには、以下のコマンドを実行します。

      $ oc get machineset <machineset_name> \
        -n openshift-machine-api -o yaml

      出力例

      apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
      kind: MachineSet
      metadata:
        labels:
          machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1
        name: <infrastructure_id>-<role> 2
        namespace: openshift-machine-api
      spec:
        replicas: 1
        selector:
          matchLabels:
            machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id>
            machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>
        template:
          metadata:
            labels:
              machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id>
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role>
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role>
              machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>
          spec:
            providerSpec: 3
              ...

      1
      クラスターインフラストラクチャー ID。
      2
      デフォルトのノードラベル。
      注記

      user-provisioned infrastructure を持つクラスターの場合、コンピュートマシンセットは worker および infra タイプのマシンのみを作成できます。

      3
      コンピュートマシンセット CR の <providerSpec> セクションの値は、プラットフォーム固有です。CR の <providerSpec> パラメーターの詳細は、プロバイダーのサンプルコンピュートマシンセット CR 設定を参照してください。
  3. 次のコマンドを実行して MachineSet CR を作成します。

    $ oc create -f <file_name>.yaml

検証

  • 次のコマンドを実行して、コンピュートマシンセットのリストを表示します。

    $ oc get machineset -n openshift-machine-api

    出力例

    NAME                                DESIRED   CURRENT   READY   AVAILABLE   AGE
    agl030519-vplxk-infra-us-east-1a    1         1         1       1           11m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1a   1         1         1       1           55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1b   1         1         1       1           55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1c   1         1         1       1           55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1d   0         0                             55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1e   0         0                             55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1f   0         0                             55m

    新しいコンピュートマシンセットが利用可能になると、DESIREDCURRENT の値が一致します。コンピュートマシンセットが使用できない場合は、数分待ってからコマンドを再実行してください。

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