第9章 アプリケーションの移行
Migration Toolkit for Containers (MTC) の Web コンソールまたは コマンドライン でアプリケーションを移行できます。
ほとんどのクラスタースコープのリソースは MTC で処理されません。アプリケーションがクラスタースコープのリソースを必要とする場合、ターゲットクラスターでそれらを手動で作成する必要がある場合があります。
段階移行とカットオーバー移行を使用して、クラスター間でアプリケーションを移行することができます。
- Stage 移行は、アプリケーションを停止せずにデータをソースクラスターからターゲットクラスターにコピーします。ステージ移行を複数回実行すると、カットオーバー移行の期間を短縮できます。
 - Cutover 移行はソースクラスターのトランザクションを停止し、リソースをターゲットクラスターに移動します。
 
状態の移行を使用して、アプリケーションの状態を移行できます。
- 状態の移行は、選択した永続ボリューム要求 (PVC) をコピーします。
 - 状態の移行を使用して、同じクラスター内の namespace を移行できます。
 
移行中、MTC は次の namespace アノテーションを保持します。
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openshift.io/sa.scc.mcs - 
					
openshift.io/sa.scc.supplemental-groups openshift.io/sa.scc.uid-rangeこれらのアノテーションは UID 範囲を保持し、コンテナーがターゲットクラスターのファイルシステムのパーミッションを保持できるようにします。移行された UID が、ターゲットクラスターの既存の namespace または今後の namespace 内の UID を重複させるリスクがあります。
9.1. 移行の前提条件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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cluster-admin権限を持つユーザーとしてすべてのクラスターにログインしている必要があります。 
イメージの直接移行
- ソースクラスターのセキュアな OpenShift イメージレジストリーが公開されていることを確認する必要があります。
 - 公開されるレジストリーへのルートを作成しておく必要があります。
 
ボリュームの直接移行
- クラスターがプロキシーを使用する場合に Stunnel TCP プロキシーを設定している必要があります。
 
クラスター
- ソースクラスターは、最新の z-stream リリースにアップグレードされる必要があります。
 - MTC のバージョンは、すべてのクラスターで同一である必要があります。
 
ネットワーク
- クラスターには、レプリケーションリポジトリーに対して、また各クラスター間で無制限のネットワークアクセスが必要です。
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moveを使用して永続ボリュームをコピーする場合、クラスターにはリモートボリュームへの無制限のネットワークアクセスが必要です。 OpenShift Container Platform 4 クラスターで以下のポートを有効にする必要があります。
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6443(API サーバー) - 
								
443(ルート) - 
								
53(DNS) 
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						TLS を使用している場合は、レプリケーションリポジトリーでポート 
443を有効にする必要があります。 
永続ボリューム (PV)
- PV は有効である必要があります。
 - PV は永続ボリューム要求にバインドされる必要があります。
 スナップショットを使用して PV をコピーする場合には、以下の前提条件が追加されます。
- クラウドプロバイダーはスナップショットをサポートしている必要があります。
 - PV に同じクラウドプロバイダーがなければなりません。
 - PV は同じ地理的リージョンにある必要があります。
 - PV には同じストレージクラスがなければなりません。