15.4. インストールの準備


ノードを Wavelength Zone に拡張する前に、クラスターのインストール環境用に特定のリソースを準備する必要があります。

15.4.1. クラスターインストールの最小リソース要件

それぞれのクラスターマシンは、以下の最小要件を満たしている必要があります。

表15.1 最小リソース要件
マシンオペレーティングシステムvCPU [1]仮想 RAMストレージ1 秒あたりの入出力 (IOPS) [2]

ブートストラップ

RHCOS

4

16 GB

100 GB

300

コントロールプレーン

RHCOS

4

16 GB

100 GB

300

Compute

RHCOS、RHEL 8.6 以降 [3]

2

8 GB

100 GB

300

  1. 1 vCPU は、同時マルチスレッド (SMT) またはハイパースレッディングが有効にされていない場合に 1 つの物理コアと同等です。これが有効にされている場合、数式「(コアごとのスレッド × コア数) × ソケット数 = 仮想 CPU」を使用して対応する比率を計算します。
  2. OpenShift Container Platform および Kubernetes はディスクのパフォーマンスに敏感であり、特に 10 ms p99 fsync 期間を必要とするコントロールプレーンノード上の etcd には、高速ストレージが推奨されます。多くのクラウドプラットフォームでは、ストレージサイズと IOPS スケールが一緒にあるため、十分なパフォーマンスを得るためにストレージボリュームの割り当てが必要になる場合があります。
  3. すべての user-provisioned installation と同様に、クラスターで RHEL コンピュートマシンの使用を選択する場合は、システム更新の実行、パッチの適用、その他すべての必要なタスクの完了など、オペレーティングシステムのライフサイクルの管理と保守をすべて担当します。RHEL 7 コンピュートマシンの使用は非推奨となり、OpenShift Container Platform 4.10 以降で削除されています。
注記

OpenShift Container Platform バージョン 4.13 の時点で、RHCOS は RHEL バージョン 9.2 に基づいており、マイクロアーキテクチャーの要件を更新します。次のリストには、各アーキテクチャーに必要な最小限の命令セットアーキテクチャー (ISA) が含まれています。

  • x86-64 アーキテクチャーには x86-64-v2 ISA が必要
  • ARM64 アーキテクチャーには ARMv8.0-A ISA が必要
  • IBM Power アーキテクチャーには Power 9 ISA が必要
  • s390x アーキテクチャーには z14 ISA が必要

詳細は、アーキテクチャー (RHEL ドキュメント) を参照してください。

プラットフォームのインスタンスタイプがクラスターマシンの最小要件を満たす場合、これは OpenShift Container Platform で使用することがサポートされます。

15.4.2. AWS のテスト済みインスタンスタイプ

次の Amazon Web Services (AWS) インスタンスタイプは、AWS Wavelength Zones で使用できることを OpenShift Container Platform でテスト済みです。

注記

AWS インスタンスには、次の表に記載されているマシンタイプを使用してください。表に記載されていないインスタンスタイプを使用する場合は、使用するインスタンスサイズが、「クラスターインストールの最小リソース要件」セクションに記載されている最小リソース要件と一致していることを確認してください。

例15.1 AWS Wavelength Zones で使用できる 64 ビット x86 アーキテクチャーに基づくマシンタイプ

  • r5.*
  • t3.*

関連情報

15.4.3. インストール設定ファイルの作成

インストールプログラムがクラスターをデプロイするために必要なインストール設定ファイルを生成し、カスタマイズします。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得している。
  • Red Hat が公開している付属の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) AMI のある AWS リージョンにクラスターをデプロイしようとしている。カスタム AMI が必要な AWS リージョン (AWS GovCloud リージョンなど) にデプロイする場合は、install-config.yaml ファイルを手動で作成する必要があります。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを作成します。

    1. インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、以下のコマンドを実行します。

      $ ./openshift-install create install-config --dir <installation_directory> 1
      1
      <installation_directory> の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
      重要

      空のディレクトリーを指定します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。

    2. プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。

      1. オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。

        注記

        インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

      2. ターゲットに設定するプラットフォームとして aws を選択します。
      3. AWS プロファイルをコンピューターに保存していない場合、インストールプログラムを実行するように設定したユーザーの AWS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーを入力します。

        注記

        AWS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーは、インストールホストの現行ユーザーのホームディレクトリーの ~/.aws/credentials に保存されます。エクスポートされたプロファイルの認証情報がファイルにない場合は、インストールプログラムにより認証情報の入力が求めるプロンプトが出されます。インストールプログラムに指定する認証情報は、ファイルに保存されます。

      4. クラスターのデプロイ先とする AWS リージョンを選択します。
      5. クラスターに設定した Route 53 サービスのベースドメインを選択します。
      6. クラスターの記述名を入力します。
      7. Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を貼り付けます。
  2. オプション: install-config.yaml ファイルをバックアップします。

    重要

    install-config.yaml ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。

15.4.4. エッジコンピュートプールを含むインストール設定ファイルの例

次の例は、エッジマシンプール設定を含む install-config.yaml ファイルを示しています。

カスタムインスタンスタイプのエッジプールを使用する設定

apiVersion: v1
baseDomain: devcluster.openshift.com
metadata:
  name: ipi-edgezone
compute:
- name: edge
  platform:
    aws:
      type: r5.2xlarge
platform:
  aws:
    region: us-west-2
pullSecret: '{"auths": ...}'
sshKey: ssh-ed25519 AAAA...

インスタンスのタイプは場所によって異なります。クラスターを実行する Wavelength Zones で利用可能かどうかを確認するには、AWS のドキュメントを参照してください。

カスタムセキュリティーグループを持つエッジプールを使用する設定

apiVersion: v1
baseDomain: devcluster.openshift.com
metadata:
  name: ipi-edgezone
compute:
- name: edge
  platform:
    aws:
      additionalSecurityGroupIDs:
        - sg-1 1
        - sg-2
platform:
  aws:
    region: us-west-2
pullSecret: '{"auths": ...}'
sshKey: ssh-ed25519 AAAA...

1
Amazon EC2 コンソールに表示されるセキュリティーグループの名前を指定します。必ず sg 接頭辞を含めてください。
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