第10章 サービスアカウントの概要および作成
10.1. サービスアカウントの概要
サービスアカウントは、コンポーネントが API に直接アクセスできるようにする OpenShift Container Platform アカウントです。サービスアカウントは各プロジェクトに存在する API オブジェクトです。サービスアカウントは、通常ユーザーの認証情報を共有せずに API アクセスを制御する柔軟な方法を提供します。
OpenShift Container Platform CLI または Web コンソールを使用する場合、API トークンは API に対する認証を行います。コンポーネントをサービスアカウントに関連付け、通常ユーザーの認証情報を使用せずにそれらが API にアクセスできるようにします。
たとえば、サービスアカウントにより、以下が可能になります。
- レプリケーションコントローラーによる、Pod を作成または削除するための API 呼び出しの実行。
- コンテナー内のアプリケーションによる、検出目的での API 呼び出しの実行。
- 外部アプリケーションによる、モニターまたは統合目的での API 呼び出しの実行。
各サービスアカウントのユーザー名は、そのプロジェクトおよび名前から派生します。
system:serviceaccount:<project>:<name>
すべてのサービスアカウントは 2 つのグループのメンバーでもあります。
グループ | 説明 |
---|---|
system:serviceaccounts | システムのすべてのサービスアカウントが含まれます。 |
system:serviceaccounts:<project> | 指定されたプロジェクトのすべてのサービスアカウントが含まれます。 |
10.1.1. 自動的に生成されたイメージプルシークレット
OpenShift Container Platform は、デフォルトで各サービスアカウントに対してイメージプルシークレットを作成します。
OpenShift Container Platform 4.16 より前では、作成されたサービスアカウントごとに、長期間有効なサービスアカウント API トークンシークレットも生成されていました。OpenShift Container Platform 4.16 以降では、このサービスアカウント API トークンシークレットは作成されません。
4.17 にアップグレードした後も、既存の長期有効サービスアカウント API トークンシークレットは削除されず、引き続き機能します。クラスターで使用されている長期有効 API トークンを検出する方法、または不要な場合に削除する方法は、Red Hat ナレッジベースの記事 Long-lived service account API tokens in OpenShift Container Platform を参照してください。
このイメージプルシークレットは、OpenShift イメージレジストリーをクラスターのユーザー認証および認可システムに統合するために必要です。
ただし、ImageRegistry
機能を有効にしていない場合、または Cluster Image Registry Operator の設定で統合済みの OpenShift イメージレジストリーを無効にしている場合、イメージプルシークレットはサービスアカウントごとに生成されません。
統合済みの OpenShift イメージレジストリーを有効にしていたクラスターでそれを無効にすると、以前に生成されたイメージプルシークレットが自動的に削除されます。