3.2. Azure でのクラスターのインストール


デフォルトの設定オプションを使用するクラスターを Microsoft Azure にインストールできます。

3.2.1. クラスターのデプロイ

互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。

重要

インストールプログラムの create cluster コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。

前提条件

  • クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを設定しました。
  • OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットがある。
  • Azure サブスクリプション ID とテナント ID がある。
  • サービスプリンシパルのアプリケーション ID とパスワードがある。

手順

  1. オプション: 以前にこのコンピューターでインストールプログラムを実行したことがあり、代替のサービスプリンシパルを使用する場合は、~/.azure/ ディレクトリーに移動して、osServicePrincipal.json 設定ファイルを削除します。

    このファイルを削除すると、インストールプログラムが以前のインストールのサブスクリプション値と認証値を自動的に再利用できなくなります。

  2. インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、クラスターのデプロイメントを初期化します。

    $ ./openshift-install create cluster --dir <installation_directory> \ 1
        --log-level=info 2
    1
    <installation_directory> の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。
    2
    異なるインストールの詳細情報を表示するには、info ではなく、warndebug、または error を指定します。

    ディレクトリーを指定する場合:

    • ディレクトリーに execute 権限があることを確認します。この権限は、インストールディレクトリーで Terraform バイナリーを実行するために必要です。
    • 空のディレクトリーを使用します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットは有効期限が短いため、インストールディレクトリーを再利用しないでください。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
  3. プロンプト時に値を指定します。

    1. オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。

      注記

      インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

    2. ターゲットに設定するプラットフォームとして azure を選択します。

      インストールプログラムが以前のインストールの osServicePrincipal.json 設定ファイルを見つけることができない場合は、Azure サブスクリプションと認証の値の入力を求められます。

    3. サブスクリプションとサービスプリンシパルに対して次の Azure パラメーター値を指定します。

      • azure subscription id: クラスターに使用するサブスクリプション ID を入力します。
      • azure tenant id: テナント ID を入力します。
      • azure サービスプリンシパルクライアント ID: アプリケーション ID を入力します。
      • azure サービスプリンシパルクライアントシークレット: パスワードを入力します。
    4. クラスターをデプロイするリージョンを選択します。
    5. クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。ベースドメインは、クラスターに作成した Azure DNS ゾーンに対応します。
    6. クラスターの記述名を入力します。

      重要

      パブリックエンドポイントで利用可能なすべての Azure リソースはリソース名の制限を受けるため、特定の用語を使用するリソースを作成することはできません。Azure が制限する用語のリストは、Azure ドキュメントの 予約されたリソース名のエラーを解決する を参照してください。

    7. Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を貼り付けます。

以前に検出されなかった場合は、インストールプログラムが osServicePrincipal.json 設定ファイルを作成し、このファイルをコンピューターの ~/.azure/ ディレクトリーに保存します。これにより、インストールプログラムがターゲットプラットフォーム上で OpenShift Container Platform クラスターを作成するときにプロファイルをロードできるようになります。

検証

クラスターのデプロイが正常に完了すると、次のようになります。

  • ターミナルには、Web コンソールへのリンクや kubeadmin ユーザーの認証情報など、クラスターにアクセスするための指示が表示されます。
  • 認証情報は <installation_directory>/.openshift_install.log にも出力されます。
重要

インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。

出力例

...
INFO Install complete!
INFO To access the cluster as the system:admin user when using 'oc', run 'export KUBECONFIG=/home/myuser/install_dir/auth/kubeconfig'
INFO Access the OpenShift web-console here: https://console-openshift-console.apps.mycluster.example.com
INFO Login to the console with user: "kubeadmin", and password: "password"
INFO Time elapsed: 36m22s

重要
  • インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー に関するドキュメントを参照してください。
  • 24 時間証明書はクラスターのインストール後 16 時間から 22 時間にローテーションするため、Ignition 設定ファイルは、生成後 12 時間以内に使用することを推奨します。12 時間以内に Ignition 設定ファイルを使用することにより、インストール中に証明書の更新が実行された場合のインストールの失敗を回避できます。

3.2.2. CLI の使用によるクラスターへのログイン

クラスター kubeconfig ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターに関する情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしていること。
  • oc CLI をインストールしていること。

手順

  1. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
  2. エクスポートされた設定を使用して、oc コマンドを正常に実行できることを確認します。

    $ oc whoami

    出力例

    system:admin

関連情報

3.2.3. 次のステップ

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