第2章 OVN-Kubernetes のアーキテクチャー


2.1. OVN-Kubernetes のアーキテクチャーの紹介

次の図は、OVN-Kubernetes のアーキテクチャーを示しています。

図2.1 OVK-Kubernetes のアーキテクチャー

主なコンポーネントは次のとおりです。

  • Cloud Management System (CMS) - OVN 統合用の CMS 固有のプラグインを提供する OVN 用のプラットフォーム固有のクライアント。このプラグインは、CMS 固有の形式で CMS 設定データベースに格納されているクラウド管理システムの論理ネットワーク設定の概念を、OVN が理解できる中間表現に変換します。
  • OVN ノースバウンドデータベース (nbdb) コンテナー - CMS プラグインによって渡された論理ネットワーク設定を格納します。
  • OVN サウスバウンドデータベース (sbdb) コンテナー - 各ノードの Open vSwitch (OVS) システムの物理および論理ネットワーク設定状態を、それらをバインドするテーブルを含めて格納します。
  • OVN North デーモン (ovn-northd) - これは、nbdb コンテナーと sbdb コンテナーの間の仲介クライアントです。これは、論理ネットワーク設定を、nbdb コンテナーから取得した従来のネットワーク概念の観点から、その下の sbdb コンテナーの論理データパスフローに変換します。ovn-northd デーモンのコンテナー名は Northd で、ovnkube-node Pod 内で実行されます。
  • ovn-controller - sbdb コンテナーに必要な情報または更新のために、OVS およびハイパーバイザーと対話する OVN エージェントです。ovn-controllersbdb コンテナーから論理フローを読み取り、それらを OpenFlow フローに変換して、ノードの OVS デーモンに送信します。コンテナー名は ovn-controller で、ovnkube-node Pod で実行されます。

OVN Northd、ノースバウンドデータベース、およびサウスバウンドデータベースはクラスター内の各ノードで実行され、主にそのノードにローカルな情報を格納して処理します。

OVN ノースバウンドデータベースには、クラウド管理システム (CMS) によって渡された論理ネットワーク設定があります。OVN ノースバウンドデータベースには、ネットワークの現在の望ましい状態が含まれており、論理ポート、論理スイッチ、論理ルーターなどのコレクションとして提示されます。ovn-northd (northd コンテナー) は、OVN ノースバウンドデータベースと OVN サウスバウンドデータベースに接続します。これは、論理ネットワーク設定を、OVN ノースバウンドデータベースから取得した従来のネットワーク概念の観点から、OVN サウスバウンドデータベースの論理データパスフローに変換します。

OVN サウスバウンドデータベースには、ネットワークの物理的および論理的表現と、それらをリンクするバインディングテーブルがあります。これには、ノードのシャーシ情報と、クラスター内の他のノードに接続するために必要なリモート中継スイッチポートなどの他の設定要素が含まれます。OVN サウスバウンドデータベースには、すべてのロジックフローも含まれています。このロジックフローは、各ノードで実行される ovn-controller プロセスと共有され、ovn-controller はそれらを Open vSwitch (OVS) をプログラムする OpenFlow ルールに変換します。

Kubernetes コントロールプレーンノードでは、別々のノードに 2 つの ovnkube-control-plane Pod が含まれています。これらの Pod は、クラスター内の各ノードに一元的な IP アドレス管理 (IPAM) 割り当てを実行します。どの時点でも、1 つの ovnkube-control-plane Pod がリーダーです。

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