第10章 IBM Cloud のインストール設定パラメーター
OpenShift Container Platform クラスターを IBM Cloud® にデプロイする前に、クラスターとそれをホストするプラットフォームをカスタマイズするパラメーターを指定します。install-config.yaml
ファイルを作成するときは、コマンドラインを使用して必要なパラメーターの値を指定します。その後、install-config.yaml
ファイルを変更して、クラスターをさらにカスタマイズできます。
10.1. IBM Cloud で使用可能なインストール設定パラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
次の表では、インストールプロセスの一部として設定できる、必須、オプション、および IBM Cloud 固有のインストール設定パラメーターを指定します。
インストール後は、これらのパラメーターを install-config.yaml
ファイルで変更することはできません。
10.1.1. 必須設定パラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
必須のインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
apiVersion:
|
| 文字列 |
baseDomain:
|
クラウドプロバイダーのベースドメイン。ベースドメインは、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、 |
|
metadata:
|
Kubernetes リソース | オブジェクト |
metadata: name:
|
クラスターの名前。クラスターの DNS レコードはすべて |
|
platform:
|
インストールを実行する特定のプラットフォームの設定: | オブジェクト |
pullSecret:
| Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を取得して、Quay.io などのサービスから OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージをダウンロードすることを認証します。 |
|
10.1.2. ネットワーク設定パラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
既存のネットワークインフラストラクチャーの要件に基づいて、インストール設定をカスタマイズできます。たとえば、クラスターネットワークの IP アドレスブロックを拡張するか、デフォルトとは異なる IP アドレスブロックを指定できます。
IPv4 アドレスのみがサポートされます。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
networking:
| クラスターのネットワークの設定。 | オブジェクト 注記
インストール後に |
networking: networkType:
| インストールする Red Hat OpenShift Networking ネットワークプラグイン。 |
|
networking: clusterNetwork:
| Pod の IP アドレスブロック。
デフォルト値は 複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。 | オブジェクトの配列。以下に例を示します。 networking: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23
|
networking: clusterNetwork: cidr:
|
IPv4 ネットワーク |
CIDR (Classless Inter-Domain Routing) 表記の IP アドレスブロック。IPv4 ブロックの接頭辞長は |
networking: clusterNetwork: hostPrefix:
|
それぞれの個別ノードに割り当てるサブネット接頭辞長。たとえば、 | サブネット接頭辞。
デフォルト値は |
networking: serviceNetwork:
|
サービスの IP アドレスブロック。デフォルト値は OVN-Kubernetes ネットワークプラグインは、サービスネットワークに対して単一の IP アドレスブロックのみをサポートします。 | CIDR 形式の IP アドレスブロックを持つ配列。以下に例を示します。 networking: serviceNetwork: - 172.30.0.0/16
|
networking: machineNetwork:
| マシンの IP アドレスブロック。 複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。 | オブジェクトの配列。以下に例を示します。 networking: machineNetwork: - cidr: 10.0.0.0/16
|
networking: machineNetwork: cidr:
|
| CIDR 表記の IP ネットワークブロック。
例: 注記
優先される NIC が置かれている CIDR に一致する |
10.1.3. オプションの設定パラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
オプションのインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
additionalTrustBundle:
| ノードの信頼済み証明書ストアに追加される PEM でエンコードされた X.509 証明書バンドル。この信頼バンドルは、プロキシーが設定される際にも使用できます。 | 文字列 |
capabilities:
| オプションのコアクラスターコンポーネントのインストールを制御します。オプションのコンポーネントを無効にすることで、OpenShift Container Platform クラスターのフットプリントを削減できます。詳細は、インストール の「クラスター機能ページ」を参照してください。 | 文字列配列 |
capabilities: baselineCapabilitySet:
|
有効にするオプション機能の初期セットを選択します。有効な値は | 文字列 |
capabilities: additionalEnabledCapabilities:
|
オプションの機能のセットを、 | 文字列配列 |
cpuPartitioningMode:
| ワークロードパーティション設定を使用して、OpenShift Container Platform サービス、クラスター管理ワークロード、およびインフラストラクチャー Pod を分離し、予約された CPU セットで実行できます。ワークロードパーティショニングはインストール中にのみ有効にすることができ、インストール後に無効にすることはできません。このフィールドはワークロードのパーティショニングを有効にしますが、特定の CPU を使用するようにワークロードを設定するわけではありません。詳細は、スケーラビリティとパフォーマンス セクションの ワークロードパーティショニング ページを参照してください。 |
|
compute:
| コンピュートノードを構成するマシンの設定。 |
|
compute: architecture:
|
プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は | 文字列 |
compute: hyperthreading:
|
コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは 重要 同時マルチスレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
compute: name:
|
|
|
compute: platform:
|
|
|
compute: replicas:
| プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。 |
|
featureSet:
| 機能セットのクラスターを有効にします。機能セットは、デフォルトで有効にされない OpenShift Container Platform 機能のコレクションです。インストール中に機能セットを有効にする方法の詳細は、「機能ゲートの使用による各種機能の有効化」を参照してください。 |
文字列。 |
controlPlane:
| コントロールプレーンを構成するマシンの設定。 |
|
controlPlane: architecture:
|
プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は | 文字列 |
controlPlane: hyperthreading:
|
コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは 重要 同時マルチスレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
controlPlane: name:
|
|
|
controlPlane: platform:
|
|
|
controlPlane: replicas:
| プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。 |
サポートされる値は |
credentialsMode:
| Cloud Credential Operator (CCO) モード。モードを指定しないと、CCO は指定された認証情報の機能を動的に判別しようとします。この場合、複数のモードがサポートされるプラットフォームで Mint モードが優先されます。 注記 すべてのクラウドプロバイダーですべての CCO モードがサポートされているわけではありません。CCO モードの詳細は、認証と認可 コンテンツの「クラウドプロバイダーの認証情報の管理」を参照してください。 |
|
fips:
|
FIPS モードを有効または無効にします。デフォルトは 重要 クラスターで FIPS モードを有効にするには、FIPS モードで動作するように設定された Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピューターからインストールプログラムを実行する必要があります。RHEL で FIPS モードを設定する方法の詳細は、RHEL から FIPS モードへの切り替え を参照してください。 FIPS モードでブートされた Red Hat Enterprise Linux (RHEL) または Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する場合、OpenShift Container Platform コアコンポーネントは、x86_64、ppc64le、および s390x アーキテクチャーのみで、FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用します。 注記 Azure File ストレージを使用している場合、FIPS モードを有効にすることはできません。 |
|
imageContentSources:
| release-image コンテンツのソースおよびリポジトリー。 |
オブジェクトの配列。この表の以下の行で説明されているように、 |
imageContentSources: source:
|
| 文字列 |
imageContentSources: mirrors:
| 同じイメージが含まれる可能性のあるリポジトリーを 1 つ以上指定します。 | 文字列の配列。 |
publish:
| Kubernetes API、OpenShift ルートなどのクラスターのユーザーに表示されるエンドポイントをパブリッシュまたは公開する方法。 |
|
sshKey:
| クラスターマシンへのアクセスを認証するための SSH キー。 注記
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、 |
たとえば、 |
10.1.4. 追加の IBM Cloud 設定パラメーター リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
追加の IBM Cloud® 設定パラメーターについて、以下の表で説明します。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
controlPlane: platform: ibmcloud: bootVolume: encryptionKey:
| IBM® Key Protect for IBM Cloud® (Key Protect) のルート鍵。コントロールプレーンマシンのルート (ブート) ボリュームの暗号化にのみ使用します。 | ルート鍵の Cloud Resource Name (CRN)。 CRN は引用符 ("") で囲む必要があります。 |
compute: platform: ibmcloud: bootVolume: encryptionKey:
| Key Protect ルート鍵。コンピュートマシンのみのルート (ブート) ボリュームの暗号化にのみ使用します。 | ルート鍵の CRN。 CRN は引用符 ("") で囲む必要があります。 |
platform: ibmcloud: defaultMachinePlatform: bootvolume: encryptionKey:
| Key Protect ルート鍵。クラスターのマシンすべてのルート (ブート) ボリュームの暗号化に使用します。 デフォルトのマシン設定の一部として指定されると、すべてのマネージドストレージクラスがこの鍵で更新されます。そのため、インストール後にプロビジョニングされるデータボリュームもこの鍵を使用して暗号化されます。 | ルート鍵の CRN。 CRN は引用符 ("") で囲む必要があります。 |
platform: ibmcloud: resourceGroupName:
|
既存のリソースグループの名前。デフォルトでは、installer-provisioned VPC およびクラスターリソースは、このリソースグループに配置されます。指定しない場合、インストールプログラムはクラスターのリソースグループを作成します。クラスターを既存の VPC にデプロイする場合、installer-provisioned クラスターリソースは、このリソースグループに配置されます。指定しない場合、インストールプログラムはクラスターのリソースグループを作成します。プロビジョニングした VPC リソースは、 |
文字列 (例: |
platform: ibmcloud: serviceEndpoints: - name: url:
| サービスエンドポイント名と URI のリスト。 デフォルトでは、インストールプログラムとクラスターコンポーネントはパブリックサービスエンドポイントを使用して、必要な IBM Cloud® サービスにアクセスします。 ネットワーク制限によってパブリックサービスエンドポイントへのアクセスが制限されている場合は、代替サービスエンドポイントを指定してデフォルトの動作をオーバーライドできます。 次の各サービスに、代替サービスエンドポイントを 1 つだけ指定できます。
| 有効なサービスエンドポイント名と完全修飾 URI。 有効な名前は次のとおりです。
|
platform: ibmcloud: networkResourceGroupName:
| 既存のリソースグループの名前。このリソースには、クラスターがデプロイされる既存の VPC とサブネットが含まれています。このパラメーターは、プロビジョニングした VPC にクラスターをデプロイする際に必要です。 |
文字列 (例: |
platform: ibmcloud: dedicatedHosts: profile:
|
作成する新しい専用ホスト。 |
|
platform: ibmcloud: dedicatedHosts: name:
|
既存の専用ホスト。 |
文字列、たとえば |
platform: ibmcloud: type:
| すべての IBM Cloud® マシンのインスタンスタイプ。 |
|
platform: ibmcloud: vpcName:
| クラスターをデプロイする既存 VPC の名前。 | 文字列。 |
platform: ibmcloud: controlPlaneSubnets:
| コントロールプレーンマシンをデプロイする VPC の既存サブネットの名前。各アベイラビリティーゾーンのサブネットを指定します。 | 文字列配列 |
platform: ibmcloud: computeSubnets:
| コンピュートマシンをデプロイする VPC の既存サブネットの名前。各アベイラビリティーゾーンのサブネットを指定します。サブネット ID はサポートされていません。 | 文字列配列 |
- 既存のリソースグループを定義するか、インストーラーが作成するかによって、クラスターがアンインストールされたときにリソースグループがどのように扱われるかが決まります。リソースグループを定義すると、インストーラーはインストーラーがプロビジョニングしたすべてのリソースを削除しますが、リソースグループはそのままにします。インストールの一部としてリソースグループが作成された場合、インストーラーは、インストーラーがプロビジョニングしたすべてのリソースとリソースグループを削除します。
- 自身のニーズに最適なプロファイルを判別するには、IBM® ドキュメントの Instance Profiles を参照してください。