3.3. AWS 上でマルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含むクラスターを作成する
マルチアーキテクチャーのコンピューティングマシンを含む AWS クラスターを作成するには、まずマルチアーキテクチャーインストーラーバイナリーを使用して、単一アーキテクチャーの AWS インストーラーによってプロビジョニングされたクラスターを作成する必要があります。AWS インストールの詳細は、カスタマイズを使用した AWS へのクラスターのインストール を参照してください。
シングルアーキテクチャーのコンピュートマシンを持つ現在のクラスターを、マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを持つクラスターに移行することもできます。詳細は、マルチアーキテクチャーのコンピュートマシンを備えたクラスターへの移行 を参照してください。
マルチアーキテクチャークラスターを作成した後、異なるアーキテクチャーのノードをクラスターに追加できます。
3.3.1. クラスターの互換性の確認
異なるアーキテクチャーのコンピュートノードをクラスターに追加する前に、クラスターがマルチアーキテクチャー互換であることを確認する必要があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 次のコマンドを実行すると、クラスターがアーキテクチャーペイロードを使用していることを確認できます。
$ oc adm release info -o jsonpath="{ .metadata.metadata}"
検証
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用しています。
{ "release.openshift.io/architecture": "multi", "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
その後、クラスターへのマルチアーキテクチャーコンピュートノードの追加を開始できます。
次の出力が表示された場合、クラスターはマルチアーキテクチャーペイロードを使用していません。
{ "url": "https://access.redhat.com/errata/<errata_version>" }
重要クラスターを、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンをサポートするクラスターに移行するには、マルチアーキテクチャーコンピュートマシンを含むクラスターへの移行 の手順に従ってください。
3.3.2. AWS クラスターにマルチアーキテクチャーコンピュートマシンセットを追加する
マルチアーキテクチャークラスターを作成した後、異なるアーキテクチャーのノードを追加できます。
マルチアーキテクチャーコンピュートマシンをマルチアーキテクチャークラスターに追加する方法には、次のものがあります。
- 64 ビット ARM コントロールプレーンマシンを使用し、すでに 64 ビット ARM コンピュートマシンが含まれているクラスターに 64 ビット x86 コンピュートマシンを追加します。この場合、64 ビット x86 がセカンダリーアーキテクチャーと見なされます。
- 64 ビット x86 コントロールプレーンマシンを使用し、すでに 64 ビット x86 コンピュートマシンが含まれているクラスターに 64 ビット ARM コンピュートマシンを追加します。この場合、64 ビット ARM がセカンダリーアーキテクチャーと見なされます。
セカンダリーアーキテクチャーノードをクラスターに追加する前に、Multiarch Tuning Operator をインストールし、ClusterPodPlacementConfig
カスタムリソースをデプロイすることを推奨します。詳細は、「Multiarch Tuning Operator を使用してマルチアーキテクチャークラスター上のワークロードを管理する」を参照してください。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - インストールプログラムを使用して、マルチアーキテクチャーインストーラーバイナリーを使用する 64 ビット ARM または 64 ビット x86 シングルアーキテクチャー AWS クラスターを作成した。
手順
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OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 YAML ファイルを作成し、設定を追加して、クラスター内の 64 ビット ARM または 64 ビット x86 コンピュートノードを制御するコンピュートマシンセットを作成します。
AWS の 64 ビット ARM または x86 コンピュートノードの
MachineSet
オブジェクトの例apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1 kind: MachineSet metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1 name: <infrastructure_id>-aws-machine-set-0 2 namespace: openshift-machine-api spec: replicas: 1 selector: matchLabels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 3 machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>-<zone> 4 template: metadata: labels: machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 5 machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> 6 machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>-<zone> 7 spec: metadata: labels: node-role.kubernetes.io/<role>: "" providerSpec: value: ami: id: ami-02a574449d4f4d280 8 apiVersion: awsproviderconfig.openshift.io/v1beta1 blockDevices: - ebs: iops: 0 volumeSize: 120 volumeType: gp2 credentialsSecret: name: aws-cloud-credentials deviceIndex: 0 iamInstanceProfile: id: <infrastructure_id>-worker-profile 9 instanceType: m6g.xlarge 10 kind: AWSMachineProviderConfig placement: availabilityZone: us-east-1a 11 region: <region> 12 securityGroups: - filters: - name: tag:Name values: - <infrastructure_id>-worker-sg 13 subnet: filters: - name: tag:Name values: - <infrastructure_id>-private-<zone> tags: - name: kubernetes.io/cluster/<infrastructure_id> 14 value: owned - name: <custom_tag_name> value: <custom_tag_value> userDataSecret: name: worker-user-data
- 1 2 3 9 13 14
- クラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID を基にするインフラストラクチャー ID を指定します。OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。$ oc get -o jsonpath=‘{.status.infrastructureName}{“\n”}’ infrastructure cluster
- 4 7
- インフラストラクチャー ID、ロールノードラベル、およびゾーンを指定します。
- 5 6
- 追加するロールノードラベルを指定します。
- 8
- ノードの AWS ゾーンに Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) Amazon Machine Image (AMI) を指定します。RHCOS AMI はマシンのアーキテクチャーと互換性がある必要があります。
$ oc get configmap/coreos-bootimages \ -n openshift-machine-config-operator \ -o jsonpath='{.data.stream}' | jq \ -r '.architectures.<arch>.images.aws.regions."<region>".image'
- 10
- 選択した AMI の CPU アーキテクチャーに合ったマシンタイプを指定します。詳細は、「AWS 64 ビット ARM のテスト済みインスタンスタイプ」を参照してください。
- 11
- ゾーンを指定します。たとえば、
us-east-1a
です。選択したゾーンに必要なアーキテクチャーを備えたマシンがあることを確認してください。 - 12
- リージョンを指定します。たとえば、
us-east-1
などです。選択したゾーンに必要なアーキテクチャーを備えたマシンがあることを確認してください。
次のコマンドを実行してコンピュートマシンセットを作成します。
$ oc create -f <file_name> 1
- 1
<file_name>
は、コンピュートマシン設定を含む YAML ファイルの名前に置き換えます。たとえば、aws-arm64-machine-set-0.yaml
、またはaws-amd64-machine-set-0.yaml
です。
検証
次のコマンドを実行して、コンピュートマシンセットのリストを表示します。
$ oc get machineset -n openshift-machine-api
出力に、作成したマシンセットが含まれている必要があります。
出力例
NAME DESIRED CURRENT READY AVAILABLE AGE <infrastructure_id>-aws-machine-set-0 2 2 2 2 10m
次のコマンドを実行すると、ノードが準備完了状態でスケジュール可能かどうかを確認できます。
$ oc get nodes