第16章 ネットワークフローの追跡


クラスター管理者は、以下の領域をサポートする、クラスターからの Pod ネットワークフローに関する情報を収集できます。

  • Pod ネットワークで Ingress および Egress トラフィックをモニターします。
  • パフォーマンスに関する問題のトラブルシューティング
  • 容量計画およびセキュリティー監査に関するデータを収集します。

ネットワークフローのコレクションを有効にすると、トラフィックに関するメタデータのみが収集されます。たとえば、パケットデータは収集されませんが、プロトコル、ソースアドレス、宛先アドレス、ポート番号、バイト数、その他のパケットレベルの情報を収集します。

データは、以下の 1 つ以上のレコード形式で収集されます。

  • NetFlow
  • sFlow
  • IPFIX

1 つ以上のコレクター IP アドレスおよびポート番号を使用して Cluster Network Operator (CNO) を設定する場合、Operator は各ノードで Open vSwitch (OVS) を設定し、ネットワークフローレコードを各コレクターに送信します。

Operator を、複数のネットワークフローコレクターにレコードを送信するように設定できます。たとえば、レコードを NetFlow コレクターに送信し、レコードを sFlow コレクターに送信することもできます。

OVS がデータをコレクターに送信すると、それぞれのタイプのコレクターは同一レコードを受け取ります。たとえば、2 つの NetFlow コレクターを設定すると、ノード上の OVS は同じレコードを 2 つのコレクターに送信します。また、2 つの sFlow コレクターを設定した場合には、2 つの sFlow コレクターが同じレコードを受け取ります。ただし、各コレクタータイプには固有のレコード形式があります。

ネットワークフローデータを収集し、レコードをコレクターに送信すると、パフォーマンスに影響があります。ノードは低速でパケットを処理します。パフォーマンスへの影響が大きすぎる場合は、コレクターの宛先を削除し、ネットワークフローデータの収集を無効にしてパフォーマンスを回復できます。

注記

ネットワークフローコレクターを有効にすると、クラスターネットワークの全体的なパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

16.1. ネットワークフローを追跡するためのネットワークオブジェクト設定

Cluster Network Operator (CNO) でネットワークフローコレクターを設定するフィールドを以下の表に示します。

Expand
表16.1 ネットワークフローの設定
フィールド説明

metadata.name

string

CNO オブジェクトの名前。この名前は常に cluster です。

spec.exportNetworkFlows

object

1 つ以上の netFlowsFlow、または ipfix

spec.exportNetworkFlows.netFlow.collectors

array

最大 10 コレクターの IP アドレスとネットワークポートのペアのリスト。

spec.exportNetworkFlows.sFlow.collectors

array

最大 10 コレクターの IP アドレスとネットワークポートのペアのリスト。

spec.exportNetworkFlows.ipfix.collectors

array

最大 10 コレクターの IP アドレスとネットワークポートのペアのリスト。

以下のマニフェストを CNO に適用した後に、Operator は、192.168.1.99:2056 でリッスンする NetFlow コレクターにネットワークフローレコードを送信するようにクラスター内の各ノードで Open vSwitch (OVS) を設定します。

ネットワークフローを追跡するための設定例

apiVersion: operator.openshift.io/v1
kind: Network
metadata:
  name: cluster
spec:
  exportNetworkFlows:
    netFlow:
      collectors:
        - 192.168.1.99:2056
Copy to Clipboard Toggle word wrap

トップに戻る
Red Hat logoGithubredditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。 最新の更新を見る.

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

Theme

© 2025 Red Hat