第4章 クラスター更新のトラブルシューティング


4.1. クラスター更新に関するデータ収集

更新に関する問題について Red Hat サポートに問い合わせる場合は、失敗したクラスター更新のトラブルシューティングに使用するデータをサポートチームに提供してください。

4.1.1. サポートケース用のログデータ収集

クラスターからログデータなどのデータを収集するには、oc adm must-gather コマンドを使用します。クラスターに関するデータの収集 を参照してください。

4.1.2. oc adm upgrade status を使用したクラスターの更新ステータスの収集 (テクノロジープレビュー)

クラスターを更新するときは、更新の進行状況を把握しておくと役立ちます。oc adm upgrade コマンドは更新のステータスに関する限定的な情報を返しますが、このリリースでは oc adm upgrade status コマンドがテクノロジープレビュー機能として導入されています。このコマンドは、oc adm upgrade コマンドからステータス情報を分離し、コントロールプレーンのステータスやワーカーノードの更新など、クラスターの更新に関する特定の情報を提供します。

oc adm upgrade status コマンドは読み取り専用であり、クラスターの状態を変更することはありません。

重要

oc adm upgrade status コマンドはテクノロジープレビューのみの機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

oc adm upgrade status コマンドは、バージョン 4.12 から最新のサポートされているリリースまでのクラスターに使用できます。

重要

クラスターはテクノロジープレビュー対応のクラスターである必要はありませんが、OC_ENABLE_CMD_UPGRADE_STATUS テクノロジープレビュー環境変数を有効にする必要があります。有効にしないと、OpenShift CLI (oc) がコマンドを認識せず、機能を使用できなくなります。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、OC_ENABLE_CMD_UPGRADE_STATUS 環境変数を true に設定します。

    $ export OC_ENABLE_CMD_UPGRADE_STATUS=true
  2. oc adm upgrade status コマンドを実行します。

    $ oc adm upgrade status

    例4.1 更新が正常に進行した場合の出力例

    = Control Plane =
    Assessment:      Progressing
    Target Version:  4.14.1 (from 4.14.0)
    Completion:      97%
    Duration:        54m
    Operator Status: 32 Healthy, 1 Unavailable
    
    Control Plane Nodes
    NAME                                        ASSESSMENT    PHASE      VERSION   EST    MESSAGE
    ip-10-0-53-40.us-east-2.compute.internal    Progressing   Draining   4.14.0    +10m
    ip-10-0-30-217.us-east-2.compute.internal   Outdated      Pending    4.14.0    ?
    ip-10-0-92-180.us-east-2.compute.internal   Outdated      Pending    4.14.0    ?
    
    = Worker Upgrade =
    
    = Worker Pool =
    Worker Pool:     worker
    Assessment:      Progressing
    Completion:      0%
    Worker Status:   3 Total, 2 Available, 1 Progressing, 3 Outdated, 1 Draining, 0 Excluded, 0 Degraded
    
    Worker Pool Nodes
    NAME                                        ASSESSMENT    PHASE      VERSION   EST    MESSAGE
    ip-10-0-4-159.us-east-2.compute.internal    Progressing   Draining   4.14.0    +10m
    ip-10-0-20-162.us-east-2.compute.internal   Outdated      Pending    4.14.0    ?
    ip-10-0-99-40.us-east-2.compute.internal    Outdated      Pending    4.14.0    ?
    
    = Worker Pool =
    Worker Pool:     infra
    Assessment:      Progressing
    Completion:      0%
    Worker Status:   1 Total, 0 Available, 1 Progressing, 1 Outdated, 1 Draining, 0 Excluded, 0 Degraded
    
    Worker Pool Node
    NAME                                             ASSESSMENT    PHASE      VERSION   EST    MESSAGE
    ip-10-0-4-159-infra.us-east-2.compute.internal   Progressing   Draining   4.14.0    +10m
    
    = Update Health =
    SINCE   LEVEL   IMPACT   MESSAGE
    14m4s   Info    None     Update is proceeding well

    この情報を利用して、更新をどのように進めるかについて十分な情報に基づいた決定を下すことができます。

4.1.3. ClusterVersion 履歴の収集

Cluster Version Operator (CVO) は、クラスターに行われた更新を記録します。これは、ClusterVersion 履歴と呼ばれています。そのエントリーにより、クラスター動作の変化と潜在的なトリガーとの相関関係が明らかになりますが、相関関係は因果関係を示すものではありません。

注記

初期、マイナー、および z-stream バージョンの更新は、ClusterVersion 履歴として保存されます。ただし、ClusterVersion 履歴にはサイズ制限があります。制限に達すると、制限に対応するために、以前のマイナーバージョンの最も古い z-stream 更新が削除されます。

ClusterVersion 履歴は、OpenShift Container Platform Web コンソールまたは OpenShift CLI (oc) を使用して表示できます。

4.1.3.1. OpenShift Container Platform Web コンソールで ClusterVersion 履歴を収集する

OpenShift Container Platform Web コンソールで ClusterVersion 履歴を表示できます。

前提条件

  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
  • OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。

手順

  • Web コンソールから、Administration Cluster Settings をクリックし、Details タブの内容を確認します。

4.1.3.2. OpenShift CLI (oc) を使用して ClusterVersion 履歴を収集します。

OpenShift CLI (oc) を使用して、ClusterVersion 履歴を表示できます。

前提条件

  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  1. 以下のコマンドを入力して、クラスターの更新履歴を表示します。

    $ oc describe clusterversions/version

    出力例

      Desired:
        Channels:
          candidate-4.13
          candidate-4.14
          fast-4.13
          fast-4.14
          stable-4.13
        Image:    quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:a148b19231e4634196717c3597001b7d0af91bf3a887c03c444f59d9582864f4
        URL:      https://access.redhat.com/errata/RHSA-2023:6130
        Version:  4.13.19
      History:
        Completion Time:    2023-11-07T20:26:04Z
        Image:              quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:a148b19231e4634196717c3597001b7d0af91bf3a887c03c444f59d9582864f4
        Started Time:       2023-11-07T19:11:36Z
        State:              Completed
        Verified:           true
        Version:            4.13.19
        Completion Time:    2023-10-04T18:53:29Z
        Image:              quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:eac141144d2ecd6cf27d24efe9209358ba516da22becc5f0abc199d25a9cfcec
        Started Time:       2023-10-04T17:26:31Z
        State:              Completed
        Verified:           true
        Version:            4.13.13
        Completion Time:    2023-09-26T14:21:43Z
        Image:              quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:371328736411972e9640a9b24a07be0af16880863e1c1ab8b013f9984b4ef727
        Started Time:       2023-09-26T14:02:33Z
        State:              Completed
        Verified:           false
        Version:            4.13.12
      Observed Generation:  4
      Version Hash:         CMLl3sLq-EA=
    Events:                 <none>

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