1.2. Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.4 のリリースノート


Red Hat OpenShift distributed tracing platform のこのリリースには、Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) と非推奨の Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) が含まれています。

1.2.1. CVE

このリリースでは、以下の CVE が修正されました。

1.2.2. Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo)

Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) 3.4 は、Tempo Operator 0.14.1 を通じて提供されます。

注記

Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) 3.4 は、オープンソースの Grafana Tempo 2.6.1 をベースにしています。

1.2.2.1. 新機能および機能拡張

この更新では、次の機能拡張が導入されています。

  • TempoStack インスタンスの Jaeger UI のモニタータブで、新しいデフォルトのメトリクス namespace として traces.span.metrics が使用されるようになりました。この更新前は、Jaeger UI では空の namespace が使用されていました。新しいデフォルトである traces.span.metrics namespace は、OpenTelemetry Collector 0.113.0 でも使用されます。TempoStack カスタムリソースの spec.template.queryFrontend.monitorTab.redMetricsNamespace: "" フィールドを使用すると、メトリクス namespace に空の値を設定できます。

    警告

    これは、重大な変更です。Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) と Red Hat build of OpenTelemetry の両方を使用している場合は、Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) 3.4 にアップグレードする前に、Red Hat build of OpenTelemetry 3.4 にアップグレードする必要があります。

  • TempoStack および TempoMonolithic カスタムリソース定義の新しいオプションの spec.timeout フィールド。これは、すべてのコンポーネントに対して 1 つのタイムアウト値を設定するためのものです。このタイムアウト値は、デフォルトで 30 秒 (30s) に設定されています。

    警告

    これは、重大な変更です。

1.2.2.2. バグ修正

この更新では、次のバグ修正が導入されています。

  • この更新前は、IBM Z (s390x) アーキテクチャーで distributed tracing platform (Tempo) が失敗していました。この更新により、IBM Z (s390x) アーキテクチャーで distributed tracing platform (Tempo) が利用できるようになりました。(TRACING-3545)
  • この更新前は、非プライベートネットワークを持つクラスターで distributed tracing platform (Tempo) が失敗していました。この更新により、非プライベートネットワークを持つクラスターに distributed tracing platform (Tempo) をデプロイできるようになりました。(TRACING-4507)
  • この更新前は、トレース量の制限に達したために Jaeger UI が失敗し、tempo-query ログに 504 Gateway Timeout エラーが記録されることがありました。この更新により、tempostack または tempomonolithic カスタムリソースに次の 2 つのオプションフィールドが導入されたことで、この問題は解決されました。

    • タイムアウトを設定するための新しい spec.timeout フィールド。
    • Jaeger UI のクエリーパフォーマンスを向上させるための新しい spec.template.queryFrontend.jaegerQuery.findTracesConcurrentRequests フィールド。

      ヒント

      デフォルトでは、1 つのクエリアーで最大 20 個の同時クエリーを処理できます。同時クエリーの数をさらに増やすには、クエリアーインスタンスをスケールアップしてください。

1.2.3. Red Hat OpenShift 分散トレーシングプラットフォーム (Jaeger)

Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) 3.4 は、Red Hat OpenShift distributed tracing platform Operator 1.62.0 を通じて提供されます。

注記

Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) 3.4 は、オープンソースの Jaeger リリース 1.62.0 をベースにしています。

重要

Jaeger は、FIPS 検証済みの暗号化モジュールを使用しません。

1.2.3.1. OpenShift Elasticsearch Operator のサポート

Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) 3.4 は、OpenShift Elasticsearch Operator 5.6、5.7、および 5.8 での使用がサポートされています。

1.2.3.2. 非推奨の機能

Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.4 では、引き続き Jaeger と Elasticsearch のサポートが非推奨となります。どちらも今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、現行リリースのライフサイクル中、これらのコンポーネントのサポートと、重大度が重大以上の CVE およびバグに対する修正は提供しますが、これらのコンポーネントの機能拡張は提供しません。

Red Hat OpenShift distributed tracing platform Operator は、今後のリリースで redhat-operators カタログから 削除される予定 です。分散トレーシングの収集と保存を行うには、Tempo OperatorRed Hat build of OpenTelemetry移行 する必要があります。

1.2.3.3. バグ修正

この更新では、次のバグ修正が導入されています。

  • この更新前は、Jaeger UI が 502 - Bad Gateway Timeout エラーで失敗することがありました。この更新により、Ingress アノテーションでタイムアウトを設定できるようになりました。(TRACING-4238)

1.2.3.4. 既知の問題

現在、次のような既知の問題があります。

  • 現在、Apache Spark はサポートされていません。
  • 現在、AMQ/Kafka を介したストリーミングデプロイメントは、IBM Z および IBM Power アーキテクチャーではサポートされていません。
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