1.4. OADP の機能とプラグイン


OpenShift API for Data Protection (OADP) 機能は、アプリケーションをバックアップおよび復元するためのオプションを提供します。

デフォルトのプラグインにより、Velero は特定のクラウドプロバイダーと統合し、Red Hat OpenShift Service on AWS リソースをバックアップおよび復元できるようになります。

1.4.1. OADP の機能

OpenShift API for Data Protection (OADP) は、以下の機能をサポートします。

バックアップ

OADP を使用して OpenShift Platform 上のすべてのアプリケーションをバックアップしたり、タイプ、namespace、またはラベルでリソースをフィルターしたりできます。

OADP は、Kubernetes オブジェクトと内部イメージをアーカイブファイルとしてオブジェクトストレージに保存することにより、それらをバックアップします。OADP は、ネイティブクラウドスナップショット API または Container Storage Interface (CSI) を使用してスナップショットを作成することにより、永続ボリューム (PV) をバックアップします。スナップショットをサポートしないクラウドプロバイダーの場合、OADP は Restic を使用してリソースと PV データをバックアップします。

注記

バックアップと復元を成功させるには、アプリケーションのバックアップから Operator を除外する必要があります。

復元

バックアップからリソースと PV を復元できます。バックアップ内のすべてのオブジェクトを復元することも、オブジェクトを namespace、PV、またはラベルでフィルタリングすることもできます。

注記

バックアップと復元を成功させるには、アプリケーションのバックアップから Operator を除外する必要があります。

スケジュール
指定した間隔でバックアップをスケジュールできます。
フック
フックを使用して、Pod 上のコンテナーでコマンドを実行できます。たとえば、fsfreeze を使用してファイルシステムをフリーズできます。バックアップまたは復元の前または後に実行するようにフックを設定できます。復元フックは、init コンテナーまたはアプリケーションコンテナーで実行できます。

1.4.2. OADP プラグイン

OpenShift API for Data Protection (OADP) は、バックアップおよびスナップショット操作をサポートするためにストレージプロバイダーと統合されたデフォルトの Velero プラグインを提供します。Velero プラグインに基づき、カスタムプラグイン を作成できます。

OADP は、Red Hat OpenShift Service on AWS リソースバックアップ、OpenShift Virtualization リソースバックアップ、および Container Storage Interface (CSI) スナップショット用のプラグインも提供します。

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表1.3 OADP プラグイン
OADP プラグイン機能ストレージの場所

aws

Kubernetes オブジェクトをバックアップし、復元します。

AWS S3

スナップショットを使用してボリュームをバックアップおよび復元します。

AWS EBS

openshift

Red Hat OpenShift Service on AWS リソースをバックアップおよび復元します。[1]

オブジェクトストア

kubevirt

OpenShift Virtualization リソースをバックアップおよび復元します。[2]

オブジェクトストア

csi

CSI スナップショットを使用して、ボリュームをバックアップおよび復元します。[3]

CSI スナップショットをサポートするクラウドストレージ

vsm

VolumeSnapshotMover は、クラスターの削除などの状況で、ステートフルアプリケーションを回復するための復元プロセス中に使用されるスナップショットをクラスターからオブジェクトストアに再配置します。[4]

オブジェクトストア

  1. 必須。
  2. 仮想マシンディスクは CSI スナップショットまたは Restic でバックアップされます。
  3. csi プラグインは、Kubernetes CSI スナップショット API を使用します。

    • OADP 1.1 以降は snapshot.storage.k8s.io/v1 を使用します。
    • OADP 1.0 は snapshot.storage.k8s.io/v1beta1 を使用します。
  4. OADP 1.2 のみ。

1.4.3. OADP Velero プラグインについて

Velero のインストール時に、次の 2 種類のプラグインを設定できます。

  • デフォルトのクラウドプロバイダープラグイン
  • カスタムプラグイン

どちらのタイプのプラグインもオプションですが、ほとんどのユーザーは少なくとも 1 つのクラウドプロバイダープラグインを設定します。

1.4.3.1. デフォルトの Velero クラウドプロバイダープラグイン

デプロイメント中に oadp_v1alpha1_dpa.yaml ファイルを設定するときに、次のデフォルトの Velero クラウドプロバイダープラグインのいずれかをインストールできます。

  • aws (Amazon Web Services)
  • gcp (Google Cloud Platform)
  • azure (Microsoft Azure)
  • openshift (OpenShift Velero プラグイン)
  • csi (Container Storage Interface)
  • kubevirt (KubeVirt)

デプロイメント中に oadp_v1alpha1_dpa.yaml ファイルで目的のデフォルトプラグインを指定します。

ファイルの例:

次の .yaml ファイルは、openshiftawsazure、および gcp プラグインをインストールします。

 apiVersion: oadp.openshift.io/v1alpha1
 kind: DataProtectionApplication
 metadata:
   name: dpa-sample
 spec:
   configuration:
     velero:
       defaultPlugins:
       - openshift
       - aws
       - azure
       - gcp
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1.4.3.2. カスタム Velero プラグイン

デプロイメント中に oadp_v1alpha1_dpa.yaml ファイルを設定するときに、プラグインの imagename を指定することにより、カスタム Velero プラグインをインストールできます。

デプロイメント中に oadp_v1alpha1_dpa.yaml ファイルで目的のカスタムプラグインを指定します。

ファイルの例:

次の .yaml ファイルは、デフォルトの openshiftazure、および gcp プラグインと、イメージ quay.io/example-repo/custom-velero-plugin を持つ custom-plugin-example という名前のカスタムプラグインをインストールします。

apiVersion: oadp.openshift.io/v1alpha1
kind: DataProtectionApplication
metadata:
 name: dpa-sample
spec:
 configuration:
   velero:
     defaultPlugins:
     - openshift
     - azure
     - gcp
     customPlugins:
     - name: custom-plugin-example
       image: quay.io/example-repo/custom-velero-plugin
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1.4.4. OADP と FIPS

Federal Information Processing Standards (FIPS) は、Federal Information Security Management Act (FISMA) に従って米国連邦政府が開発した一連のコンピューターセキュリティー標準です。

OpenShift API for Data Protection (OADP) はテスト済みで、Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターで動作します。

1.4.5. Velero プラグインのパニックエラーの回避

シークレットが欠落していると、イメージストリームのバックアップ中に Velero プラグインでパニックエラーが発生する可能性があります。

バックアップと Backup Storage Location (BSL) が Data Protection Application (DPA) のスコープ外で管理されている場合、OADP コントローラーによって関連する oadp-<bsl_name>-<bsl_provider>-registry-secret パラメーターが作成されません。

バックアップ操作中に、OpenShift Velero プラグインは イメージストリームの バックアップでパニックを起こし、次のパニックエラーが発生します。

024-02-27T10:46:50.028951744Z time="2024-02-27T10:46:50Z" level=error msg="Error backing up item"
backup=openshift-adp/<backup name> error="error executing custom action (groupResource=imagestreams.image.openshift.io,
namespace=<BSL Name>, name=postgres): rpc error: code = Aborted desc = plugin panicked:
runtime error: index out of range with length 1, stack trace: goroutine 94…
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Velero プラグインのパニックエラーを回避するには、次の回避策を使用します。

手順

  1. 次のコマンドを使用して、カスタムの BSL に適切なラベルを付けます。

    $ oc label backupstoragelocations.velero.io <bsl_name> app.kubernetes.io/component=bsl
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  2. BSL にラベルを付けた後、DPA がリコンサイルされるまで待ちます。

    注記

    DPA 自体に軽微な変更を加えることで、強制的に調整を行うことができます。

検証

  • DPA がリコンサイルされたら、次のコマンドを入力して、パラメーターが作成され、正しいレジストリーデータがそこに入力されていることを確認します。

    $ oc -n openshift-adp get secret/oadp-<bsl_name>-<bsl_provider>-registry-secret -o json | jq -r '.data'
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1.4.6. OpenShift ADP コントローラーのセグメンテーション違反の回避策

cloudstoragerestic の両方を有効にして Data Protection Application (DPA) を設定すると、openshift-adp-controller-manager Pod がクラッシュし、クラッシュループセグメンテーション違反で Pod が失敗するまで無期限に再起動します。

DPA を設定するときに、velero または cloudstorage のうちどちらか一方を定義してください。そうしないと、openshift-adp-controller-manager Pod が、次の設定によりクラッシュループセグメンテーション違反で失敗します。

  • velerocloudstorage を両方とも定義すると、openshift-adp-controller-manager は失敗します。
  • velerocloudstorage を両方とも定義しないと、openshift-adp-controller-manager は失敗します。

この問題の詳細は、OADP-1054 を参照してください。

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