8.5. オーバーコミットされたノード上に Pod を配置するためのクラスターの設定
オーバーコミット とは、コンテナーの計算リソース要求と制限の合計が、そのシステムで利用できるリソースを超えた状態のことです。オーバーコミットの使用は、容量に対して保証されたパフォーマンスのトレードオフが許容可能である開発環境において必要になる場合があります。
コンテナーは、コンピュートリソース要求および制限を指定することができます。要求はコンテナーのスケジューリングに使用され、最小限のサービス保証を提供します。制限は、ノード上で消費できるコンピュートリソースの量を制限します。
スケジューラーは、クラスター内のすべてのノードにおけるコンピュートリソース使用の最適化を試行します。これは Pod のコンピュートリソース要求とノードの利用可能な容量を考慮に入れて Pod を特定のノードに配置します。
Red Hat OpenShift Service on AWS 管理者は、Pod の配置動作と、オーバーコミットが超過できないプロジェクトごとのリソース制限を設定することで、ノードのコンテナー密度を管理できます。
または、Red Hat によって管理されていないお客様が作成した namespace で、プロジェクトレベルのリソースのオーバーコミットを無効にすることもできます。
コンテナーリソース管理の詳細は、「関連情報」を参照してください。
8.5.1. プロジェクトレベルの制限
Red Hat OpenShift Service on AWS では、プロジェクトレベルのリソースのオーバーコミットがデフォルトで有効になっています。ユースケースで必要な場合は、Red Hat によって管理されていないプロジェクトでオーバーコミットメントを無効にできます。
Red Hat によって管理され、変更できないプロジェクトのリストについては、サポート の 「Red Hat によって管理されるリソース」を参照してください。
8.5.1.1. プロジェクトのオーバーコミットの無効化
ユースケースで必要な場合は、Red Hat によって管理されていないプロジェクトでオーバーコミットを無効にできます。変更できないプロジェクトのリストについては、サポート の「Red Hat によって管理されるリソース」を参照してください。
前提条件
- クラスター管理者またはクラスター編集者の権限を持つアカウントを使用してクラスターにログインしている。
手順
namespace オブジェクトファイルを編集します。
Web コンソールを使用している場合:
-
Administration
Namespaces をクリックし、プロジェクトの namespace をクリックします。 - Annotations セクションで、Edit ボタンをクリックします。
-
Add more をクリックし、Key として
quota.openshift.io/cluster-resource-override-enabled
を、Value としてfalse
を使用する新しいアノテーションを入力します。 - Save をクリックします。
-
Administration
ROSA CLI (
rosa
) を使用している場合:namespace を編集します。
$ rosa edit namespace/<project_name>
以下のアノテーションを追加します。
apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: annotations: quota.openshift.io/cluster-resource-override-enabled: "false" <.> # ...
<.> このアノテーションを
false
に設定すると、この namespace のオーバーコミットが無効になります。