8.10. 仮想 Trusted Platform Module デバイスの使用


VirtualMachine (VM) または VirtualMachineInstance (VMI) マニフェストを編集して、仮想 Trusted Platform Module (vTPM) デバイスを新規または既存の仮想マシンに追加します。

重要

OpenShift Virtualization 4.18 以降では、vTPM デバイスがアタッチされた 仮想マシン (VM) をエクスポート し、これらの仮想マシンのスナップショットを作成 して、これらのスナップショットから仮想マシンを復元 できます。ただし、vTPM デバイスがアタッチされた仮想マシンのクローン作成や、そのスナップショットからの新しい仮想マシンの作成はサポートされていません。

8.10.1. vTPM デバイスについて

仮想トラステッドプラットフォームモジュール (vTPM) デバイスは、物理トラステッドプラットフォームモジュール (TPM) ハードウェアチップのように機能します。vTPM デバイスはどのオペレーティングシステムでも使用できますが、Windows 11 をインストールまたは起動するには TPM チップが必要です。vTPM デバイスを使用すると、Windows 11 イメージから作成された VM を物理 TPM チップなしで機能させることができます。

また、vTPM デバイスは、物理ハードウェアを使用せずにシークレットを保存することで仮想マシンを保護します。OpenShift Virtualization は、仮想マシンの永続ボリューム要求 (PVC) を使用して、vTPM デバイス状態の永続化をサポートします。HyperConverged カスタムリソース (CR) で vmStateStorageClass 属性を設定することにより、PVC が使用するストレージクラスを指定する必要があります。

kind: HyperConverged
metadata:
  name: kubevirt-hyperconverged
spec:
  vmStateStorageClass: <storage_class_name>

# ...

vTPM を有効にしないと、ノードに TPM デバイスがある場合でも、VM は TPM デバイスを認識しません。

8.10.2. 仮想マシンへの vTPM デバイスの追加

仮想トラステッドプラットフォームモジュール (vTPM) デバイスを仮想マシン (VM) に追加すると、物理 TPM デバイスなしで Windows 11 イメージから作成された仮想マシンを実行できます。vTPM デバイスには、その仮想マシンのシークレットも保存されます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、仮想マシン設定を更新します。

    $ oc edit vm <vm_name> -n <namespace>
  2. 仮想マシン仕様を編集して vTPM デバイスを追加します。以下に例を示します。

    apiVersion: kubevirt.io/v1
    kind: VirtualMachine
    metadata:
        name: example-vm
    spec:
      template:
        spec:
          domain:
            devices:
              tpm:  1
                persistent: true 2
    # ...
    1
    vTPM デバイスを仮想マシンに追加します。
    2
    仮想マシンがシャットダウンされた後も vTPM デバイスの状態が維持されるように指定します。デフォルト値は false です。
  3. 変更を適用するには、エディターを保存し、終了します。
  4. オプション: 実行中の仮想マシンを編集している場合は、変更を有効にするためにこれを再起動する必要があります。
Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.