第1章 Jenkins イメージの設定


Red Hat OpenShift Service on AWS には、Jenkins を実行するためのコンテナーイメージがあります。このイメージには Jenkins サーバーインスタンスが含まれており、このインスタンスを使用して継続的なテスト、統合、デリバリーの基本フローを設定できます。

イメージは、Red Hat Universal Base Images (UBI) に基づいています。

Red Hat OpenShift Service on AWS は Jenkins の LTS リリースに準拠しています。Red Hat OpenShift Service on AWS は Jenkins 2.x を含むイメージを提供します。

Red Hat OpenShift Service on AWS の Jenkins イメージは、Quay.io または registry.redhat.io で入手できます。

以下に例を示します。

$ podman pull registry.redhat.io/ocp-tools-4/jenkins-rhel8:<image_tag>

Jenkins イメージを使用するには、これらのレジストリーから直接アクセスするか、イメージを Red Hat OpenShift Service on AWS のコンテナーイメージレジストリーにプッシュします。さらに、コンテナーイメージレジストリーまたは外部の場所で、対象イメージを参照するイメージストリームを作成することもできます。これにより、Red Hat OpenShift Service on AWS リソースがイメージストリームを参照できるようになります。

ただし、Red Hat OpenShift Service on AWS は、利便性のために、コア Jenkins イメージ用の openshift namespace でイメージストリームを提供するほか、Red Hat OpenShift Service on AWS と Jenkins の統合用に用意されたサンプルエージェントイメージも提供します。

1.1. 設定とカスタマイズ

Jenkins 認証は、以下の 2 つの方法で管理できます。

  • Red Hat OpenShift Service on AWS ログインプラグインが提供する Red Hat OpenShift Service on AWS OAuth 認証。
  • Jenkins が提供する標準認証。

1.1.1. Red Hat OpenShift Service on AWS OAuth 認証

OAuth 認証をアクティブ化するには、Jenkins UI の Configure Global Security パネルでオプションを設定するか、Jenkins の Deployment configurationOPENSHIFT_ENABLE_OAUTH 環境変数を false 以外に設定します。これにより、Red Hat OpenShift Service on AWS ログインプラグインがアクティブ化されます。このプラグインは、Pod データから、または Red Hat OpenShift Service on AWS の API サーバーと対話して設定情報を取得します。

有効な認証情報は、Red Hat OpenShift Service on AWS のアイデンティティープロバイダーによって制御されます。

Jenkins はブラウザーおよびブラウザー以外のアクセスの両方をサポートします。

有効なユーザーは、ログイン時に Jenkins 認証マトリックスに自動的に追加されます。その際に、Red Hat OpenShift Service on AWS のロールによって、ユーザーに付与される特定の Jenkins パーミッションが指定されます。デフォルトで使用されるロールは、事前に定義される adminedit、および view です。ログインプラグインは、Jenkins が実行しているプロジェクトまたは namespace のそれらのロールに対して自己 SAR 要求 (self-SAR request) を実行します。

admin ロールを持つユーザーには、従来の Jenkins 管理ユーザーパーミッションがあります。ユーザーのパーミッションは、ロールが editview になるほど少なくなります。

デフォルトの Red Hat OpenShift Service on AWS の adminedit、および view ロールと、Jenkins インスタンスでそれらのロールに割り当てられる Jenkins パーミッションは設定可能です。

Red Hat OpenShift Service on AWS の Pod で Jenkins を実行する場合、ログインプラグインは、Jenkins を実行している namespace で openshift-jenkins-login-plugin-config という名前の config map を検索します。

ログインプラグインがその config map を検出して読み取ることができる場合は、Jenkins パーミッションマッピングにロールを定義できます。具体的には以下を実行します。

  • ログインプラグインは、config map 内のキーと値のペアを、Red Hat OpenShift Service on AWS のロールマッピングに対する Jenkins パーミッションとして処理します。
  • キーは Jenkins パーミッショングループの短い ID と Jenkins パーミッションの短い ID で、この 2 つはハイフンで区切られています。
  • Red Hat OpenShift Service on AWS のロールに Overall Jenkins Administer パーミッションを追加する場合、キーは Overall-Administer である必要があります。
  • パーミッショングループおよびパーミッション ID が利用可能であるかどうかを把握するには、Jenkins コンソールのマトリックス認証ページに移動し、グループの ID とグループが提供するテーブルの個々のパーミッションを確認します。
  • キーと値のペアの値は、パーミッションの適用先となる Red Hat OpenShift Service on AWS ロールのリストです。各ロールはコンマで区切ります。
  • Overall Jenkins Administer パーミッションをデフォルトの admin および edit ロールの両方に追加し、作成した新規の jenkins ロールも追加する場合は、キーの Overall-Administer の値が admin,edit,jenkins になります。
注記

Red Hat OpenShift Service on AWS の OAuth を使用する場合、Red Hat OpenShift Service on AWS の Jenkins イメージに管理者権限を使用して事前設定されている admin ユーザーには、管理者権限が付与されません。この権限を付与するには、Red Hat OpenShift Service on AWS クラスター管理者が Red Hat OpenShift Service on AWS のアイデンティティープロバイダーでそのユーザーを明示的に定義し、そのユーザーに admin ロールを割り当てる必要があります。

保存される Jenkins ユーザーのパーミッションは、初回のユーザー作成後に変更できます。Red Hat OpenShift Service on AWS ログインプラグインは、Red Hat OpenShift Service on AWS の API サーバーをポーリングしてパーミッションを取得し、ユーザーごとに Jenkins に保存されているパーミッションを、Red Hat OpenShift Service on AWS から取得したパーミッションを更新します。Jenkins UI を使用して Jenkins ユーザーのパーミッションを更新する場合には、プラグインが次回に Red Hat OpenShift Service on AWS をポーリングするタイミングで、パーミッションの変更が上書きされます。

ポーリングの頻度は OPENSHIFT_PERMISSIONS_POLL_INTERVAL 環境変数で制御できます。デフォルトのポーリングの間隔は 5 分です。

OAuth 認証を使用して新しい Jenkins サービスを作成するには、テンプレートを使用するのが最も簡単な方法です。

1.1.2. Jenkins 認証

テンプレートを使用せず、イメージが直接実行される場合は、デフォルトで Jenkins 認証が使用されます。

Jenkins の初回起動時には、設定、管理ユーザーおよびパスワードが作成されます。デフォルトのユーザー認証情報は、adminpassword です。標準の Jenkins 認証を使用する場合に限り、JENKINS_PASSWORD 環境変数を設定してデフォルトのパスワードを設定します。

手順

  • 次のコマンドを実行して、標準の Jenkins 認証を使用する Jenkins アプリケーションを作成します。

    $ oc new-app -e \
        JENKINS_PASSWORD=<password> \
        ocp-tools-4/jenkins-rhel8
Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.