13.2. 仮想マシンのバックアップと復元
Red Hat は、OADP 1.3.x 以降で OpenShift Virtualization 4.14 以降を使用することをサポートしています。
OADP 1.3.0 より前のバージョンでは、OpenShift Virtualization のバックアップと復元ではサポートされていません。
OpenShift API for Data Protection を使用して仮想マシンをバックアップおよび復元します。
OADP Operator をインストールし、バックアップの場所を設定することで、OpenShift Virtualization を使用した OpenShift API for Data Protection (OADP) をインストールできます。その後、Data Protection Application をインストールできます。
OpenShift Virtualization を使用した OpenShift API for Data Protection は、バックアップおよび復元のストレージオプションとして次のものをサポートしています。
- Container Storage Interface (CSI) バックアップ
- DataMover による Container Storage Interface (CSI) バックアップ
次のストレージオプションは対象外です。
- ファイルシステムのバックアップと復元
- ボリュームスナップショットのバックアップと復元
制限されたネットワーク環境に OADP Operator をインストールするには、最初にデフォルトの OperatorHub ソースを無効にして、Operator カタログをミラーリングする必要があります。
13.2.1. OpenShift Virtualization を使用した OADP のインストールと設定
クラスター管理者は、OADP Operator をインストールして OADP をインストールします。
最新バージョンの OADP Operator は、Velero 1.14 をインストールします。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
- ストレージプロバイダーの指示に従って、OADP Operator をインストールします。
-
kubevirt
およびopenshift
OADP プラグインを使用して Data Protection Application (DPA) をインストールします。 Backup
カスタムリソース (CR) を作成して、仮想マシンをバックアップします。警告Red Hat のサポート対象は、次のオプションに限られています。
- CSI バックアップ
- DataMover による CSI バックアップ
Restore
CR を作成して Backup
CR を復元します。
13.2.2. Data Protection Application のインストール
DataProtectionApplication
API のインスタンスを作成して、Data Protection Application (DPA) をインストールします。
前提条件
- OADP Operator をインストールする。
- オブジェクトストレージをバックアップロケーションとして設定する必要がある。
- スナップショットを使用して PV をバックアップする場合、クラウドプロバイダーはネイティブスナップショット API または Container Storage Interface (CSI) スナップショットのいずれかをサポートする必要がある。
バックアップとスナップショットの場所で同じ認証情報を使用する場合は、デフォルトの名前である
cloud-credentials
を使用してSecret
を作成する必要がある。注記インストール中にバックアップまたはスナップショットの場所を指定したくない場合は、空の
credentials-velero
ファイルを使用してデフォルトのSecret
を作成できます。デフォルトのSecret
がない場合、インストールは失敗します。
手順
-
Operators
Installed Operators をクリックして、OADP Operator を選択します。 - Provided APIs で、DataProtectionApplication ボックスの Create instance をクリックします。
YAML View をクリックして、
DataProtectionApplication
マニフェストのパラメーターを更新します。apiVersion: oadp.openshift.io/v1alpha1 kind: DataProtectionApplication metadata: name: <dpa_sample> namespace: openshift-adp 1 spec: configuration: velero: defaultPlugins: - kubevirt 2 - gcp 3 - csi 4 - openshift 5 resourceTimeout: 10m 6 nodeAgent: 7 enable: true 8 uploaderType: kopia 9 podConfig: nodeSelector: <node_selector> 10 backupLocations: - velero: provider: gcp 11 default: true credential: key: cloud name: <default_secret> 12 objectStorage: bucket: <bucket_name> 13 prefix: <prefix> 14
- 1
- OADP のデフォルトの namespace は
openshift-adp
です。namespace は変数であり、設定可能です。 - 2
kubevirt
プラグインは OpenShift Virtualization に必須です。- 3
- バックアッププロバイダーのプラグインがある場合には、それを指定します (例:
gcp
)。 - 4
- CSI スナップショットを使用して PV をバックアップするには、
csi
プラグインが必須です。csi
プラグインは、Velero CSI ベータスナップショット API を使用します。スナップショットの場所を設定する必要はありません。 - 5
openshift
プラグインは必須です。- 6
- Velero CRD の可用性、volumeSnapshot の削除、バックアップリポジトリーの可用性など、タイムアウトが発生するまでに複数の Velero リソースを待機する時間を分単位で指定します。デフォルトは 10m です。
- 7
- 管理要求をサーバーにルーティングする管理エージェント。
- 8
nodeAgent
を有効にしてファイルシステムバックアップを実行する場合は、この値をtrue
に設定します。- 9
- 組み込み DataMover を使用するには、アップローダーとして
kopia
と入力します。nodeAgent
はデーモンセットをデプロイします。これは、nodeAgent
Pod が各ワーキングノード上で実行されることを意味します。ファイルシステムバックアップを設定するには、spec.defaultVolumesToFsBackup: true
をBackup
CR に追加します。 - 10
- Kopia が利用可能なノードを指定します。デフォルトでは、Kopia はすべてのノードで実行されます。
- 11
- バックアッププロバイダーを指定します。
- 12
- バックアッププロバイダーにデフォルトのプラグインを使用する場合は、
Secret
の正しいデフォルト名を指定します (例:cloud-credentials-gcp
)。カスタム名を指定すると、そのカスタム名がバックアップの場所に使用されます。Secret
名を指定しない場合は、デフォルトの名前が使用されます。 - 13
- バックアップ保存場所としてバケットを指定します。バケットが Velero バックアップ専用のバケットでない場合は、接頭辞を指定する必要があります。
- 14
- バケットが複数の目的で使用される場合は、Velero バックアップの接頭辞を指定します (例:
velero
)。
- Create をクリックします。
検証
次のコマンドを実行して OpenShift API for Data Protection (OADP) リソースを表示し、インストールを検証します。
$ oc get all -n openshift-adp
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE pod/oadp-operator-controller-manager-67d9494d47-6l8z8 2/2 Running 0 2m8s pod/node-agent-9cq4q 1/1 Running 0 94s pod/node-agent-m4lts 1/1 Running 0 94s pod/node-agent-pv4kr 1/1 Running 0 95s pod/velero-588db7f655-n842v 1/1 Running 0 95s NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE service/oadp-operator-controller-manager-metrics-service ClusterIP 172.30.70.140 <none> 8443/TCP 2m8s service/openshift-adp-velero-metrics-svc ClusterIP 172.30.10.0 <none> 8085/TCP 8h NAME DESIRED CURRENT READY UP-TO-DATE AVAILABLE NODE SELECTOR AGE daemonset.apps/node-agent 3 3 3 3 3 <none> 96s NAME READY UP-TO-DATE AVAILABLE AGE deployment.apps/oadp-operator-controller-manager 1/1 1 1 2m9s deployment.apps/velero 1/1 1 1 96s NAME DESIRED CURRENT READY AGE replicaset.apps/oadp-operator-controller-manager-67d9494d47 1 1 1 2m9s replicaset.apps/velero-588db7f655 1 1 1 96s
次のコマンドを実行して、
DataProtectionApplication
(DPA) が調整されていることを確認します。$ oc get dpa dpa-sample -n openshift-adp -o jsonpath='{.status}'
出力例
{"conditions":[{"lastTransitionTime":"2023-10-27T01:23:57Z","message":"Reconcile complete","reason":"Complete","status":"True","type":"Reconciled"}]}
-
type
がReconciled
に設定されていることを確認します。 次のコマンドを実行して、バックアップ保存場所を確認し、
PHASE
がAvailable
であることを確認します。$ oc get backupStorageLocation -n openshift-adp
出力例
NAME PHASE LAST VALIDATED AGE DEFAULT dpa-sample-1 Available 1s 3d16h true