8.8. CDI のスクラッチ領域の用意


8.8.1. スクラッチ領域について

Containerized Data Importer (CDI) では、仮想マシンイメージのインポートやアップロードなどの、一部の操作を実行するためにスクラッチ領域 (一時ストレージ) が必要になります。このプロセスで、CDI は、宛先データボリューム (DV) をサポートする PVC のサイズと同じサイズのスクラッチ領域 PVC をプロビジョニングします。スクラッチ領域 PVC は操作の完了または中止後に削除されます。

HyperConverged カスタムリソースの spec.scratchSpaceStorageClass フィールドで、スクラッチ領域 PVC をバインドするために使用されるストレージクラスを定義できます。

定義されたストレージクラスがクラスターのストレージクラスに一致しない場合、クラスターに定義されたデフォルトのストレージクラスが使用されます。クラスターで定義されたデフォルトのストレージクラスがない場合、元の DV または PVC のプロビジョニングに使用されるストレージクラスが使用されます。

注記

CDI では、元のデータボリュームをサポートする PVC の種類を問わず、file ボリュームモードが設定されているスクラッチ領域が必要です。元の PVC が block ボリュームモードでサポートされる場合、file ボリュームモード PVC をプロビジョニングできるストレージクラスを定義する必要があります。

手動プロビジョニング

ストレージクラスがない場合、CDI はイメージのサイズ要件に一致するプロジェクトの PVC を使用します。これらの要件に一致する PVC がない場合、CDI インポート Pod は適切な PVC が利用可能になるまで、またはタイムアウト機能が Pod を強制終了するまで Pending 状態になります。

8.8.2. スクラッチ領域を必要とする CDI 操作

タイプ理由

レジストリーのインポート

CDI はイメージをスクラッチ領域にダウンロードし、イメージファイルを見つけるためにレイヤーを抽出する必要があります。その後、raw ディスクに変換するためにイメージファイルが QEMU-IMG に渡されます。

イメージのアップロード

QEMU-IMG は STDIN の入力を受け入れません。代わりに、アップロードするイメージは、変換のために QEMU-IMG に渡される前にスクラッチ領域に保存されます。

アーカイブされたイメージの HTTP インポート

QEMU-IMG は、CDI がサポートするアーカイブ形式の処理方法を認識しません。イメージが QEMU-IMG に渡される前にアーカイブは解除され、スクラッチ領域に保存されます。

認証されたイメージの HTTP インポート

QEMU-IMG が認証を適切に処理しません。イメージが QEMU-IMG に渡される前にスクラッチ領域に保存され、認証されます。

カスタム証明書の HTTP インポート

QEMU-IMG は HTTPS エンドポイントのカスタム証明書を適切に処理しません。代わりに CDI は、ファイルを QEMU-IMG に渡す前にイメージをスクラッチ領域にダウンロードします。

8.8.3. ストレージクラスの定義

spec.scratchSpaceStorageClass フィールドを HyperConverged カスタムリソース (CR) に追加することにより、スクラッチ領域を割り当てる際に、Containerized Data Importer (CDI) が使用するストレージクラスを定義できます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  1. 以下のコマンドを実行して、HyperConverged CR を編集します。

    $ oc edit hyperconverged kubevirt-hyperconverged -n openshift-cnv
  2. spec.scratchSpaceStorageClass フィールドを CR に追加し、値をクラスターに存在するストレージクラスの名前に設定します。

    apiVersion: hco.kubevirt.io/v1beta1
    kind: HyperConverged
    metadata:
      name: kubevirt-hyperconverged
    spec:
      scratchSpaceStorageClass: "<storage_class>" 1
    1
    ストレージクラスを指定しない場合、CDI は設定されている永続ボリューム要求のストレージクラスを使用します。
  3. デフォルトのエディターを保存して終了し、HyperConverged CR を更新します。

8.8.4. CDI がサポートする操作マトリックス

このマトリックスにはエンドポイントに対してコンテンツタイプのサポートされる CDI 操作が表示されます。これらの操作にはスクラッチ領域が必要です。

コンテンツタイプHTTPHTTPSHTTP Basic 認証レジストリーアップロード

KubeVirt (QCOW2)

✓ QCOW2
✓ GZ*
✓ XZ*

✓ QCOW2**
✓ GZ*
✓ XZ*

✓ QCOW2
✓ GZ*
✓ XZ*

✓ QCOW2*
□ GZ
□ XZ

✓ QCOW2*
✓ GZ*
✓ XZ*

KubeVirt (RAW)

✓ RAW
✓ GZ
✓ XZ

✓ RAW
✓ GZ
✓ XZ

✓ RAW
✓ GZ
✓ XZ

✓ RAW*
□ GZ
□ XZ

✓ RAW*
✓ GZ*
✓ XZ*

✓ サポートされる操作

□ サポートされない操作

* スクラッチ領域が必要

**カスタム認証局が必要な場合にスクラッチ領域が必要

8.8.5. 関連情報

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.