8.2. ユースケース: Pod で設定マップを使用する


以下のセクションでは、Pod で ConfigMap オブジェクトを使用する際のいくつかのユースケースを説明します。

8.2.1. 設定マップの使用によるコンテナーでの環境変数の設定

config map を使用して、コンテナーで個別の環境変数を設定するために使用したり、有効な環境変数名を生成するすべてのキーを使用してコンテナーで環境変数を設定するために使用したりすることができます。

例として、以下の設定マップについて見てみましょう。

2 つの環境変数を含む ConfigMap

apiVersion: v1
kind: ConfigMap
metadata:
  name: special-config 1
  namespace: default 2
data:
  special.how: very 3
  special.type: charm 4

1
設定マップの名前。
2
設定マップが存在するプロジェクト。設定マップは同じプロジェクトの Pod によってのみ参照されます。
3 4
挿入する環境変数。

1 つの環境変数を含む ConfigMap

apiVersion: v1
kind: ConfigMap
metadata:
  name: env-config 1
  namespace: default
data:
  log_level: INFO 2

1
設定マップの名前。
2
挿入する環境変数。

手順

  • configMapKeyRef セクションを使用して、Pod のこの ConfigMap のキーを使用できます。

    特定の環境変数を挿入するように設定されている Pod 仕様のサンプル

    apiVersion: v1
    kind: Pod
    metadata:
      name: dapi-test-pod
    spec:
      securityContext:
        runAsNonRoot: true
        seccompProfile:
          type: RuntimeDefault
      containers:
        - name: test-container
          image: gcr.io/google_containers/busybox
          command: [ "/bin/sh", "-c", "env" ]
          env: 1
            - name: SPECIAL_LEVEL_KEY 2
              valueFrom:
                configMapKeyRef:
                  name: special-config 3
                  key: special.how 4
            - name: SPECIAL_TYPE_KEY
              valueFrom:
                configMapKeyRef:
                  name: special-config 5
                  key: special.type 6
                  optional: true 7
          envFrom: 8
            - configMapRef:
                name: env-config 9
          securityContext:
            allowPrivilegeEscalation: false
            capabilities:
              drop: [ALL]
      restartPolicy: Never

    1
    ConfigMap から指定された環境変数をプルするためのスタンザです。
    2
    キーの値を挿入する Pod 環境変数の名前です。
    3 5
    特定の環境変数のプルに使用する ConfigMap の名前です。
    4 6
    ConfigMap からプルする環境変数です。
    7
    環境変数をオプションにします。オプションとして、Pod は指定された ConfigMap およびキーが存在しない場合でも起動します。
    8
    ConfigMap からすべての環境変数をプルするためのスタンザです。
    9
    すべての環境変数のプルに使用する ConfigMap の名前です。

    この Pod が実行されると、Pod のログには以下の出力が含まれます。

    SPECIAL_LEVEL_KEY=very
    log_level=INFO
注記

SPECIAL_TYPE_KEY=charm は出力例にリスト表示されません。optional: true が設定されているためです。

8.2.2. 設定マップを使用したコンテナーコマンドのコマンドライン引数の設定

config map を使用すると、Kubernetes 置換構文 $(VAR_NAME) を使用してコンテナー内のコマンドまたは引数の値を設定できます。

例として、以下の設定マップについて見てみましょう。

apiVersion: v1
kind: ConfigMap
metadata:
  name: special-config
  namespace: default
data:
  special.how: very
  special.type: charm

手順

  • コンテナー内のコマンドに値を挿入するには、環境変数として使用するキーを使用する必要があります。次に、$(VAR_NAME) 構文を使用してコンテナーのコマンドでそれらを参照することができます。

    特定の環境変数を挿入するように設定されている Pod 仕様のサンプル

    apiVersion: v1
    kind: Pod
    metadata:
      name: dapi-test-pod
    spec:
      securityContext:
        runAsNonRoot: true
        seccompProfile:
          type: RuntimeDefault
      containers:
        - name: test-container
          image: gcr.io/google_containers/busybox
          command: [ "/bin/sh", "-c", "echo $(SPECIAL_LEVEL_KEY) $(SPECIAL_TYPE_KEY)" ] 1
          env:
            - name: SPECIAL_LEVEL_KEY
              valueFrom:
                configMapKeyRef:
                  name: special-config
                  key: special.how
            - name: SPECIAL_TYPE_KEY
              valueFrom:
                configMapKeyRef:
                  name: special-config
                  key: special.type
          securityContext:
            allowPrivilegeEscalation: false
            capabilities:
              drop: [ALL]
      restartPolicy: Never

    1
    環境変数として使用するキーを使用して、コンテナーのコマンドに値を挿入します。

    この Pod が実行されると、test-container コンテナーで実行される echo コマンドの出力は以下のようになります。

    very charm

8.2.3. 設定マップの使用によるボリュームへのコンテンツの挿入

設定マップを使用して、コンテンツをボリュームに挿入することができます。

ConfigMap カスタムリソース (CR) の例

apiVersion: v1
kind: ConfigMap
metadata:
  name: special-config
  namespace: default
data:
  special.how: very
  special.type: charm

手順

設定マップを使用してコンテンツをボリュームに挿入するには、2 つの異なるオプションを使用できます。

  • 設定マップを使用してコンテンツをボリュームに挿入するための最も基本的な方法は、キーがファイル名であり、ファイルの内容がキーの値になっているファイルでボリュームを設定する方法です。

    apiVersion: v1
    kind: Pod
    metadata:
      name: dapi-test-pod
    spec:
      securityContext:
        runAsNonRoot: true
        seccompProfile:
          type: RuntimeDefault
      containers:
        - name: test-container
          image: gcr.io/google_containers/busybox
          command: [ "/bin/sh", "-c", "cat", "/etc/config/special.how" ]
          volumeMounts:
          - name: config-volume
            mountPath: /etc/config
          securityContext:
            allowPrivilegeEscalation: false
            capabilities:
              drop: [ALL]
      volumes:
        - name: config-volume
          configMap:
            name: special-config 1
      restartPolicy: Never
    1
    キーを含むファイル。

    この Pod が実行されると、cat コマンドの出力は以下のようになります。

    very
  • 設定マップキーが投影されるボリューム内のパスを制御することもできます。

    apiVersion: v1
    kind: Pod
    metadata:
      name: dapi-test-pod
    spec:
      securityContext:
        runAsNonRoot: true
        seccompProfile:
          type: RuntimeDefault
      containers:
        - name: test-container
          image: gcr.io/google_containers/busybox
          command: [ "/bin/sh", "-c", "cat", "/etc/config/path/to/special-key" ]
          volumeMounts:
          - name: config-volume
            mountPath: /etc/config
          securityContext:
            allowPrivilegeEscalation: false
            capabilities:
              drop: [ALL]
      volumes:
        - name: config-volume
          configMap:
            name: special-config
            items:
            - key: special.how
              path: path/to/special-key 1
      restartPolicy: Never
    1
    設定マップキーへのパス。

    この Pod が実行されると、cat コマンドの出力は以下のようになります。

    very
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