1.2. SR-IOV ネットワークデバイスを管理するコンポーネント


SR-IOV Network Operator は SR-IOV スタックのコンポーネントを作成し、管理します。Operator は次の機能を実行します。

  • SR-IOV ネットワークデバイスの検出および管理のオーケストレーション
  • SR-IOV Container Network Interface (CNI) の NetworkAttachmentDefinition カスタムリソースの生成
  • SR-IOV ネットワークデバイスプラグインの設定の作成および更新
  • ノード固有の SriovNetworkNodeState カスタムリソースの作成
  • SriovNetworkNodeState カスタムリソースの spec.interfaces フィールドの更新

Operator は以下のコンポーネントをプロビジョニングします。

SR-IOV ネットワーク設定デーモン
SR-IOV Network Operator の起動時にワーカーノードにデプロイされるデーモンセット。デーモンは、クラスターで SR-IOV ネットワークデバイスを検出し、初期化します。
SR-IOV Network Operator Webhook
Operator カスタムリソースを検証し、未設定フィールドに適切なデフォルト値を設定する動的受付コントローラー Webhook。
SR-IOV Network Resources Injector
SR-IOV VF などのカスタムネットワークリソースの要求および制限のある Kubernetes Pod 仕様のパッチを適用するための機能を提供する動的受付コントローラー Webhook。SR-IOV Network Resources Injector は、Pod 内の最初のコンテナーのみに resource フィールドを自動的に追加します。
SR-IOV ネットワークデバイスプラグイン
SR-IOV ネットワーク Virtual Function (VF) リソースの検出、公開、割り当てを実行するデバイスプラグイン。デバイスプラグインは、とりわけ物理デバイスでの制限されたリソースの使用を有効にするために Kubernetes で使用されます。デバイスプラグインは Kubernetes スケジューラーにリソースの可用性を認識させるため、スケジューラーはリソースが十分にあるノードで Pod をスケジュールできます。
SR-IOV CNI プラグイン
SR-IOV ネットワークデバイスプラグインから割り当てられる VF インターフェイスを直接 Pod に割り当てる CNI プラグイン。
SR-IOV InfiniBand CNI プラグイン
SR-IOV ネットワークデバイスプラグインから割り当てられる InfiniBand (IB) VF インターフェイスを直接 Pod に割り当てる CNI プラグイン。
注記

SR-IOV Network Resources Injector および SR-IOV Network Operator Webhook は、デフォルトで有効にされ、defaultSriovOperatorConfig CR を編集して無効にできます。SR-IOV Network Operator Admission Controller Webhook を無効にする場合は注意してください。トラブルシューティングなどの特定の状況下や、サポートされていないデバイスを使用する場合は、Webhook を無効にすることができます。

1.2.1. サポート対象のプラットフォーム

SR-IOV Network Operator は、以下のプラットフォームに対応しています。

  • ベアメタル
  • Red Hat OpenStack Platform (RHOSP)

1.2.2. サポートされるデバイス

以下のネットワークインターフェイスコントローラーは、OpenShift Container Platform でサポートされています。

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表1.1 サポート対象のネットワークインターフェイスコントローラー
製造元モデルベンダー IDデバイス ID

Broadcom

BCM57414

14e4

16d7

Broadcom

BCM57508

14e4

1750

Broadcom

BCM57504

14e4

1751

Intel

X710

8086

1572

Intel

X710 Backplane

8086

1581

Intel

X710 Base T

8086

15ff

Intel

XL710

8086

1583

Intel

XXV710

8086

158b

Intel

E810-CQDA2

8086

1592

Intel

E810-2CQDA2

8086

1592

Intel

E810-XXVDA2

8086

159b

Intel

E810-XXVDA4

8086

1593

Intel

E810-XXVDA4T

8086

1593

Intel

E810-XXV Backplane

8086

1599

Intel

E823L Backplane

8086

124c

Intel

E823L SFP

8086

124d

Intel

E825-C Backplane

8086

579C

Intel

E825-C QSFP

8086

579d

Intel

E825-C SFP

8086

579e

Marvell

OCTEON Fusion CNF105XX

177d

ba00

Marvell

OCTEON10 CN10XXX

177d

b900

Mellanox

MT27700 Family [ConnectX‑4]

15b3

1013

Mellanox

MT27710 Family [ConnectX‑4 Lx]

15b3

1015

Mellanox

MT27800 Family [ConnectX‑5]

15b3

1017

Mellanox

MT28880 Family [ConnectX‑5 Ex]

15b3

1019

Mellanox

MT28908 Family [ConnectX‑6]

15b3

101b

Mellanox

MT2892 Family [ConnectX-6 Dx]

15b3

101d

Mellanox

MT2894 Family [ConnectX‑6 Lx]

15b3

101f

Mellanox

Mellanox MT2910 ファミリー [ConnectX‑7]

15b3

1021

Mellanox

ConnectX-6 NIC モードの MT42822 BlueField-2

15b3

a2d6

Pensando [1]

ionic ドライバー用 DSC-25 デュアルポート 25G 分散サービスカード

0x1dd8

0x1002

Pensando [1]

ionic ドライバー用 DSC-100 デュアルポート 100G 分散サービスカード

0x1dd8

0x1003

Silicom

STS ファミリー

8086

1591

  1. OpenShift SR-IOV はサポートされますが、SR-IOV を使用する際に SR-IOV CNI config ファイルを使用して静的な Virtual Function (VF) メディアアクセス制御 (MAC) アドレスを設定する必要があります。
注記

サポートされているカードの最新リストおよび利用可能な互換性のある OpenShift Container Platform バージョンは、Openshift Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) and PTP hardware networks Support Matrix を参照してください。

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