8.2. 設定可能な推奨のストレージ技術


以下の表では、特定の OpenShift Container Platform クラスターアプリケーション向けに設定可能な推奨のストレージ技術をまとめています。

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表8.1 設定可能な推奨ストレージ技術
ストレージタイプブロックファイルオブジェクト

1 ReadOnlyMany

2 ReadWriteMany

3 Prometheus はメトリックに使用される基礎となるテクノロジーです。

4 これは、物理ディスク、VM 物理ディスク、VMDK、NFS 経由のループバック、AWS EBS、および Azure Disk には該当しません。

5 メトリックの場合、ReadWriteMany (RWX) アクセスモードのファイルストレージを信頼できる方法で使用することはできません。ファイルストレージを使用する場合、メトリクスと共に使用されるように設定される永続ボリューム要求 (PVC) で RWX アクセスモードを設定しないでください。

6 ログは、ログストアの永続ストレージの設定セクションで推奨されるストレージソリューションを確認してください。NFS ストレージを永続ボリュームとして使用するか、Gluster などの NAS を介して使用すると、データが破損する可能性があります。したがって、NFS は、OpenShift Container Platform Logging の Elasticsearch ストレージおよび LokiStack ログストアではサポートされていません。ログストアごとに 1 つの永続的なボリュームタイプを使用する必要があります。

7 オブジェクトストレージは、OpenShift Container Platform の PV/PVC で消費されません。アプリは、オブジェクトストレージの REST API と統合する必要があります。

ROX1

はい4

はい4

はい

RWX2

いいえ

はい

はい

レジストリー

設定可能

設定可能

推奨

スケーリングされたレジストリー

設定不可

設定可能

推奨

メトリクス3

推奨

設定可能5

設定不可

Elasticsearch ロギング

推奨

設定可能6

サポート対象外6

Loki ロギング

設定不可

設定不可

推奨

アプリ

推奨

推奨

設定不可7

注記

スケーリングされたレジストリーは、2 つ以上の Pod レプリカが実行されている OpenShift イメージレジストリーです。

8.2.1. 特定アプリケーションのストレージの推奨事項

重要

テストにより、NFS サーバーを Red Hat Enterprise Linux (RHEL) でコアサービスのストレージバックエンドとして使用することに関する問題が検出されています。これには、OpenShift Container レジストリーおよび Quay、モニタリングストレージ用の Prometheus、ロギングストレージ用の Elasticsearch が含まれます。そのため、コアサービスで使用される PV をサポートするために RHEL NFS を使用することは推奨されていません。

他の NFS の実装ではこれらの問題が検出されない可能性があります。OpenShift Container Platform コアコンポーネントに対して実施された可能性のあるテストに関する詳細情報は、個別の NFS 実装ベンダーにお問い合わせください。

8.2.1.1. レジストリー

スケーリングされていない/高可用性 (HA) OpenShift イメージレジストリークラスターのデプロイメントでは、次のようになります。

  • ストレージ技術は、RWX アクセスモードをサポートする必要はありません。
  • ストレージ技術は、リードアフターライト (Read-After-Write) の一貫性を確保する必要があります。
  • 推奨されるストレージ技術はオブジェクトストレージであり、次はブロックストレージです。
  • ファイルストレージは、実稼働ワークロードを使用した OpenShift イメージレジストリークラスターのデプロイメントには推奨されません。

8.2.1.2. スケーリングされたレジストリー

スケーリングされた/HA OpenShift イメージレジストリークラスターのデプロイメントでは、次のようになります。

  • ストレージ技術は、RWX アクセスモードをサポートする必要があります。
  • ストレージ技術は、リードアフターライト (Read-After-Write) の一貫性を確保する必要があります。
  • 推奨されるストレージ技術はオブジェクトストレージです。
  • Red Hat OpenShift Data Foundation (ODF)、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、Google Cloud Storage (GCS)、Microsoft Azure Blob Storage、および OpenStack Swift がサポートされています。
  • オブジェクトストレージは S3 または Swift に準拠する必要があります。
  • vSphere やベアメタルインストールなどのクラウド以外のプラットフォームの場合、設定可能な技術はファイルストレージのみです。
  • ブロックストレージは設定できません。
  • OpenShift Container Platform での Network File System (NFS) ストレージの使用がサポートされています。ただし、スケーリングされたレジストリーで NFS ストレージを使用すると、既知の問題が発生する可能性があります。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション Is NFS supported for OpenShift cluster internal components in Production? を参照してください。

8.2.1.3. メトリクス

OpenShift Container Platform がホストするメトリックのクラスターデプロイメント:

  • 推奨されるストレージ技術はブロックストレージです。
  • オブジェクトストレージは設定できません。
重要

実稼働ワークロードがあるホスト型のメトリッククラスターデプロイメントにファイルストレージを使用することは推奨されません。

8.2.1.4. ロギング

OpenShift Container Platform がホストするロギングのクラスターデプロイメント:

  • Loki Operator:

    • 推奨されるストレージテクノロジーは、S3 互換のオブジェクトストレージです。
    • ブロックストレージは設定できません。
  • OpenShift Elasticsearch Operator:

    • 推奨されるストレージ技術はブロックストレージです。
    • オブジェクトストレージはサポートされていません。
注記

Logging バージョン 5.4.3 の時点で、OpenShift Elasticsearch Operator は非推奨であり、今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、この機能に対して現在のリリースライフサイクル中にバグ修正とサポートを提供しますが、拡張機能の提供はなく、この機能は今後削除される予定です。OpenShift Elasticsearch Operator を使用してデフォルトのログストレージを管理する代わりに、Loki Operator を使用できます。

8.2.1.5. アプリケーション

以下の例で説明されているように、アプリケーションのユースケースはアプリケーションごとに異なります。

  • 動的な PV プロビジョニングをサポートするストレージ技術は、マウント時のレイテンシーが低く、ノードに関連付けられておらず、正常なクラスターをサポートします。
  • アプリケーション開発者はアプリケーションのストレージ要件や、それがどのように提供されているストレージと共に機能するかを理解し、アプリケーションのスケーリング時やストレージレイヤーと対話する際に問題が発生しないようにしておく必要があります。

8.2.2. 特定のアプリケーションおよびストレージの他の推奨事項

重要

etcd などの Write 集中型ワークロードで RAID 設定を使用することは推奨しません。RAID 設定で etcd を実行している場合、ワークロードでパフォーマンスの問題が発生するリスクがある可能性があります。

  • Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) Cinder: RHOSP Cinder は ROX アクセスモードのユースケースで適切に機能する傾向があります。
  • データベース: データベース (RDBMS、NoSQL DB など) は、専用のブロックストレージで最適に機能することが予想されます。
  • etcd データベースには、大規模なクラスターを有効にするのに十分なストレージと十分なパフォーマンス容量が必要です。十分なストレージと高性能環境を確立するための監視およびベンチマークツールに関する情報は、推奨される etcd プラクティス に記載されています。
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