第6章 Virtualization と IBM Fusion Access for SAN


6.1. IBM Fusion Access for SAN の概要

6.1.1. IBM Fusion Access for SAN について

IBM Fusion Access for SAN は、エンタープライズストレージ用のスケーラブルなクラスターファイルシステムを提供するソリューションです。統合されたブロックレベルのデータストレージへのアクセスを提供することを主な目的としています。ディスクアレイなどのストレージデバイスを、直接接続されたストレージであるかのようにオペレーティングシステムに提示します。

このソリューションは、特に Red Hat OpenShift Virtualization のエンタープライズストレージ向けに設計されており、既存のストレージエリアネットワーク (SAN) インフラストラクチャーを活用します。SAN は、ローカルエリアネットワーク (LAN) 経由では通常アクセスできないストレージデバイスの専用ネットワークです。

6.1.1.1. Fusion Access for SAN を使用すべき理由

使いやすさ
Fusion Access for SAN は、ストレージクラスター、ファイルシステム、およびストレージクラスをインストールおよび設定するためのウィザードベースのユーザーインターフェイス (UI) を備えており、セットアッププロセスを簡素化します。
既存のインフラストラクチャーの活用
組織は、OpenShift Virtualization に移行したり、OpenShift Virtualization で拡張したりする際に、ファイバーチャネル (FC) や iSCSI テクノロジーなどの既存の SAN 製品を活用できます。
スケーラビリティー
ストレージクラスターは、OpenShift Container Platform クラスターと仮想マシン (VM) のワークロードに合わせて拡張できるように設計されています。6 台のベアメタルホスト上で最大約 3000 台の仮想マシンをサポートできます。ファイルシステムを追加したり、特定のストレージクラスパラメーターを使用したりすることで、さらに拡張することも可能です。
統合および共有ストレージ
SAN を使用すると、複数のサーバーが大きな共有データストレージ容量を利用できるようになります。このアーキテクチャーにより、自動データバックアップと、ストレージおよびバックアッププロセスの継続的な監視が容易になります。
高速なデータ転送
Fusion Access for SAN は、ストレージ専用の高速ネットワークを使用することで、特に大容量データの場合に従来の LAN で発生する可能性のあるデータ転送のボトルネックを解消します。
ファイルレベルのアクセス
SAN は主にブロックレベルで動作しますが、SAN ストレージ上に構築されたファイルシステムは、共有ディスクファイルシステムを通じてファイルレベルのアクセスを提供できます。
管理の一元化
基盤となる SAN ソフトウェアは、サーバー、ストレージデバイス、およびネットワークを管理し、サーバーの介入を最小限に抑えながら、ストレージデバイス間でデータを直接移動できるようにします。また、論理ユニット番号 (LUN) などの SAN コンポーネントの一元的な管理と設定もサポートしています。

6.1.2. Fusion Access for SAN の前提条件と制限事項

6.1.2.1. 前提条件

Fusion Access for SAN をインストールして設定するには、次の前提条件を満たす必要があります。

  • SAN ストレージが接続されたベアメタルワーカーノード。
  • 動作するコンテナーレジストリーが有効になっている。
  • すべてのワーカーノードが同じ LUN に接続している。

    共有 LUN は、すべてのワーカーノードが同時にアクセスする共有ディスクです。

  • Kubernetes プルシークレット。

6.1.2.2. 制限事項

  • Fusion Access for SAN の制限は、IBM Storage Scale container native の制限に依存しており、IBM Storage Scale container native のドキュメントに記載されています。
  • Hosted Control Plane (HCP) クラスターはサポートされていません。
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