2.2. user-provisioned infrastructure を使用して IBM Z および IBM LinuxONE にクラスターをインストールする準備


以下の手順を実行して、IBM Z® および IBM® LinuxONE に OpenShift Container Platform クラスターをインストールする準備をします。

  • クラスターのインターネット接続を検証します。
  • インストールプログラムをダウンロードします。

    注記

    非接続環境にインストールする場合は、ミラーリングしたコンテンツからインストールプログラムを抽出します。詳細は、非接続インストールのイメージのミラーリング を参照してください。

  • OpenShift CLI (oc) をインストールします。

    注記

    非接続環境にインストールする場合は、ミラーホストに oc をインストールします。

  • SSH キーペアを生成します。OpenShift Container Platform クラスターのデプロイ後にこのキーペアを使用して、クラスターのノードに対する認証を行うことができます。
  • DNS 解決を検証します。

2.2.1. OpenShift Container Platform のインターネットアクセス

OpenShift Container Platform 4.19 では、クラスターをインストールするためにインターネットアクセスが必要です。

次のアクションを実行するには、インターネットにアクセスできる必要があります。

  • OpenShift Cluster Manager にアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターがインターネットにアクセスでき、Telemetry を無効にしていない場合、そのサービスによってクラスターのサブスクリプションが自動的に有効化されます。
  • クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
  • クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。
重要

クラスターでインターネットに直接アクセスできない場合、プロビジョニングする一部のタイプのインフラストラクチャーでネットワークが制限されたインストールを実行できます。このプロセスで、必要なコンテンツをダウンロードし、これを使用してミラーレジストリーにインストールパッケージを設定します。インストールタイプに応じて、クラスターのインストール環境でインターネットアクセスが不要となる場合があります。クラスターを更新する前に、ミラーレジストリーのコンテンツを更新します。

2.2.2. インストールプログラムの取得

OpenShift Container Platform をインストールする前に、インストールファイルをプロビジョニングマシンにダウンロードします。

前提条件

  • Linux を実行するマシン (例: 500 MB のローカルディスク領域のある Red Hat Enterprise Linux 8) が必要です。

手順

  1. Red Hat Hybrid Cloud Console の Cluster Type ページに移動します。Red Hat アカウントがある場合は、認証情報を使用してログインします。アカウントがない場合はこれを作成します。

    ヒント
  2. ページの Run it yourself セクションからインフラストラクチャープロバイダーを選択します。
  3. OpenShift Installer のドロップダウンメニューからホストオペレーティングシステムとアーキテクチャーを選択し、Download Installer をクリックします。
  4. ダウンロードしたファイルを、インストール設定ファイルを保存するディレクトリーに配置します。

    重要
    • インストールプログラムは、クラスターのインストールに使用するコンピューターにいくつかのファイルを作成します。クラスターのインストール完了後は、インストールプログラムおよびインストールプログラムが作成するファイルを保持する必要があります。クラスターを削除するには、両方のファイルが必要です。
    • インストールプログラムで作成されたファイルを削除しても、クラスターがインストール時に失敗した場合でもクラスターは削除されません。クラスターを削除するには、特定のクラウドプロバイダー用の OpenShift Container Platform のアンインストール手順を実行します。
  5. インストールプログラムを展開します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ tar -xvf openshift-install-linux.tar.gz
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  6. Red Hat OpenShift Cluster Manager からインストールプルシークレット をダウンロードします。このプルシークレットを使用し、OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージを提供する Quay.io など、組み込まれた各種の認証局によって提供されるサービスで認証できます。
ヒント

Red Hat カスタマーポータル からインストールプログラムを取得することもできます。このページでは、ダウンロードするインストールプログラムのバージョンを指定できます。ただし、このページにアクセスするには、有効なサブスクリプションが必要です。

2.2.3. OpenShift CLI のインストール

コマンドラインインターフェイスを使用して OpenShift Container Platform と対話するために OpenShift CLI (oc) をインストールすることができます。oc は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。

重要

以前のバージョンの oc をインストールした場合、それを使用して OpenShift Container Platform のすべてのコマンドを実行することはできません。

新しいバージョンの oc をダウンロードしてインストールしてください。

2.2.3.1. Linux への OpenShift CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Linux にインストールできます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの Download OpenShift Container Platform ページに移動します。
  2. Product Variant リストからアーキテクチャーを選択します。
  3. Version リストから適切なバージョンを選択します。
  4. OpenShift v4.19 Linux Clients エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
  5. アーカイブを展開します。

    $ tar xvf <file>
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  6. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに配置します。

    PATH を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH
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検証

  • OpenShift CLI のインストール後に、oc コマンドを使用して利用できます。

    $ oc <command>
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2.2.3.2. Windows への OpenShift CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを Windows にインストールできます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの Download OpenShift Container Platform ページに移動します。
  2. Version リストから適切なバージョンを選択します。
  3. OpenShift v4.19 Windows Client エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。
  4. ZIP プログラムでアーカイブを展開します。
  5. oc バイナリーを、PATH にあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。

    C:\> path
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検証

  • OpenShift CLI のインストール後に、oc コマンドを使用して利用できます。

    C:\> oc <command>
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2.2.3.3. macOS への OpenShift CLI のインストール

以下の手順を使用して、OpenShift CLI (oc) バイナリーを macOS にインストールできます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの Download OpenShift Container Platform ページに移動します。
  2. バージョン ドロップダウンリストから適切なバージョンを選択します。
  3. OpenShift v4.19 macOS Clients エントリーの横にある Download Now をクリックして、ファイルを保存します。

    注記

    macOS arm64 の場合は、OpenShift v4.19 macOS arm64 Client エントリーを選択します。

  4. アーカイブを展開し、解凍します。
  5. oc バイナリーをパスにあるディレクトリーに移動します。

    PATH を確認するには、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。

    $ echo $PATH
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検証

  • oc コマンドを使用してインストールを確認します。

    $ oc <command>
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2.2.4. クラスターノードの SSH アクセス用のキーペアの生成

OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定できます。キーは、Ignition 設定ファイルを介して Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードに渡され、ノードへの SSH アクセスを認証するために使用されます。このキーは各ノードの core ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys リストに追加され、パスワードなしの認証が可能になります。

キーがノードに渡されると、キーペアを使用して RHCOS ノードにユーザー core として SSH を実行できます。SSH 経由でノードにアクセスするには、秘密鍵のアイデンティティーをローカルユーザーの SSH で管理する必要があります。

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行するためにクラスターノードに対して SSH を実行する場合は、インストールプロセスの間に SSH 公開鍵を指定する必要があります。./openshift-install gather コマンドでは、SSH 公開鍵がクラスターノードに配置されている必要もあります。

重要

障害復旧およびデバッグが必要な実稼働環境では、この手順を省略しないでください。

手順

  1. クラスターノードへの認証に使用するローカルマシンに既存の SSH キーペアがない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ ssh-keygen -t ed25519 -N '' -f <path>/<file_name> 
    1
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    1
    新しい SSH キーのパスとファイル名 (~/.ssh/id_ed25519 など) を指定します。既存のキーペアがある場合は、公開鍵が ~/.ssh ディレクトリーにあることを確認します。
    注記

    x86_64ppc64le、および s390x アーキテクチャーのみで FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用する OpenShift Container Platform クラスターをインストールする予定がある場合は、ed25519 アルゴリズムを使用するキーを作成しないでください。代わりに、rsa アルゴリズムまたは ecdsa アルゴリズムを使用するキーを作成します。

  2. 公開 SSH キーを表示します。

    $ cat <path>/<file_name>.pub
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    たとえば、次のコマンドを実行して ~/.ssh/id_ed25519.pub 公開鍵を表示します。

    $ cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
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  3. ローカルユーザーの SSH エージェントに SSH 秘密鍵 ID が追加されていない場合は、それを追加します。キーの SSH エージェント管理は、クラスターノードへのパスワードなしの SSH 認証、または ./openshift-install gather コマンドを使用する場合は必要になります。

    注記

    一部のディストリビューションでは、~/.ssh/id_rsa および ~/.ssh/id_dsa などのデフォルトの SSH 秘密鍵のアイデンティティーは自動的に管理されます。

    1. ssh-agent プロセスがローカルユーザーに対して実行されていない場合は、バックグラウンドタスクとして開始します。

      $ eval "$(ssh-agent -s)"
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      出力例

      Agent pid 31874
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      注記

      クラスターが FIPS モードにある場合は、FIPS 準拠のアルゴリズムのみを使用して SSH キーを生成します。鍵は RSA または ECDSA のいずれかである必要があります。

  4. SSH プライベートキーを ssh-agent に追加します。

    $ ssh-add <path>/<file_name> 
    1
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    1
    ~/.ssh/id_ed25519 などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。

    出力例

    Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)
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次のステップ

  • OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。

2.2.5. user-provisioned infrastructure の DNS 解決の検証

OpenShift Container Platform を user-provisioned infrastructure にインストールする前に、DNS 設定を検証できます。

重要

このセクションの検証手順は、クラスターのインストール前に正常に実行される必要があります。

前提条件

  • user-provisioned infrastructure に必要な DNS レコードを設定している。

手順

  1. インストールノードから、Kubernetes API、ワイルドカードルート、およびクラスターノードのレコード名に対して DNS ルックアップを実行します。応答に含まれる IP アドレスが正しいコンポーネントに対応することを確認します。

    1. Kubernetes API レコード名に対してルックアップを実行します。結果が API ロードバランサーの IP アドレスを参照することを確認します。

      $ dig +noall +answer @<nameserver_ip> api.<cluster_name>.<base_domain> 
      1
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      1
      <nameserver_ip> をネームサーバーの IP アドレスに、<cluster_name> をクラスター名に、<base_domain> をベースドメイン名に置き換えます。

      出力例

      api.ocp4.example.com.		604800	IN	A	192.168.1.5
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    2. Kubernetes 内部 API レコード名に対してルックアップを実行します。結果が API ロードバランサーの IP アドレスを参照することを確認します。

      $ dig +noall +answer @<nameserver_ip> api-int.<cluster_name>.<base_domain>
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      出力例

      api-int.ocp4.example.com.		604800	IN	A	192.168.1.5
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    3. *.apps.<cluster_name>.<base_domain> DNS ワイルドカードルックアップの例をテストします。すべてのアプリケーションのワイルドカードルックアップは、アプリケーション Ingress ロードバランサーの IP アドレスに解決する必要があります。

      $ dig +noall +answer @<nameserver_ip> random.apps.<cluster_name>.<base_domain>
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      出力例

      random.apps.ocp4.example.com.		604800	IN	A	192.168.1.5
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      注記

      出力例では、同じロードバランサーが Kubernetes API およびアプリケーションの Ingress トラフィックに使用されます。実稼働のシナリオでは、API およびアプリケーション Ingress ロードバランサーを個別にデプロイし、それぞれのロードバランサーインフラストラクチャーを分離してスケーリングすることができます。

      random は、別のワイルドカード値に置き換えることができます。たとえば、OpenShift Container Platform コンソールへのルートをクエリーできます。

      $ dig +noall +answer @<nameserver_ip> console-openshift-console.apps.<cluster_name>.<base_domain>
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      出力例

      console-openshift-console.apps.ocp4.example.com. 604800 IN	A 192.168.1.5
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    4. ブートストラップ DNS レコード名に対してルックアップを実行します。結果がブートストラップノードの IP アドレスを参照することを確認します。

      $ dig +noall +answer @<nameserver_ip> bootstrap.<cluster_name>.<base_domain>
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      出力例

      bootstrap.ocp4.example.com.		604800	IN	A	192.168.1.96
      Copy to Clipboard Toggle word wrap

    5. この方法を使用して、コントロールプレーンおよびコンピュートノードの DNS レコード名に対してルックアップを実行します。結果が各ノードの IP アドレスに対応していることを確認します。
  2. インストールノードから、ロードバランサーとクラスターノードの IP アドレスに対して逆引き DNS ルックアップを実行します。応答に含まれるレコード名が正しいコンポーネントに対応することを確認します。

    1. API ロードバランサーの IP アドレスに対して逆引き参照を実行します。応答に、Kubernetes API および Kubernetes 内部 API のレコード名が含まれていることを確認します。

      $ dig +noall +answer @<nameserver_ip> -x 192.168.1.5
      Copy to Clipboard Toggle word wrap

      出力例

      5.1.168.192.in-addr.arpa. 604800	IN	PTR	api-int.ocp4.example.com. 
      1
      
      5.1.168.192.in-addr.arpa. 604800	IN	PTR	api.ocp4.example.com. 
      2
      Copy to Clipboard Toggle word wrap

      1
      Kubernetes 内部 API のレコード名を指定します。
      2
      Kubernetes API のレコード名を指定します。
      注記

      PTR レコードは、OpenShift Container Platform アプリケーションのワイルドカードには必要ありません。アプリケーション Ingress ロードバランサーの IP アドレスに対する逆引き DNS 解決の検証手順は必要ありません。

    2. ブートストラップノードの IP アドレスに対して逆引き参照を実行します。結果がブートストラップノードの DNS レコード名を参照していることを確認します。

      $ dig +noall +answer @<nameserver_ip> -x 192.168.1.96
      Copy to Clipboard Toggle word wrap

      出力例

      96.1.168.192.in-addr.arpa. 604800	IN	PTR	bootstrap.ocp4.example.com.
      Copy to Clipboard Toggle word wrap

    3. この方法を使用して、コントロールプレーンおよびコンピュートノードの IP アドレスに対して逆引きルックアップを実行します。結果が各ノードの DNS レコード名に対応していることを確認します。
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