6.3. GCP 上での Windows マシンセットの作成
Google Cloud Platform (GCP) 上の OpenShift Container Platform クラスターで特定の機能を果たすように Windows MachineSet
オブジェクトを作成できます。たとえば、インフラストラクチャー Windows マシンセットおよび関連マシンを作成して、サポートする Windows ワークロードを新規の Windows マシンに移動できます。
6.3.1. 前提条件 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールしている。
- サポートされている Windows Server をオペレーティングシステムイメージとして使用しています。
6.3.2. Machine API の概要 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Machine API は、プライマリーリソースの組み合わせたものであり、アップストリーム Cluster API プロジェクトとカスタム OpenShift Container Platform リソースをベースとしています。
OpenShift Container Platform 4.19 クラスターの場合、Machine API はクラスターインストールの終了後にすべてのノードホストのプロビジョニングに対する管理アクションを実行します。このシステムにより、OpenShift Container Platform 4.19 はパブリックまたはプライベートのクラウドインフラストラクチャーに加え、弾力的かつ動的なプロビジョニング方法を提供します。
以下の 2 つのリソースは重要なリソースになります。
- Machines
-
ノードのホストを記述する基本的なユニットです。マシンには、複数の異なるクラウドプラットフォーム用に提供されるコンピュートノードのタイプを記述する
providerSpec
仕様があります。たとえば、コンピュートノードのマシンタイプは、特定のマシンタイプと必要なメタデータを定義する場合があります。 - マシンセット
MachineSet
リソースは、計算マシンのグループです。コンピューティングマシンセットはコンピューティングマシン用であり、レプリカセットは Pod 用です。より多くのコンピューティングマシンが必要な場合、またはそれらを縮小する必要がある場合は、コンピューティングのニーズを満たすようにMachineSet
リソースのreplicas
フィールドを変更します。警告コントロールプレーンマシンは、コンピューティングマシンセットでは管理できません。
コントロールプレーンマシンセットは、サポートされているコントロールプレーンマシンに対して、コンピュートマシンセットがコンピュートマシンに提供するものと同様の管理機能を提供します。
詳細は、「コントロールプレーンマシンの管理」を参照してください。
以下のカスタムリソースは、クラスターに機能を追加します。
- Machine Autoscaler
MachineAutoscaler
リソースは、クラウド内のコンピューティングマシンを自動的にスケーリングします。指定したコンピューティングマシンセット内のノードの最小および最大スケーリング境界を設定でき Machine Autoscaler はそのノード範囲を維持します。MachineAutoscaler
オブジェクトはClusterAutoscaler
オブジェクトの設定後に有効になります。ClusterAutoscaler
およびMachineAutoscaler
リソースは、どちらもClusterAutoscalerOperator
オブジェクトによって利用可能にされます。- Cluster Autoscaler
このリソースはアップストリームの Cluster Autoscaler プロジェクトに基づいています。OpenShift Container Platform の実装では、このリソースはコンピュートマシンセット API を拡張することで、Machine API と統合されます。クラスターオートスケーラーを使用して、次の方法でクラスターを管理できます。
- コア、ノード、メモリー、GPU などのリソースに対してクラスター全体のスケーリング制限を設定
- クラスターが Pod に優先順位を付け、重要度の低い Pod のために新しいノードがオンラインにならないように、優先順位を設定します。
- ノードをスケールアップできるがスケールダウンできないようにスケーリングポリシーを設定
- マシンのヘルスチェック
-
MachineHealthCheck
リソースはマシンの正常でない状態を検知し、マシンを削除し、サポートされているプラットフォームでは新規マシンを作成します。
OpenShift Container Platform バージョン 3.11 では、クラスターでマシンのプロビジョニングが管理されないためにマルチゾーンアーキテクチャーを容易にデプロイメントすることができませんでした。しかし、OpenShift Container Platform バージョン 4.1 以降、このプロセスはより簡単になりました。各コンピュートマシンセットのスコープは 1 つのゾーンに限定されるため、インストールプログラムはユーザーに代わって複数のアベイラビリティゾーンにコンピューティングマシンセットを送信します。さらに、コンピューティングは動的に展開されるため、ゾーンに障害が発生した場合の、マシンのリバランスが必要な場合に使用するゾーンを常に確保できます。複数のアベイラビリティーゾーンを持たないグローバル Azure リージョンでは、アベイラビリティーセットを使用して高可用性を確保できます。Autoscaler はクラスターの有効期間中にベストエフォートでバランシングを提供します。
6.3.3. GCP の Windows MachineSet オブジェクトのサンプル YAML リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
このサンプル YAML ファイルは、Windows Machine Config Operator (WMCO) が使用できる Google Cloud Platform (GCP) で実行される Windows MachineSet
オブジェクトを定義します。
- 1 3 5 10
- クラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID を基にするインフラストラクチャー ID を指定します。以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。
oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster
$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 2 4 6
- インフラストラクチャー ID、ワーカーラベル、およびゾーンさフィックス (
a
など) を指定します。 - 7
- Windows マシンとしてマシンセットを設定します。
- 8
- Windows ノードをコンピュートマシンとして設定します。
- 9
- サポートされているバージョンの Windows Server のイメージへのフルパスを指定します。
- 11
- このクラスターが作成された GCP プロジェクトを指定します。
- 12
- GCP リージョン (
us-central1
など) を指定します。 - 13
- 最初の Windows マシンの設定時に WMCO によって作成されます。その後、後続のすべてのマシンセットで
windows-user-data
を消費できるようになります。 - 14
- 選択したリージョン内のゾーン (
us-central1-a
など) を指定します。
6.3.4. コンピュートマシンセットの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
インストールプログラムによって作成されるコンピュートセットセットに加えて、独自のマシンセットを作成して、選択した特定のワークロードのマシンコンピューティングリソースを動的に管理できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして、oc
にログインする。
手順
コンピュートマシンセットのカスタムリソース (CR) サンプルを含む新しい YAML ファイルを作成し、
<file_name>.yaml
という名前を付けます。<clusterID>
および<role>
パラメーターの値を設定していることを確認します。オプション: 特定のフィールドに設定する値がわからない場合は、クラスターから既存のコンピュートマシンセットを確認できます。
クラスター内のコンピュートマシンセットをリスト表示するには、次のコマンドを実行します。
oc get machinesets -n openshift-machine-api
$ oc get machinesets -n openshift-machine-api
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 特定のコンピュートマシンセットカスタムリソース (CR) 値を表示するには、以下のコマンドを実行します。
oc get machineset <machineset_name> \ -n openshift-machine-api -o yaml
$ oc get machineset <machineset_name> \ -n openshift-machine-api -o yaml
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
次のコマンドを実行して
MachineSet
CR を作成します。oc create -f <file_name>.yaml
$ oc create -f <file_name>.yaml
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
次のコマンドを実行して、コンピュートマシンセットのリストを表示します。
oc get machineset -n openshift-machine-api
$ oc get machineset -n openshift-machine-api
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 新しいコンピュートマシンセットが利用可能になると、
DESIRED
とCURRENT
の値が一致します。コンピュートマシンセットが使用できない場合は、数分待ってからコマンドを再実行してください。