10.7. Zero Trust Workload Identity Manager の create-only モードの有効化


create-only モードを有効にすると、Operator のリコンシリエーションを一時停止することができます。これにより、コントローラーによる変更の上書きを避けながら、手動での設定やデバッグを実行できます。有効化は、Operator によって管理される API リソースにアノテーションを付けることによって行います。create-only モードが役立つ可能性がある状況の例を以下に示します。

手動カスタマイズが必要: Operator のデフォルトとは異なる特定の設定で、Operator によって管理されるリソース (ConfigMap、Deployment、DaemonSet など) をカスタマイズする必要がある場合

Day 2 オペレーション: 初期デプロイ後、後続のリコンシリエーションサイクル中に、手動で行った変更が Operator によって上書きされるのを防ぐ必要がある場合

設定ドリフトの防止: Operator によるライフサイクル管理を活用しながら、特定のリソース設定に対する制御を維持する場合

10.7.1. アノテーションによる Operator のリコンシリエーションの一時停止

アノテーションによるリコンシリエーションは、SpireServerSpireAgentSpiffeCSIDriverSpireOIDCDiscoveryProvider、および ZeroTrustWorkloadIdentityManager カスタムリソースでサポートされています。アノテーションを追加することで、リコンシリエーションプロセスを一時停止できます。

前提条件

  • マシンに Zero Trust Workload Identity Manager がインストールされている。
  • SPIRE Server、Agent、SPIFFE Container Storage Interface (CSI)、および OpenID Connect (OIDC) Discovery Provider がインストールされ、実行中のステータスになっている。

手順

  • SpireServer カスタムリソースのリコンシリエーションを一時停止するには、次のコマンドを実行して、cluster という名前のオブジェクトに create-only アノテーションを追加します。

    $ oc annotate SpireServer cluster -n zero-trust-workload-identity-manager ztwim.openshift.io/create-only=true
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検証

  • SpireServer リソースのステータスをチェックして、create-only モードがアクティブであることを確認します。statustrue で、reasonCreateOnlyModeEnabled である必要があります。

    $ oc get SpireServer cluster -o yaml
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出力例

status:
  conditions:
  - lastTransitionTime: "2025-09-03T12:13:39Z"
    message: Create-only mode is enabled via ztwim.openshift.io/create-only annotation
    reason: CreateOnlyModeEnabled
    status: "True"
    type: CreateOnlyMode
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10.7.2. アノテーションによる Operator のリコンシリエーションの再開

手順

リコンシリエーションプロセスを再開するには、次の手順に従います。

  1. oc annotate コマンドを実行し、アノテーション名の末尾にハイフン (-) を追加します。これにより、クラスターリソースからアノテーションが削除されます。

    $ oc annotate SpireServer cluster -n zero-trust-workload-identity-manager ztwim.openshift.io/create-only-
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  2. 次のコマンドを実行してコントローラーを再起動します。

    $ oc rollout restart deploy/zero-trust-workload-identity-manager-controller-manager -n zero-trust-workload-identity-manager
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検証

  • SpireServer リソースのステータスをチェックして、create-only モードが無効になっていることを確認します。statusfalse で、reasonCreateOnlyModeDisabled である必要があります。

    $ oc get SpireServer cluster -o yaml
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出力例

status:
  conditions:
  - lastTransitionTime: "2025-09-03T12:13:39Z"
    message: Create-only mode is enabled via ztwim.openshift.io/create-only annotation
    reason: CreateOnlyModeDisabled
    status: "False"
    type: CreateOnlyMode
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create-only モードを有効にすると、アノテーションが削除されても、Operator Pod が再起動するまでモードが維持されます。このモードを終了するには、アノテーションを削除または設定解除して、Operator Pod を再起動する必要がある場合があります。

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