10.2. Zero Trust Workload Identity Manager のリリースノート
Zero Trust Workload Identity Manager は、Secure Production Identity Framework for Everyone (SPIFFE) と SPIFFE Runtime Environment (SPIRE) を活用して、分散システム向けの包括的な Identity Management ソリューションを提供するものです。Zero Trust Workload Identity Manager は、オペランドとして動作する SPIRE バージョン 1.12.4 をサポートしています。
以下のリリースノートは、Zero Trust Workload Identity Manager の開発履歴を記録したものです。
Zero Trust Workload Identity Manager はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
10.2.1. Zero Trust Workload Identity Manager 0.2.0 (テクノロジープレビュー)
発行日: 2025 年 9 月 8 日
Zero Trust Workload Identity Manager では、次のアドバイザリーが利用可能です。
Zero Trust Workload Identity Manager のこのリリースはテクノロジープレビューです。
10.2.1.1. 新機能および機能拡張
10.2.1.1.1. マネージド OIDC Discovery Provider ルートのサポート
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									Operator は、デフォルトのインストール設定が選択された場合、*.apps.<cluster_domain>ドメイン配下で、OpenShift ルートを介してSPIREOIDCDiscoveryProvider仕様を公開します。
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									managedRouteおよびexternalSecretRefフィールドがspireOidcDiscoveryProvider仕様に追加されました。
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									managedRouteフィールドはブール値であり、デフォルトではtrueに設定されています。falseに設定すると、Operator がルートの管理を停止し、既存のルートが自動的に削除されません。trueに戻すと、Operator がルートの管理を再開します。ルートが存在しない場合は、Operator が新しいルートを作成します。ルートがすでに存在する場合に競合が存在すると、Operator はユーザー設定をオーバーライドします。
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									externalSecretRefは、oidc-discovery-providerルートホストの TLS 証明書を持つ外部管理の Secret を参照します。指定すると、ルートの.Spec.TLS.ExternalCertificateフィールドに値が設定されます。詳細は、外部管理証明書を使用したルートの作成 を参照してください。
10.2.1.1.2. SPIRE バンドルのカスタム認証局の Time-To-Live を有効にする
- SPIRE Server 証明書管理用の - SpireServerカスタムリソース定義 (CRD) API に、次の Time-To-Live (TTL) フィールドが追加されました。- 
											CAValidity(デフォルト: 24h)
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											DefaultX509Validity(デフォルト: 1h)
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											DefaultJWTValidity(デフォルト: 5m)
 
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- サーバー設定で、デフォルト値をユーザーが設定可能なオプションに置き換えることができます。これにより、ユーザーは証明書と SPIFFE Verifiable Identity Document (SVID) の有効期間を、セキュリティー要件に基づいて柔軟にカスタマイズできます。
10.2.1.1.3. 手動ユーザー設定の有効化
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									Operator の API に ztwim.openshift.io/create-only=trueアノテーションが存在すると、Operator コントローラーがcreate-onlyモードに切り替わります。これにより、更新をスキップしながらリソースを作成できます。ユーザーはリソースを手動で更新して設定をテストできます。このアノテーションは、SpireServer、SpireAgents、SpiffeCSIDriver、SpireOIDCDiscoveryProvider、ZeroTrustWorkloadIdentityManagerなどの API をサポートしています。
- このアノテーションが適用されると、Operator によって作成および管理されるリソースを含むすべての派生リソースが一時停止します。
- アノテーションが削除され、Pod が再起動すると、Operator は必要な状態に戻ろうとします。アノテーションは起動時または再起動時に 1 回だけ適用されます。
10.2.1.2. バグ修正
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								この更新前は、SpireServerとSpireOidcDiscoveryProvider両方のJwtIssuerフィールドが URL である必要がなかったため、設定でエラーが発生していました。このリリースでは、ユーザーは両方のカスタムリソースのJwtIssuerフィールドに発行者 URL を手動で入力する必要があります。(SPIRE-117)
10.2.2. Zero Trust Workload Identity Manager 0.1.0 (テクノロジープレビュー)
発行日: 2025 年 6 月 16 日
Zero Trust Workload Identity Manager では、次のアドバイザリーが利用可能です。
Zero Trust Workload Identity Manager のこの初回リリースは、テクノロジープレビューです。このバージョンには次の既知の制限があります。
- SPIRE フェデレーションのサポートが有効ではありません。
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							キーマネージャーは diskストレージタイプのみをサポートします。
- テレメトリーは Prometheus を通じてのみサポートされます。
- SPIRE Server または OpenID Connect (OIDC) ディスカバリープロバイダーの高可用性 (HA) 設定はサポートされていません。
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							外部データストアはサポートされていません。このバージョンでは、SPIRE によってデプロイされる内部 sqliteデータストアを使用します。
- このバージョンは固定の設定を使用して動作します。ユーザー定義の設定は許可されません。
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							オペランドのログレベルは設定できません。デフォルト値は DEBUGです。