第6章 ブートイメージ管理


Google Cloud Platform (GCP) および Amazon Web Services (AWS) クラスターの場合、デフォルトでは、Machine Config Operator (MCO) がノードのスケールアップに使用されるブートイメージを管理および更新します。つまり、デフォルトでは、クラスターをアップグレードするたびに、MCO によってブートイメージが更新されます。

その他のすべてのプラットフォームでは、MCO はクラスターの更新ごとにブートイメージを更新しません。

6.1. ブートイメージ管理について

デフォルトでは、Google Cloud Platform (GCP) および Amazon Web Services (AWS) クラスターの場合、クラスターを更新するたびに、Machine Config Operator (MCO) がクラスター内のマシンセットのブートイメージを更新します。

GCP および AWS の場合、必要に応じてブートイメージ管理機能を無効化できます。この機能が無効になっていると、ブートイメージはクラスターで更新されなくなります。たとえば、この機能を無効にすると、クラスターが元々 OpenShift Container Platform 4.16 で作成されていた場合、クラスターがそれ以降のバージョンであっても、MCO がノードの作成に使用するブートイメージは同じ 4.16 バージョンになります。

ただし、古いブートイメージを使用すると、次の問題が発生する可能性があります。

  • ノードの起動に余分に時間がかかる
  • 証明書の有効期限の問題が発生する
  • バージョンスキューの問題が発生する

この機能を無効にする方法は、「ブートイメージ管理を無効にする」を参照してください。この機能を無効にした場合は、いつでも再有効化できます。詳細は、「ブートイメージ管理を有効にする」を参照してください。

注記

ブートイメージ管理を設定する機能は、GCP および AWS クラスターでのみ使用できます。Cluster CAPI Operator によって管理されるクラスターではサポートされません。

機能を無効化した後、または再有効化した後のクラスターの動作は、次のシナリオを含め、変更を行ったタイミングによって異なります。

  • 新しい OpenShift Container Platform バージョンに更新する前にこの機能を無効にすると、次のようになります。

    • マシンセットで使用されるブートイメージのバージョンは、機能が無効にされたときと同じ OpenShift Container Platform バージョンのままになります。
    • ノードをスケールアップすると、新しいノードは同じ OpenShift Container Platform バージョンを使用します。
  • 新しい OpenShift Container Platform バージョンに更新した後にこの機能を無効にすると、次のようになります。

    • マシンセットで使用されるブートイメージバージョンは、更新された OpenShift Container Platform バージョンと一致するように更新されます。
    • ノードをスケールアップすると、新しいノードは更新された OpenShift Container Platform バージョンを使用します。
    • 新しい OpenShift Container Platform バージョンに更新すると、マシンセット内のブートイメージのバージョンは、現在のバージョンのままとなり、クラスターとともに更新されません。
  • 機能を無効にした後に有効にすると、次のようになります。

    • マシンセットで使用されるブートイメージバージョンが異なる場合は、現在の OpenShift Container Platform バージョンに更新されます。
    • ノードをスケールアップすると、新しいノードはクラスター内の現在の OpenShift Container Platform バージョンを使用します。
注記

ブートイメージはノードがスケールアップされるときにのみ使用されるため、この機能は既存のノードには影響しません。

クラスターで使用されている現在のブートイメージを表示するには、マシンセットを調べます。

注記

マシンセット内のブートイメージの場所と形式は、プラットフォームによって異なります。ただし、ブートイメージは常に spec.template.spec.providerSpec. パラメーターにリスト表示されます。

ブートイメージ参照を含む GCP マシンセットの例

apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
kind: MachineSet
metadata:
  name: ci-ln-hmy310k-72292-5f87z-worker-a
  namespace: openshift-machine-api
spec:
# ...
  template:
# ...
    spec:
# ...
      providerSpec:
# ...
        value:
          disks:
          - autoDelete: true
            boot: true
            image: projects/rhcos-cloud/global/images/rhcos-412-85-202203181601-0-gcp-x86-64 
1

# ...
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このブートイメージは、クラスターの現在のバージョンに関係なく、最初にインストールされた OpenShift Container Platform バージョン (この例では OpenShift Container Platform 4.12) と同じです。providerSpec フィールドの構造はプラットフォームごとに異なるため、マシンセット内でブートイメージが表現される方法はプラットフォームによって異なります。

ブートイメージ参照を含む AWS マシンセットの例

apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
kind: MachineSet
metadata:
  name: ci-ln-hmy310k-72292-5f87z-worker-a
  namespace: openshift-machine-api
spec:
# ...
  template:
# ...
    spec:
# ...
      providerSpec:
         value:
          ami:
            id: ami-0e8fd9094e487d1ff
# ...
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重要

ブートイメージ管理を有効にするマシンセットのいずれかが Ignition バージョン 2.2.0 に基づく *-user-data シークレットを使用している場合、この機能を有効にすると、Machine Config Operator によって Ignition バージョンが 3.4.0 に変換されます。OpenShift Container Platform バージョン 4.5 以下では、Ignition バージョン 2.2.0 が使用されます。この変換が失敗すると、MCO またはクラスターのパフォーマンスが低下する可能性があります。oc get ClusterOperator machine-config コマンドの出力に、err: converting ignition stub failed: failed to parse Ignition config を含むエラーメッセージが追加されました。この問題を修正するには、次の一般的な手順を実行します。

  1. ブートイメージ管理機能を無効にします。詳細は、「ブートイメージ管理を無効にする」を参照してください。
  2. Ignition バージョン 3.2.0 を使用するには、*-user-data シークレットを手動で更新します。
  3. ブートイメージ管理機能を有効にします。詳細は、「ブートイメージ管理を有効にする」を参照してください。
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