第6章 SiteConfig CR から ClusterInstance CR への移行
シングルノードの OpenShift クラスターを SiteConfig カスタムリソース (CR) から ClusterInstance CR に段階的に移行できます。移行中は、既存のパイプラインと新しいパイプラインが並行して実行されるため、制御された段階的な方法で一度に 1 つ以上のクラスターを移行できます。
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SiteConfigCR は OpenShift Container Platform バージョン 4.18 から非推奨となり、今後のバージョンでは削除される予定です。 -
ClusterInstanceCR は、Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) バージョン 2.12 以降で利用できます。
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ClusterInstance CR は、クラスターを定義するためのより統一された汎用的な方法を提供します。これは、GitOps ZTP ワークフローでクラスターデプロイメントを管理するための推奨される方法です。ClusterInstance カスタムリソース (CR) を管理する SiteConfig Operator は、Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) 内のアドオンとして出荷される開発が完了したコントローラーです。
SiteConfig Operator は ClusterInstance オブジェクトの更新のみをリコンサイルします。コントローラーは、非推奨の SiteConfig オブジェクトを監視または管理しません。
SiteConfig CR から ClusterInstance CR への移行により、スケーラビリティーの強化や、クラスターパラメーターとクラスターデプロイメント方法の明確な分離など、いくつかの点が改善されました。これらの改善点と SiteConfig Operator の詳細は、SiteConfig を参照してください。
移行プロセスには、大まかに次のステップが含まれます。
- リポジトリーに新しい Git フォルダー構造を準備し、対応する Argo CD プロジェクトとアプリケーションを作成して、並列パイプラインを設定します。
クラスターを段階的に移行するには、まず、古いパイプラインから関連する
SiteConfigCR を削除します。次に、対応するClusterInstanceCR を新しいパイプラインに追加します。注記初期 Argo CD アプリケーションで
prune=false同期ポリシーを使用すると、このアプリケーションからターゲットクラスターを削除した後でも、このパイプラインによって管理されるリソースはそのまま残ります。このアプローチにより、既存のクラスターリソースは移行プロセス中も確実に動作を継続します。-
必要に応じて、
siteconfig-converterツールを使用して、既存のSiteConfigCR をClusterInstanceCR に自動的に変換します。
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必要に応じて、
- クラスターの移行が完了したら、元の Argo プロジェクトとアプリケーションを削除し、関連するリソースをクリーンアップします。
次のセクションでは、サンプルクラスターである sno1 を、SiteConfig CR から ClusterInstance CR に移行する方法について説明します。
この移行例の基礎として、次の Git リポジトリーフォルダー構造が使用されます。