6.2. 開発者としてアラートを管理する


OpenShift Container Platform では、アラート UI を使用してアラート、サイレンス、およびアラートルールを管理できます。

注記

アラート UI で利用可能なアラート、サイレンス、およびアラートルールは、アクセス可能なプロジェクトに関連付けられます。

6.2.1. Developer パースペクティブからのアラート UI へのアクセス

アラート UI には、OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブからアクセスできます。

  • Developer パースペクティブから、ObserveAlerts タブの順に移動します。
  • Project: リストからアラートを管理するプロジェクトを選択します。

このパースペクティブのアラートでは、サイレンスおよびアラートルールはすべて Alerts タブで管理されます。Alerts タブに表示される結果は、選択したプロジェクトに固有のものです。

注記

Developer パースペクティブでは、コア OpenShift Container Platform と、Project: <project_name> リスト内のアクセス可能なユーザー定義プロジェクトから選択できます。ただし、クラスター管理者としてログインしていない場合、コア OpenShift Container Platform プロジェクトに関連するアラート、サイレンス、およびアラートルールは表示されません。

アラート UI は、アラートおよびそれらを規定するアラートルールおよびサイレンスの詳細情報を提供します。

前提条件

  • アラートを表示しているプロジェクトの表示権限を持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。

手順

アラート、サイレンス、アラートルールに関する情報を取得します。

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブから、Observe <project_name> Alerts ページに移動します。
  2. アラート、サイレンス、またはアラートルールの詳細を表示します。

    • Alert details を表示するには、アラート名の横にある大なり記号 (>) をクリックし、リストからアラートを選択します。
    • Silence details を表示するには、Alert details ページの Silenced by セクションでサイレンスを選択します。Silence details ページには、以下の情報が含まれます。

      • アラート仕様
      • 開始時間
      • 終了時間
      • サイレンス状態
      • 発生するアラートの数およびリスト
    • Alerting rule details を表示するには、Alerts ページのアラートの横にある kebab メニューをクリックし、View Alerting Rule をクリックします。
注記

選択したプロジェクトに関連するアラート、サイレンスおよびアラートルールのみが Developer パースペクティブに表示されます。

6.2.3. サイレンスの管理

OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブでアラートのサイレンスを作成できます。サイレンスを作成した後、それらを表示、編集、および期限切れにすることができます。また、アラートが発生しても、サイレンスが適用されたアラートに関する通知は届きません。

注記

サイレンスを作成すると、それらは Alertmanager Pod 全体に複製されます。ただし、Alertmanager の永続ストレージを設定しないと、サイレンスが失われる可能性があります。これは、たとえば、すべての Alertmanager Pod が同時に再起動した場合に発生する可能性があります。

6.2.3.1. Developer パースペクティブからアラートをサイレントにする

特定のアラート、または定義する仕様に一致するアラートのいずれかをサイレントにすることができます。

前提条件

  • クラスター管理者の場合は、cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。
  • 管理者以外のユーザーの場合は、次のユーザーロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。

    • Alertmanager へのアクセスを許可する cluster-monitoring-view クラスターロール。
    • monitoring-alertmanager-edit ロール。これにより、Web コンソールの Administrator パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。
    • monitoring-rules-edit クラスターロール。これにより、Web コンソールの Developer パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。

手順

特定のアラートをサイレントにするには、以下を実行します。

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブから、Observe に移動し、Alerts タブに移動します。
  2. Project: リストからアラートをサイレントにするプロジェクトを選択します。
  3. 必要に応じて、アラート名の横にある大なり記号 (>) をクリックし、アラートの詳細を展開します。
  4. 展開されたビューでアラートメッセージをクリックすると、そのアラートの Alert details ページが開きます。
  5. Silence alert をクリックして、アラートのデフォルト設定を含む Silence alert ページを開きます。
  6. オプション: サイレンスのデフォルト設定の詳細を変更します。

    注記

    サイレンスを保存する前にコメントを追加する必要があります。

  7. サイレンスを保存するには、Silence をクリックします。

一連のアラートをサイレントにします。

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブから、Observe に移動し、Silences タブに移動します。
  2. Project: リストから、アラートをサイレントにするプロジェクトを選択します。
  3. Create silence をクリックします。
  4. Create silence ページで、アラートの期間とラベルの詳細を設定します。

    注記

    サイレンスを保存する前にコメントを追加する必要があります。

  5. 入力したラベルと一致するアラートのサイレンスを作成するには、Silence をクリックします。

6.2.3.2. Developer パースペクティブからサイレンス設定を編集する

サイレンスを編集すると、既存のサイレンスが期限切れになり、変更された設定で新しいサイレンスが作成されます。

前提条件

  • クラスター管理者の場合は、cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。
  • 管理者以外のユーザーの場合は、次のユーザーロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。

    • Alertmanager へのアクセスを許可する cluster-monitoring-view クラスターロール。
    • monitoring-rules-edit クラスターロール。これにより、Web コンソールの Developer パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。

手順

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブから、Observe に移動し、Silences タブに移動します。
  2. Project: リストからサイレンス設定を編集するプロジェクトを選択します。
  3. 変更するサイレンスの kebab をクリックして Edit silence を選択します。

    または、Actions をクリックし、サイレンスの Silence details ページで Edit silence を選択することもできます。

  4. Edit silence ページで変更を加え、Silence をクリックします。これにより、既存のサイレンスが期限切れになり、更新された設定でサイレンスが作成されます。

6.2.3.3. Developer パースペクティブからサイレンスの有効期限を設定する

単一のサイレンスまたは複数のサイレンスを期限切れにすることができます。サイレンスを期限切れにすると、そのサイレンスは永久に非アクティブ化されます。

注記

サイレンスが適用された期限切れのアラートは削除できません。120 時間を超えて期限切れになったサイレンスはガベージコレクションされます。

前提条件

  • クラスター管理者の場合は、cluster-admin ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。
  • 管理者以外のユーザーの場合は、次のユーザーロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。

    • Alertmanager へのアクセスを許可する cluster-monitoring-view クラスターロール。
    • monitoring-rules-edit クラスターロール。これにより、Web コンソールの Developer パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。

手順

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールの Developer パースペクティブから、Observe に移動し、Silences タブに移動します。
  2. Project: リストから、サイレンスを期限切れにするプロジェクトを選択します。
  3. 期限切れにするサイレンスについては、対応する行のチェックボックスを選択します。
  4. Expire 1 silence をクリックして選択した 1 つのサイレンスを期限切れにするか、Expire <n> silences をクリックして複数の沈黙を期限切れにします (<n> は選択した沈黙の数になります)。

    または、単一の沈黙を期限切れにするには、Actions をクリックし、サイレンスの Silence details ページで Expire silence を選択します。

6.2.4. ユーザー定義プロジェクトのアラートルールの管理

OpenShift Container Platform では、ユーザー定義プロジェクトのアラートルールを作成、表示、編集、削除できます。これらのアラートルールは、選択したメトリクスの値に基づいてアラートをトリガーします。

6.2.4.1. ユーザー定義プロジェクトのアラートルールの作成

ユーザー定義のプロジェクトに対してアラートルールを作成できます。これらのアラートルールは、選択したメトリクスの値に基づいてアラートをトリガーします。

注記

ユーザーがアラートの影響と原因を理解できるように、アラートルールにアラートメッセージと重大度値が含まれていることを確認します。

前提条件

  • ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効化されている。
  • アラートルールを作成するプロジェクトのクラスター管理者または monitoring-rules-edit クラスターロールを持つユーザーとしてログインする。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  1. アラートルールの YAML ファイルを作成します。この例では、example-app-alerting-rule.yaml という名前です。
  2. アラートルール設定を YAML ファイルに追加します。以下の例では、example-alert という名前の新規アラートルールを作成します。アラートルールは、サンプルサービスによって公開される version メトリクスが 0 になるとアラートを実行します。

    apiVersion: monitoring.coreos.com/v1
    kind: PrometheusRule
    metadata:
      name: example-alert
      namespace: ns1
    spec:
      groups:
      - name: example
        rules:
        - alert: VersionAlert 
    1
    
          for: 1m 
    2
    
          expr: version{job="prometheus-example-app"} == 0 
    3
    
          labels:
            severity: warning 
    4
    
          annotations:
            message: This is an example alert. 
    5
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    1
    作成する必要のあるアラートルールの名前。
    2
    アラートが発せられる前に条件が真である必要がある期間。
    3
    新規ルールを定義する PromQL クエリー式。
    4
    アラートルールがアラートに割り当てる重大度。
    5
    アラートに関連付けられたメッセージ。
  3. 設定ファイルをクラスターに適用します。

    $ oc apply -f example-app-alerting-rule.yaml
    Copy to Clipboard Toggle word wrap

6.2.4.2. ユーザー定義プロジェクトのクロスプロジェクトアラートルールの作成

user-workload-monitoring-config config map でプロジェクトを設定することにより、元のプロジェクトにバインドされないアラートルールを作成できます。このプロジェクトで作成された PrometheusRule オブジェクトは、すべてのプロジェクトに適用できます。

そのため、各ユーザープロジェクトに個別の PrometheusRule オブジェクトを用意する代わりに、複数のユーザー定義プロジェクトに適用される汎用のアラートルールを設定できます。PrometheusRule オブジェクトで PromQL クエリーを使用すると、アラートルールに追加または除外するプロジェクトをフィルタリングできます。

前提条件

  • クラスター管理者の場合は、cluster-admin クラスターロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
  • 管理者以外のユーザーの場合は、次のユーザーロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。

    • user-workload-monitoring-config config map を編集するための、openshift-user-workload-monitoring プロジェクトの user-workload-monitoring-config-edit ロール。
    • アラートルールを作成するプロジェクトの monitoring-rules-edit クラスターロール。
  • クラスター管理者は、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にしている。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  1. openshift-user-workload-monitoring プロジェクトで user-workload-monitoring-config config map を編集します。

    $ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
  2. 特定のプロジェクトにバインドされないアラートルールを作成するプロジェクトを設定します。

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: user-workload-monitoring-config
      namespace: openshift-user-workload-monitoring
    data:
      config.yaml: |
        namespacesWithoutLabelEnforcement: [ <namespace1>, <namespace2> ] 
    1
    
        # ...
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    1
    クロスプロジェクトアラートルールを作成するプロジェクトを 1 つ以上指定します。ユーザー定義のモニタリング用の Prometheus および Thanos Ruler は、これらのプロジェクトで作成された PrometheusRule オブジェクトの namespace ラベルを適用しません。そのため、PrometheusRule オブジェクトはすべてのプロジェクトに適用できます。
  3. アラートルールの YAML ファイルを作成します。この例では、example-cross-project-alerting-rule.yaml という名前です。
  4. アラートルール設定を YAML ファイルに追加します。次の例では、example-security という名前の新しいクロスプロジェクトアラートルールを作成します。ユーザープロジェクトが制限付き Pod セキュリティーポリシーを適用しない場合、このアラートルールが起動します。

    クロスプロジェクトアラートルールの例

    apiVersion: monitoring.coreos.com/v1
    kind: PrometheusRule
    metadata:
      name: example-security
      namespace: ns1 
    1
    
    spec:
      groups:
        - name: pod-security-policy
          rules:
            - alert: "ProjectNotEnforcingRestrictedPolicy" 
    2
    
              for: 5m 
    3
    
              expr: kube_namespace_labels{namespace!~"(openshift|kube).*|default",label_pod_security_kubernetes_io_enforce!="restricted"} 
    4
    
              annotations:
                message: "Restricted policy not enforced. Project {{ $labels.namespace }} does not enforce the restricted pod security policy." 
    5
    
              labels:
                severity: warning 
    6
    Copy to Clipboard Toggle word wrap

    1
    必ず namespacesWithoutLabelEnforcement フィールドで定義したプロジェクトを指定します。
    2
    作成する必要のあるアラートルールの名前。
    3
    アラートが発せられる前に条件が真である必要がある期間。
    4
    新規ルールを定義する PromQL クエリー式。namespace ラベルにラベルマッチャーを使用すると、アラートルールに追加および除外するプロジェクトをフィルタリングできます。
    5
    アラートに関連付けられたメッセージ。
    6
    アラートルールがアラートに割り当てる重大度。
    重要

    namespacesWithoutLabelEnforcement フィールドで指定したプロジェクトのうちの 1 つにだけ、特定のクロスプロジェクトアラートルールを作成してください。複数のプロジェクトで同じクロスプロジェクトアラートルールを作成すると、アラートが繰り返し発生します。

  5. 設定ファイルをクラスターに適用します。

    $ oc apply -f example-cross-project-alerting-rule.yaml
    Copy to Clipboard Toggle word wrap

6.2.4.3. ユーザー定義プロジェクトのアラートルールへのアクセス

ユーザー定義プロジェクトのアラートルールを一覧表示するには、プロジェクトの monitoring-rules-view クラスターロールが割り当てられている必要があります。

前提条件

  • ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効化されている。
  • プロジェクトの monitoring-rules-view クラスターロールを持つユーザーとしてログインしている。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  1. <project> でアラートルールを一覧表示するには、以下を実行します。

    $ oc -n <project> get prometheusrule
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
  2. アラートルールの設定をリスト表示するには、以下を実行します。

    $ oc -n <project> get prometheusrule <rule> -o yaml
    Copy to Clipboard Toggle word wrap

6.2.4.4. ユーザー定義プロジェクトのアラートルールの削除

ユーザー定義プロジェクトのアラートルールを削除できます。

前提条件

  • ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効化されている。
  • アラートルールを作成するプロジェクトのクラスター管理者または monitoring-rules-edit クラスターロールを持つユーザーとしてログインする。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  • <namespace> 内のルール <alerting_rule> を削除するには、次のコマンドを実行します。

    $ oc -n <namespace> delete prometheusrule <alerting_rule>
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