13.3. ネットワークの最適化


OVN-Kubernetes は、Geneve と同様のプロトコル Generic Network Virtualization Encapsulation (Geneve)を使用して、ノード間のトラフィックをトンネルします。このネットワークは、ネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) オフロードを使用して調整できます。

Geneve は、ネットワークを 4096 から 1600 万以上に増加したり、物理ネットワーク全体でレイヤー 2 接続を実現したりするなど、VLAN を超える利点を提供します。これにより、異なるシステム上で実行されている場合でも、サービスの背後にある Pod すべてが相互に通信できるようになります。

OpenShift Container Platform を実行するクラウド環境、仮想環境、ベアメタル環境では、最小限のチューニングで NIC の機能の大部分を使用できます。OVN-Kubernetes と Geneve トンネリングを使用する実稼働クラスターは、特別な設定なしで、高スループットのトラフィックを効率的に処理し、スケールアップ (100 Gbps NIC の利用など) およびスケールアウト (NIC の追加など) を行うことができます。

効率の最大化が重要な一部の高パフォーマンス環境では、ターゲットを絞ったパフォーマンスチューニングによって、CPU 使用率を最適化し、オーバーヘッドを削減し、NIC の機能を最大限に活用できます。

最大スループットと CPU 効率が重要な環境では、次の方法を使用してパフォーマンスをさらに最適化できます。

  • iPerf3k8s-netperf などのツールを使用してネットワークのパフォーマンスを検証します。これらのツールを使用すると、Pod およびノードインターフェイス全体のスループット、レイテンシー、および 1 秒あたりのパケット数 (PPS) を評価できます。
  • Border Gateway Protocol (BGP) などの OVN-Kubernetes ユーザー定義ネットワーク (UDN) ルーティング手法を評価します。
  • Geneve オフロード対応ネットワークアダプターを使用します。Geneve オフロードは、システムの CPU から、パケットのチェックサム計算と関連の CPU オーバーヘッドを、ネットワークアダプター上の専用のハードウェアに移動します。これにより、CPU サイクルが解放され、Pod やアプリケーションで使用できるようになります。また、ネットワークインフラストラクチャーの全帯域幅をユーザーが使用できるようになります。

13.3.1. ネットワークでの MTU の最適化

重要な Maximum Transmission Unit (MTU) が 2 つあります。1 つはネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) MTU で、もう 1 つはクラスターネットワーク MTU です。

NIC の MTU は OpenShift Container Platform のインストール時に設定します。また、クラスターの MTU の変更は、インストール後のタスクとして実行できます。詳細は、「クラスターネットワーク MTU の変更」を参照してください。

OVN-Kubernetes プラグインを使用するクラスターの場合、MTU はネットワークの NIC でサポートされている最大値よりも 100 バイト以上小さい必要があります。スループットを最適化する場合は、8900 など、可能な限り大きな値を選択します。レイテンシーを最低限に抑えるために最適化するには、より小さい値を選択します。

重要

クラスターが OVN-Kubernetes プラグインを使用し、ネットワークが NIC を使用してネットワーク経由で断片化されていないジャンボフレームパケットを送受信する場合は、Pod が失敗しないように、NIC の MTU 値として 9000 バイトを指定する必要があります。

13.3.3. IPsec の影響

ノードホストの暗号化、復号化に CPU 機能が使用されるので、使用する IP セキュリティーシステムにかかわらず、ノードのスループットおよび CPU 使用率の両方でのパフォーマンスに影響があります。

IPSec は、NIC に到達する前に IP ペイロードレベルでトラフィックを暗号化して、NIC オフロードに使用されてしまう可能性のあるフィールドを保護します。つまり、IPSec が有効な場合には、NIC アクセラレーション機能を使用できない場合があり、スループットの減少、CPU 使用率の上昇につながります。

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