第44章 クラスターリソースの設定
次のコマンドを使用して、クラスターリソースを作成および削除します。
クラスターリソースを作成するコマンドの形式は、以下のとおりです。
pcs resource create resource_id [standard:[provider:]]type [resource_options] [op operation_action operation_options [operation_action operation options]...] [meta meta_options...] [clone [clone_options] | master [master_options] [--wait[=n]]
主なクラスターリソースの作成オプションには、以下が含まれます。
-
--before
および--after
オプションは、リソースグループに含まれるリソースを基準にして、追加するリソースの位置を指定します。 -
--disabled
オプションは、リソースが自動的に起動しないことを示しています。
クラスター内に作成できるリソースの数に制限はありません。
リソースの制約を設定して、クラスター内のそのリソースの動作を指定できます。
リソース作成の例
以下のコマンドは、仕様 ocf
、プロバイダー heartbeat
、およびタイプ IPaddr2
で、リソース VirtualIP
を作成します。このリソースのフローティングアドレスは 192.168.0.120 であり、システムは、30 秒間隔で、リソースが実行しているかどうかを確認します。
# pcs resource create VirtualIP ocf:heartbeat:IPaddr2 ip=192.168.0.120 cidr_netmask=24 op monitor interval=30s
または、以下のように、standard フィールドおよび provider フィールドを省略できます。規格とプロバイダーはそれぞれ ocf
と heartbeat
にデフォルト設定されます。
# pcs resource create VirtualIP IPaddr2 ip=192.168.0.120 cidr_netmask=24 op monitor interval=30s
設定済みリソースの削除
次のコマンドを使用して、設定済みのリソースを削除します。
pcs resource delete resource_id
たとえば、次のコマンドは、リソース ID が VirtualIP
の既存リソースを削除します。
# pcs resource delete VirtualIP
44.1. リソースエージェント識別子
リソースに定義する識別子は、リソースに使用するエージェント、そのエージェントを検索する場所、およびそれが準拠する仕様をクラスターに指示します。
以下の表は、リソースエージェントのこれらのプロパティーについて説明しています。
フィールド | 説明 |
---|---|
standard | エージェントが準拠する規格。使用できる値とその意味は以下のとおりです。
*
*
*
*
* |
type |
使用するリソースエージェントの名前 (例: |
provider |
OCF 仕様により、複数のベンダーで同じリソースエージェントを指定できます。Red Hat が提供するエージェントのほとんどは、プロバイダーに |
以下の表には、利用可能なリソースプロパティーを表示するコマンドをまとめています。
pcs 表示コマンド | 出力 |
---|---|
| 利用できる全リソースのリストを表示 |
| 利用できるリソースエージェントのリストを表示 |
| 利用できるリソースエージェントプロバイダーのリストを表示 |
| 利用できるリソースを指定文字列でフィルターしたリストを表示。仕様名、プロバイダー名、タイプ名などでフィルターを指定して、リソースを表示できます。 |