40.4. リソースおよびリソースグループの作成


次の手順でクラスターのリソースを作成します。すべてのリソースが必ず同じノードで実行するように、このリソースを、リソースグループ apachegroup に追加します。作成するリソースは以下のとおりで、開始する順に記載されています。

  1. XFS ファイルシステムを使用した LVM ボリュームの設定 で作成した LVM ボリュームグループを使用する my_lvm という名前の LVM-activate リソース。
  2. XFS ファイルシステムを使用した LVM ボリュームの設定 で作成したファイルシステムデバイス /dev/my_vg/my_lv を使用する、my_fs という名前の Filesystem リソース。
  3. apachegroup リソースグループの Floating IP アドレスである IPaddr2 リソース。物理ノードに関連付けられている IP アドレスは使用できません。IPaddr2 リソースの NIC デバイスを指定していない場合は、そのノードに静的に割り当てられている IP アドレスの 1 つと同じネットワークに Floating IP が存在していないと、Floating IP アドレスを割り当てる NIC デバイスが適切に検出されません。
  4. Apache HTTP サーバーの設定で定義した index.html ファイルと Apache 設定を使用する Website という名前の apache リソース

以下の手順で、apachegroup リソースグループと、このグループに追加するリソースを作成します。リソースは、グループに追加された順序で起動し、その逆の順序で停止します。この手順は、クラスター内のいずれかのノードで実行してください。

手順

  1. 次のコマンドは、LVM が有効 なリソース my_lvm を作成します。リソースグループ apachegroup は存在しないため、このコマンドによりリソースグループが作成されます。

    注記

    アクティブ/パッシブの HA 設定で、同じ LVM ボリュームグループを使用する LVM が有効 なリソースを複数設定するとデータが破損する場合があるため、そのようなリソースは 1 つ以上設定しないでください。また、LVM が有効 なリソースは、アクティブ/パッシブの HA 設定のクローンリソースとして設定しないでください。

    [root@z1 ~]# pcs resource create my_lvm ocf:heartbeat:LVM-activate vgname=my_vg vg_access_mode=system_id --group apachegroup

    リソースを作成すると、そのリソースは自動的に起動します。以下のコマンドを使用すると、リソースが作成され、起動していることを確認できます。

    # pcs resource status
     Resource Group: apachegroup
         my_lvm	(ocf::heartbeat:LVM-activate):	Started

    pcs resource disablepcs resource enable のコマンドを使用すると手作業によるリソースの停止と起動をリソースごと個別に行うことができます。

  2. 以下のコマンドでは、設定に必要な残りのリソースを作成し、作成したリソースを既存の apachegroup リソースグループに追加します。

    [root@z1 ~]# pcs resource create my_fs Filesystem device="/dev/my_vg/my_lv" directory="/var/www" fstype="xfs" --group apachegroup
    
    [root@z1 ~]# pcs resource create VirtualIP IPaddr2 ip=198.51.100.3 cidr_netmask=24 --group apachegroup
    
    [root@z1 ~]# pcs resource create Website apache configfile="/etc/httpd/conf/httpd.conf" statusurl="http://127.0.0.1/server-status" --group apachegroup
  3. リソースと、そのリソースを含むリソースグループの作成が完了したら、クラスターのステータスを確認します。4 つのリソースがすべて同じノードで実行していることに注意してください。

    [root@z1 ~]# pcs status
    Cluster name: my_cluster
    Last updated: Wed Jul 31 16:38:51 2013
    Last change: Wed Jul 31 16:42:14 2013 via crm_attribute on z1.example.com
    Stack: corosync
    Current DC: z2.example.com (2) - partition with quorum
    Version: 1.1.10-5.el7-9abe687
    2 Nodes configured
    6 Resources configured
    
    Online: [ z1.example.com z2.example.com ]
    
    Full list of resources:
     myapc	(stonith:fence_apc_snmp):	Started z1.example.com
     Resource Group: apachegroup
         my_lvm	(ocf::heartbeat:LVM-activate):	Started z1.example.com
         my_fs	(ocf::heartbeat:Filesystem):	Started z1.example.com
         VirtualIP	(ocf::heartbeat:IPaddr2):	Started z1.example.com
         Website	(ocf::heartbeat:apache):	Started z1.example.com

    クラスターのフェンシングデバイスを設定していないと、リソースがデフォルトで起動しません。

  4. クラスターが稼働したら、ブラウザーで、IPaddr2 リソースとして定義した IP アドレスを指定して、Hello と単語が表示されるサンプル表示を確認します。

    Hello

    設定したリソースが実行されていない場合は、pcs resource debug-start resource コマンドを実行してリソースの設定をテストできます。

  5. apache リソースエージェントを使用して Apache を管理する場合は systemd が使用されません。そのため、Apache のリロードに systemctl が使用されないようにするため、Apache によって提供される logrotate スクリプトを編集する必要があります。

    クラスター内の各ノード上で、/etc/logrotate.d/httpd ファイルから以下の行を削除します。

    /bin/systemctl reload httpd.service > /dev/null 2>/dev/null || true
    • RHEL 8.6 以降の場合は、削除した行を次の 3 行に置き換え、PID ファイルパスとして /var/run/httpd-website.pid を指定します。ここの website は、Apache リソースの名前になります。この例では、Apache リソース名は Website です。

      /usr/bin/test -f /var/run/httpd-Website.pid >/dev/null 2>/dev/null &&
      /usr/bin/ps -q $(/usr/bin/cat /var/run/httpd-Website.pid) >/dev/null 2>/dev/null &&
      /usr/sbin/httpd -f /etc/httpd/conf/httpd.conf -c "PidFile /var/run/httpd-Website.pid" -k graceful > /dev/null 2>/dev/null || true
    • RHEL 8.5 以前の場合は、削除した行を次の 3 行に置き換えます。

      /usr/bin/test -f /run/httpd.pid >/dev/null 2>/dev/null &&
      /usr/bin/ps -q $(/usr/bin/cat /run/httpd.pid) >/dev/null 2>/dev/null &&
      /usr/sbin/httpd -f /etc/httpd/conf/httpd.conf -c "PidFile /run/httpd.pid" -k graceful > /dev/null 2>/dev/null || true
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