第41章 kdump のインストールと設定


41.1. kdump のインストール

Red Hat Enterprise Linux 8 の新しいバージョンのインストールでは、デフォルトで kdump サービスがインストールされ有効になっています。

41.1.1. kdump とは

kdump は、 クラッシュダンプメカニズムを提供し、クラッシュダンプまたは vmcore ダンプファイルを生成するサービスです。vmcore は、分析とトラブルシューティングのためのシステムメモリーの内容が含まれています。kdump は、 kexec システムコールを使用して、再起動せずに 2 番目のカーネルである キャプチャーカーネル を起動します。このカーネルはクラッシュしたカーネルのメモリーの内容をキャプチャーし、ファイルに保存します。この別のカーネルは、システムメモリーの予約部分で使用できます。

重要

カーネルクラッシュダンプは、システム障害時に利用できる唯一の情報になります。したがって、ミッションクリティカルな環境では、kdump を稼働させることが重要です。Red Hat は、通常のカーネル更新サイクルで kexec-tools を定期的に更新してテストすることを推奨します。これは、新しいカーネル機能をインストールするときに重要です。

マシンに複数のカーネルがある場合は、インストールされているすべてのカーネルに対して、または指定したカーネルに対してのみ kdump を有効にできます。kdump をインストールすると、システムによってデフォルトの /etc/kdump.conf ファイルが作成されます。/etc/kdump.conf はデフォルトの最小 kdump 設定が含まれており、これを編集して kdump 設定をカスタマイズできます。

41.1.2. Anaconda を使用した kdump のインストール

Anaconda インストーラーでは、対話式インストール時に kdump 設定用のグラフィカルインターフェイス画面が表示されます。kdump を有効にして、必要な量のメモリーを予約できます。

手順

  1. Anaconda インストーラーで、KDUMP をクリックして kdump を有効にします。

    RHEL インストール時の kdump の有効化
  2. メモリー予約をカスタマイズする必要がある場合は、Kdump Memory ReservationManual を選択します。
  3. KDUMP > Memory To Be Reserved (MB) で、kdump に必要なメモリー予約を設定します。

    Kdump メモリー予約

41.1.3. コマンドラインで kdump のインストール

カスタムの キックスタート インストールなどのインストール方法では、kdump がデフルトでインストールまたは有効化 されない 場合があります。その場合、次の手順で kdump を有効にできます。

前提条件

  • アクティブな RHEL サブスクリプションがある。
  • システムの CPU アーキテクチャー用の kexec-tools パッケージを含むリポジトリーがある。
  • kdump 設定とターゲットの要件をすべて満たしている。詳細は サポートされている kdump 設定とターゲット を参照してください。

手順

  1. システムに kdump がインストールされているかどうかを確認します。

    # rpm -q kexec-tools

    このパッケージがインストールされている場合は以下を出力します。

    kexec-tools-2.0.17-11.el8.x86_64

    このパッケージがインストールされていない場合は以下を出力します

    package kexec-tools is not installed
  2. kdump および必要なパッケージをインストールします。

    # dnf install kexec-tools
重要

kernel-3.10.0-693.el7 以降では、Intel IOMMU ドライバーが kdump でサポートされます。kernel-3.10.0-514[.XYZ].el7 以前のバージョンでは、応答しないキャプチャーカーネルを防ぐために、Intel IOMMU が無効化されていることを確認する必要があります。

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